2007年2月23日 (金)

【インタビュー】堀田龍也先生に聞く:電子黒板のメリットとは?

今日は、JAPET第4プロジェクトのメンバー4人で、メディア教育開発センターの堀田龍也先生を訪ねました。
高陵社の高田さん、光村図書の黒川さん、JAPETの増田さんと私です。
今年度のJAPET第4プロジェクトでは、電子黒板とデジタル教科書を活用したモデル授業のビデオCDと小冊子を作成し、教育へのICT活用の促進をする活動をしています。そこで、専門家である堀田龍也先生に制作途中のビデオを見ていただき、アドバイスをいただこうというわけです。「電子黒板+デジタル教科書」を活用した授業は「どういうところがいいのか?」「どう使えばいいのか?」をお聞きしました。
さすが堀田先生です。みんなが関心する素晴らしいアドバイス&コメントをいただきましたので、関係者のみなさんにも参考にしてもらいたいと思い、メモをもとに思い出しながらまとめてみました。

◇授業の様子のビデオについてのアドバイス
・10分は長い。3分でいいのでは。
・授業の全体像を静止画で示し、その静止画をクリックすることでその場面が見られるようにしたらどうか。
・キャプションは必要。「先生の声」「児童の声」「活動の意味」を色を変えてテロップにすると分かりやすい。

◇「電子黒板+デジタル教科書」のメリット
感情移入ができるほどのコンテンツが実現できる
・電子黒板は、「情報」を書き付けることができる点がよい。普通の黒板では「先生の考え」と「子どもたちの考え」を書き出すだけで情報は出てこない
・プロジェクターでは「映せばわかる」という授業ができるが、「電子黒板+デジタル教科書」活用の授業ではさらにその次(その先)の授業ができる
・「大きく映したものを、触ったら変わる」ので、パソコンよりも操作が簡単
・「画面をタッチするだけで、次々にいろんなリソースを呼び出すことができる」ので、テンポのいい授業ができる
・「子どもたちは先生の先を見ている」 だから、電子黒板を使った「授業では流れを途切れさせないテンポのいい授業」ができる
・単位時間内で「密度の濃い授業」ができる
・目線を確保したまま、「子どもたちの集中力が持続する授業」ができる

◇「電子黒板+デジタル教科書」活用のポイントと課題
・「板書の文化」とデジタル教科書の融合が大切
ワークシートとの併用は大事
・英国では、電子黒板の機能の中で一番使われているのは「隠す機能」。 隠した状態から見せていくことで、「集中力」「興味・関心」を引き出すことができる
・ICT活用の授業ではコンテンツが重要であり、コンテンツの中でも特に「デジタル教科書」と「教科書準拠のコンテンツ」「単元全体がコンテンツ化されていること」が重要である
「書かせる」&「読ませる」ことで学習が深まる
・展開図を「展開する機能(アニメーション)」を使って示すことは有効
・一斉授業がちゃんとできることが大事。すなわち、どこでどのリソースを見せれば「もっと考えられる」「もっとわかる」ようになるかの技能やノウハウが必要
・豊かなリソースを活用する授業マネージメントの能力。「ICT活用能力」ではなく、「一斉授業の力」が問われる。
・「授業の芸」を後進に残していくことが大事。「授業が豊かになる方法」
・「いい授業を見せる」ことで、先生方が「こういう授業をしたい」と思わせ、いい授業をするために「電子黒板+デジタル教科書」を使うようになることがよい
・「授業力を上げていく方向」が大事

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2005年9月13日 (火)

清水康敬理事長に聞く:「IT活用と学力向上」

simizu36 8月19日にメディア教育開発センターを訪ね、e-黒板研究会の会長でもある理事長の清水康敬氏にいろいろとお話をお伺いしました。

Q1.清水先生が座長をされている「初等中等教育における教育の情報化に関する検討会」(第7回:7月22日実施)で、「ITを活用した教科指導の改善のための調査研究」の調査結果についてご報告されたそうですが、「この調査の目的や背景、そして要点」は何ですか?
A1.英国では、「IT(ICT)が学力向上につながる」という大規模で統計的な調査結果が得られているが、IT活用が英国に比べて5~6年は遅れている日本では、同じ結論がそのまま通用しないし、同じ手法も使えない。国や地方自治体に「教育の情報化予算」をつけてもらうためには、先生方自分自身が使う場合、「ITが学力向上につながる」と思っているかどうかを聞く必要がある。
 そこで各校種・学年・教科ごとにIT活用の場面と評価の観点を示し、「学力が上がると思うか?」と聞いた。

Q2.「この調査でわかったこと」は何ですか?
A2.わかったことの要点は、
 1) 全ての項目に関して、ITを使った方が使わなかったときよりも「学力が向上する」という風に先生方が認めている
 2) 研修を受けた先生の方が、受けなかった先生よりも数段高い評価をしている
 3) 年齢別(教員経験年数別とも言える)では、30~35歳の中堅クラスの先生の評価が一番高い。若くてIT活用が得意というだけでなく、ある程度の経験があり指導力のある先生がITの効果を認めているという結果が出た。
 4) 実践していない先生に比べて、実際にIT活用の授業をしてもらった先生の場合、愕然とするほど高い評価をしている。使ってみると、その効果が実感できるという結果が出ている。
 ということです。

Q3.「今後の課題」は何ですか?
A3.すでに、整備の状況や活用の実態において、各都道府県や各学校で「二極化」と言っていいほど格差が出てきている。次の年度のゴールに違いがあってはいけない。それをどのように解決するかが課題だと思う。

Q4.e-黒板にターゲットを絞った「ITを活用した教科指導の改善のための調査研究」(WEB上でのアンケート調査)をされる計画はありますか?
A4.昨年度の調査をそのまま使って、またはe-黒板用に少し質問項目を追加するなどして、調査することはできると思う。調査に協力してくれる学校があれば、実施したい。

Q5.ポスト2005年ということで、日本においてもっと「教育にIT活用を促進させる」施策についてお考えをお聞かせください。
A5.「IT活用は学力向上に効果がある!」ということをアピールする必要がある。今までは、アピールする材料が少なすぎた。また、管理職(校長・教頭)に読んでもらえるようなものを作って、先生方が校長先生といっしょになって「ITは有効だから、予算をつけてください」と心から言えるような材料(調査結果)をまとめたい。また、研修を受けた先生方ほど高い評価をしていることから、研修を充実させていきたい。

「ITを活用した教科指導の改善のための調査研究」(報告書概要)

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