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2005年11月

2005年11月30日 (水)

第7回図書館総合展

mirai113mirai121みなとみらい21にある「パシフィコ横浜」展示ホールに来ています。第7回図書館総合展の会場です。本日から3日間の開催です。
公共図書館、出版社、図書館システム関連企業など81のブースがあります。

mirai124mirai125受付で緑色のネームプレートをもらったためか、あちらこりらのブースで説明員に呼び止められて、「お時間があれば、説明させてください」「資料1セット用意します」「13:00から当社のプレゼンテーションがありますのでぜひご覧ください」ととても親切に対応してくれました。

mirai126mirai133あとでわかったのですが、緑色のネームプレートは「公共図書館関係者」のものでした。各企業が一番の対象者になっているお客さまです。
そして、リュックを背負っている私の格好もいかにも「図書館関係者」に見えるとのことでした。(^_^)

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ブログ「JEIBA分室」を開設しました

日本電子情報ボード普及協議会(JEIBA)は、電子情報ボードの普及を促進する団体です。今のところ電子情報ボード(電子黒板)のメーカー7社が参加しています。
私はそこの広報担当をしています。
このたび電子黒板の広報活動の一環として、JEIBA分室というブログを開設しました。ずっと準備をしていたのですが、正式にJEIBAから公認いただいたというわけです。
(^_^)

今のところ、このブログ「そよ風」と重複する記事が多いのですが、これから徐々に独自の記事や独自の世界を創り上げていきたいと思いますので、JEIBA分室もご愛顧ください。
よろしくお願いします。

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2005年11月28日 (月)

CEC情報交流会

今日は、財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)の情報交流会がありました。
今回の講演は、
1.平成18年度 教育の情報化の国の施策と予算について
2.パソコンのシックハウスについて
です。

1.平成18年度 教育の情報化の国の施策と予算について
CEC5106経済産業省商務情報政策局 情報人材室室長の野口正氏が、「経済産業省における平成18年度情報政策と教育の情報化関連政策について」と題して30分の講演をされました。


内容は、
◇日本のIT戦略と教育の情報化
◇教育情報化関連施策の歩み
◇平成17年度教育情報化事業について
 ・Open School Platform
 ・学校情報セキュリティ
 ・学校企画発表会
 ・「ネット社会の歩き方」改訂
 ・地域シンポジウム・成果
◇平成18年度情報政策全体と教育情報化事業について
です。

「日本のIT戦略」として、12月8日頃、2005年以降の施策についての発表があるそうです。
「世界最先端であり続けるためにどうしたらいいか」と「今までの基盤整備を中心にした施策からITをどう活用するかに視点が移っていく」とのこと。
今までの「e-Japan特命委員会」は「u-Japan特命委員会」と名前を変えて活動を始めたが、教育分野での対応の遅れが指摘されている。今までの「何台」とか「何%」という目標ではなく、ITを整備してそれで「何をやるか」が大事というのが、議論の論点となっているとか。
「教員のIT指導力の向上」「児童生徒のIT活用能力の育成」が目標となる。例えば、教員のITリテラシー向上のために「校務の情報化」を推進したり、「公立高校では全教員にパソコンを配布する」とか、「いや、教員全てに一人一台のパソコンを配布する必要がある」などの議論が出ているそうです。

2.パソコンのシックハウスについて
CEC5110社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)IT製品環境事業委員会VOCタスクフォース主査の栗原清一氏(富士通)が、「パソコンに関するVOCガイドライン自主取り組み」について解説されました。

(いずれも詳細は省略します。)

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2005年11月26日 (土)

第4回「宮島サロン」:座禅草の不思議

miyaji92miyaji93miyaji97今日は、宮島龍興氏の主宰する「宮島サロン」の第4回目でした。今回はメンバー全員が揃いました。宮島さん、内山さん、堀内さん、鈴木さん、高橋さん、森田さん、小林さんと私です。
霞ヶ関ビル33階校友会館のレストラン’けやき’が会場でした。
工事中の文部科学省庁舎や皇居・国会議事堂などが見下ろせます。

miyaji99いつものように宮島さん(元筑波大学学長、現JAPET名誉会長、CEC理事長)の楽しいお話を聞くことができました。
ザゼンソウは雌花が咲いている時だけ温度を一定に保つそうです。そして、虫などを呼ぶためか強い匂いを放つとか。周辺の花が「同時には咲かない」というのはどのようなmechanismになっているのだろうとお話されました。

