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2005年9月 8日 (木)

冨永敦子さんに聞く:「いまどきの大学生」

今日は、あの「きみの話は わかりにくい」 なんてもう 言わせない! という『わかりやすく説明する技術』の本の著者でテクニカルライターの冨永敦子さんをお呼びしました。
私が某大学の非常勤講師として、「ビジネス文書の書き方」の講座を受け持つかもしれないというお話があったので、急遽来ていただいて、冨永さんの経験とノウハウ、そしていまどきの大学生の様子をお聞きしました。

tomi90Q1.『わかりやすく説明する技術』という本の韓国語版が出るそうですが、おめでとうございます。この本(日本語版)が出版されるきっかけはどのようなものだったのですか?
A1.ある大学向けの教材をWebにアップしていた(※)のですが、それがフリーの編集者の目にとまり、学生向けからビジネスマン向けにアレンジして本にしたというわけです。Webにアップしていたのは、講義に出られなかった学生や出ていてももう一度勉強したいという学生のためだったんです。

Q2.冨永さんは、某コンピュータメーカー系ソフトウェア会社にいらっしゃったそうですが、テクニカルライターに転身されたのはなぜですか?
A2.先輩に誘われたからでしょうか。単にその人のお手伝いをするという気持ちだったと思います。
コンピュータ研修のテキストなどを書くのは好きでしたし、「外の世界に出てみたい!」という気持ちもありました。

tomi89Q3.子どもの時から、書くのが好きだったのですか?
A3.わりと好きなほうだったような気がします。それはきっと良い先生にめぐりあえたせいだと思います。小学校一年生の時の先生は「朝礼のときの校長先生のお話」を聞いて、あとで書かせるということをやっていました。子どもの時って、記憶力がいいから、いっしょうけんめい聞いてそれを書くってことが苦痛ではなく、できるんでしょうね。
三~四年生の時の担任の先生は、毎日「詩」を書かせました。必ず「赤」を入れて返してくれるのです。そして、たまると文集にしてくれました。私の文章は「歯切れがいい」と言われるのですが、そういうリズムはそのころ身についたのかもしれません。

Q4.学生さんが苦手なことは何ですか?
A4.「因果関係がわからない」「もう少し踏み込んだところまで考えられない」「語彙力・表現力が欠如している」ということでしょうか。原因と結果を整理できないとか、自分で考えることができない、そして面倒なことが嫌いのようです。

tomi86Q5.どのような授業をやられているのですか?
A5.ある大学では、情報学部1年~4年対象の授業を担当しています。文章を書くのが苦手な学生が多いです。文法も苦手です。「e-ラーニング」と通常の対面授業を組み合わせて実施しています。レポートがきちんとかけるようになることが目標です。「e-ラーニング」をきちっとこなすと、かなり上まで上達しますが、課題の多さにメゲル学生もいて、そういう人はこぼれていきます。
別の専門学校では、2年間のコースです。この学校では「大学に編入する」学生も多く、小論文がかけるようになることが目標です。

Q6.学生と接していて、びっくりするような体験とか、ありますか?
A6.とんでもない人がたまにいます。コミュニケーションがうまくとれないのです。
画面を指差して「これ!」と、すがるような目で私を見るだけ。「これがどうしたの?」といいたくなります。また、名乗らないで突然「単位、あぶないんですけど」という学生もいます。「あなたは、どこのだれなの?」といいたくなります。

Q7.講師としてたいへんなことは?また、どんなときに喜びを感じますか?
A7.評価がたいへんです。学生は自分の評価がなぜ他の人と比べて低いのか、納得させる必要があります。そのためには、きちっとした評価基準が必要になります。
嬉しく思うときは、授業が終わって学生さんが「文章を書くときに、相手のことを強く意識するようになった」というように成長したのを見るときです。また、いろいろ工夫して、問題の出し方を変えたりして、それによっていい答えが返ってくるようになったりしたときも嬉しいです。

私の非常勤講師の話は、どうやら可能性が低いような状況になっているのですが、冨永さんから、いろんなことを教わりました。今日は、そのごく一部を紹介しました。

いつも、インタビューをする立場の冨永さんを逆にインタビューしちゃいました。

ご活躍を期待しています。また、いろいろ教えてくださいね。

注(※):富永敦子さんのホームページ講師実績のページから、「教員向けパソコン研修」や「わかりやすい文章の書き方」のテキスト等がダウンロードできます。活用された方は、ご意見やご感想などのフィードバックをしてください。また、講師の依頼等もぜひご本人へ!(関)

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