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2005年10月19日 (水)

鐘淵中学校の研究発表会

鐘淵中学校の研究発表会東京都墨田区立鐘淵中学校では、「e-黒板が授業を変える!」~電子情報ボードを活用した授業の提案~ と「情報モラルを身につけたネット社会の歩き方」の研究を進めてきており、10月16日(日)はその「研究発表会」がありました。

(1)鐘淵中学校の挑戦

kane4679渡部校長は、すべての教員がe-黒板を使えるようにという目標を立てて進めてこられました。最初は市倉先生だけでしたが、この夏5名の先生がインストラクターとなって、それぞれ4~5名の先生方を「マンツーマン研修」「グループ研修」で教えるという仕組みでその挑戦がはじまりました。今回はその成果の発表第一弾です。

(2)公開授業と研究授業

9:10からの1校時から13:50までの4校時で、3学年全7クラスで27の実践授業がありました。そのうち20の授業がe-黒板(電子黒板)を活用した実践です。 e-黒板研究会会長(メディア教育開発センター理事長)の清水康敬氏も授業見学に参加されました。

kane4697kane4707kane4708私は数学、体育、美術(写真、左から)の授業を中心に見学しました。他に、国語、体育、社会、英語、音楽、理科、道徳、技術(順不同)の授業がありました。

(3)dbookの活用とビデオ教材の活用数学・国語など多くの授業で’dbook’を活用されていました。(dbookとはデジタル教材作成ツールです。詳細については、CECのe-黒板研究会平成16年度の成果報告CD-ROMの付録1を参照ください。このページからdbookの試作ソフトがダウンロードも可能です。)

国語では「奥の細道」に関するDVDを視聴させたり、美術ではレオナルド・ダビンチの生涯を紹介するビデオを流したりしていました。体育では、模範演技をパソコン画面で確認させたり、生徒の演技をプラズマディスプレイで大写しし、確認させたりアドバイスをしたりしていました。

(4)ちょっとしたトラブルも生徒の協力で無意識のうちにボードを動かしてしまったために、ポイントする位置がづれたりする場合がありました。その都度、「校正(位置合わせ)」をしてリスタートしていました。また、数学の授業で直線を引く時に高い位置だと人差し指が触れる前に、小指のあたりが触れていたようでなかなかうまくいかないといったトラブルもありました。原因がわかってからは問題はなかったようです。その他、音がでなかったり、元に戻す操作を先生が間違えそうになると、生徒たちが先生に教えたり、操作を手伝ったりして「危機」を乗り越えていました。生徒の方が覚えが早いし、いろいろな先生の授業を受けているので「体験」も豊富です。子どもたちに手伝ってもらいながら授業を進めていくのもいい方法ですね。 渡部校長の「全ての授業で、全ての先生が使えるようにする」という目標に向かっての挑戦が始まったばかりですが、着実に前に向かって進んでいるようです。

(5)学校説明会、研究発表、講演、そしてパネルディスカッションそのあと14:10からは、学校説明会、研究発表、講演、パネルディスカッションと続きました。

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学校説明会では、来年度から中学生になる子どもたちとその保護者を対象に鐘淵中学校の特徴や具体的な取組みを紹介していました。研究発表では、大塚教務主任が「研究テーマの解説」を、市倉先生が「研究の歩みと今後の展開と題して、e-黒板のメリットや課題、そして今後の活用に関する考え方をうまくまとめて説明されていました。

(講演については、省略します。)

パネルディスカッションのテーマは、「情報モラルとは?」です。

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司会は渡部校長。関は、冒頭の問題提起をまかされました。平成12年度・13年度にCECのIPA委託事業で開発した「ネット社会の歩き方」を紹介しました。この教育用コンテンツは今年度、さらにバージョンアップされる予定です。

kane4730都立江東商業高等学校の榎本竜二先生は、「ネット社会で、子どもたちが被害者にならないこと、加害者にならないこと」、そのためには先生方が現実に何が起こったり問題となるかを知る必要があるということ。個人情報保護法に関して、学校がとるアンケートなどを例にポイントを解説されました。

NTTドコモのモバイル社会研究所の遊橋裕泰氏は、中学生が丁度携帯を持ち始める時期であり、その携帯は持ち始めてから2ヶ月が一番重要な時期であると指摘されました。

墨田区立教育委員会指導主事の内田辰彦氏は、学習指導要領より引用されながら、子どもたちをとりまく現状について解説されました。「規範意識を育てること」「判断力を育てること」の重要さと、墨田区で定めた「インターネットの利用5か条」についても紹介されました。

PTA副会長の稲村文子氏は、「モラル=人間として守るべき正しい道」であるが、インターネットや携帯は、子どもがどのような経験をしているのか、親が見れないのが問題である。また、「だめなものはだめ、いいものはいいと、親がきちっと判断できればいいのだけど、それが難しい状況になる」という現状の課題を説明さました。

(このパネルディスカッションの最中に震度3の地震がありました。壇上の我々は、天井で揺れる照明器具をみて不安な気持ちになりましたが、すぐにおさまったのでプログラムは無事続行されました。)

最後に、渡部校長が締めとして、「お礼の言葉」を述べられましたが、前日までの先生方の準備の大変さを説明しながら「感極まった」瞬間がありました。でも、一番大変な苦労をされたのは校長先生ご自身であったと私は推察しています。

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