私は、先週末のNHK-TV「おはよう日本」での電子黒板特集に関してお話しました。多摩動物公園でボランティアガイドの実習生をしていることも報告しました。

12月1日のCEC主催「先進IT活用教育シンポジウムin宮城」での宮島さんのご挨拶も楽しみにしています。そして、翌日は宮島さんが東北の高名な学者さんに会われるそうですが、「関さんもどうですか?」とお誘いを受けました。
「宮島サロン」に参加できるだけでも光栄なことですが、こんな機会を与えられることもとても嬉しいことです。またひとつ、仙台に行く楽しみが増えました。(^_^)

ーーーーー
関連情報:
JAPET宮島名誉会長第76回提言エッセイ 「花は燃えている」 (平成17年2月7日掲載)

miyaji89本紹介:世はあべこべ―宮島龍興エッセイ集「わからないものですよ」
宮島 龍興 (著)

(この本の内容については、このブログでもいつかご紹介したいと考えています。)

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ゆみちゃん日記(その6):「効率の悪いパン屋さん」編

今日は土曜日です。久しぶりに午前中からゆみちゃんが遊びに来ました。
「おさんぽ、行こうか?」と私。風は冷たそうですが、日差しは暖かそうです。
「とくちゃん、行こうか?」とゆみちゃん。

tokuta84とくちゃんとは「トクタロウ」という近所のパン屋さんです。パンはとても美味しいのですが、いつも行列ができていて、いつも食べたいパンが品切れで、それになんといってもパンを選んだり、お金を払ったりするシステムの効率が悪く、いつもイライラするので私はそのお店にあまりいい印象を持っていません。

tokuta87お店に着くと、やっぱり10人ほどの人が行列をつくっています。お店の中にも5人ほどの人が待っています。
でも、みんな楽しそうです。おしゃべりをしながら順番を待っている人、大きな包みにパンをいっぱい抱えて帰る人、みんなニコニコしています。「ゆみちゃん、こんにちは。きょうは、おじちゃんといっしょでいいね。」と声がかかります。ゆみちゃんも「ママがね。ごようなの」「おねえちゃんがね。ピアノのレッスンなの」「パパがかえってきたら、おでかけするの。」と話が弾んでいるようです。やっとお店の中にはいれました。
ここのお店のシステムは問題があります。まず、店主らしいのですが、上品な話し振りの老婦人がお客の注文を聞いてパンを袋に詰めていきます。その袋を覗きながら会計係りが金額を計算します。
そして最後にレジ係がお金を受取り精算します。とにかく、時間がかかるので効率が悪いのです。

tokuta86でも、顔をしかめているのは、私だけのようです。「ゆみちゃん、きょうは何にしますか。ミルクパンはいくついりますか。」とおばあさん。
「おじちゃんとおばちゃんとひでくん、パパとママとおねえちゃんとゆみ。」
「それじゃあ7つですね」とおばあさんがミルクパンを7つ袋にいれました。
お店は家族全員で働いているそうです。だから、日曜日と祝日はお休み。奥でパンを焼いているお兄さんがときどき焼きたてのパンを持って出てきます。
「ゆみちゃん、ブルーベリーのパンはいかが?できたてだよ」と声をかけます。ゆみちゃんはそのパンを覗き込んで「1つください」と注文します。レジの横にゆみちゃん大好物の「りんごジュースの瓶詰め」があります。「おじちゃん、ジュースかってもいい?」とゆみちゃん。「いいよ」というと、にっこり笑いました。

土曜日のお昼前、わくわくしながら列に並び、焼きたてのパンの匂いをかぎながら「どれにしようかな」とじっくり迷い、たとえ効率は悪くても家族全員がそれぞれの役割をもって生き生きと働いているのを見ることができるお店。こんな素敵なパン屋さんをゆみちゃんは好きなのです。そして、なによりも「おいしい!」。

私もこんな「効率の悪いパン屋さん」のファンになりました。

(つづく)

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2005年11月25日 (金)

川崎工場の白鷺(?)

Kawako47

Kawako66打合せがあり、川崎工場に来ました。
予定より少し早く着いたので、池のまわりを散歩しました。
白鷺でしょうか?

Kawako55Kawako67白い鳥が魚をとったり、優雅に飛んだりしていました。
あひるも泳いでいました。

Kawako78Kawako73本館の地下にはテクノロジー・ホールという展示室があります。手のひら認証の展示や、愛知万博に出展された介護用の車や、初代の「タブレットPC」などがありました。

Kawako75Kawako77今日の打合せは、タブレットPCと手書き文字認識に関する事業部門との大事な打合せです。

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2005年11月23日 (水)

藤井弘之先生の英語(NHK教育TV「わくわく授業」より)

NHK教育TV「わくわく授業」で、電子黒板がさりげなく使われていたのをご存知ですか?

あの陰山英男校長のいらっしゃる尾道市立土堂小学校の「藤井弘之先生の英語」です。初回放送が平成17年8月14日で、タイトルは「自然に力がつく“音読パワー”」です。

Web上に藤井弘之先生のコメントがQ&Aの形で載っていましたので、その一部を引用させていただきます。
ーーーーーー
Q.今回の授業のために、どんな準備をしましたか?
A.電子黒板の活用です。
 それまでは,模造紙に英文を書いたものを黒板に貼って子ども達に提示していました。もちろんその方法でも良いのですが,よりスピード感を求めるのならば,電子黒板の圧倒的な勝利です。
 なぜスピード感が必要かですが,理由は2つです。
 1つ目は,スピード感は,集中を生むからです。丁寧にゆっくりとした学習もあってもいいですが,多少丁寧さは欠けたとしても,スピード感のある授業だってあっていいと思います。子ども達は,そのスピードに乗ってくるのです(もちろん,そうするための指導は必要ですが)。スピードに乗ろうとすれば,集中せざるを得ないのです。
 2つ目は,徹底反復のためです。当たり前の話ですが,徹底反復,つまり繰り返し学習を成立させるためには,何度も何度も同じ学習を提示する必要があります。そうなると,必然的にスピード感が生まれてくるのです。
ーーーーーー

日本でも電子黒板を使った授業がどんどん増え、「わくわく」するような素晴らしい授業がたくさん生まれていくことを望んでいます。

e-黒板研究会:関 幸一

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2005年11月19日 (土)

おさんぽクジャクが飛びました!

TZoo4979TZoo4973TZoo4976今日は、多摩動物公園のボランティアガイド9日目。
私の担当は、「ウサモル」(ウサギとモルモットのふれあい広場)でした。

TZoo4992TZoo5005TZoo4998お昼休みに、角はシカ、頭はウマ、体はロバ、ひづめはウシという四不像も見てきました。そして、サイやユキヒョウの親子などを見にいきました。

TZoo4989TZoo4992TZoo4964そうそう、白鳥が優雅に泳いでいました。
いつもの「おさんぽクジャク」が飛ぶところをみました。
そして、先輩のNさんの芸術作品・木彫りの鳥も見ることができました。
とても平穏な一日でした。

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山田さん、原さん、上原先生、黒川さん:コメントありがとう!

山田さん、原さん、上原先生、黒川さん:
【NHK-TV「おはよう日本」の生中継】の記事に、コメントありがとうございました。

(1)山田さんに製作していただいた「e-黒板研究会」の成果物をご紹介します。
「e-黒板研究会」のホームページに掲載していますが、
平成16年度の成果報告CD-ROM
 「e-黒板とe-教科書で授業が変わる!」~平成16年度e-黒板研究会報告~

平成15年度の成果報告CD-ROM
  「電子情報ボードを活用した授業実践事例集」
です。
「e-黒板」とは何か、「e-黒板」の活用事例(ビデオクリップや報告書、関連の調査報告書、「e-黒板」で使える教材集等が収録されています。

(2)原さんが主宰する「IT活用教材標準化委員会」の成果物である「dbook」をご紹介します。
e教材作成ツール「dbook」で簡単に紙の教材をデジタル化して、スクリーンに大きく映し出すことができます。
上記の「平成16年度の成果報告CD-ROM」に「dbook」の試作が収録されています。
A-3-2 e-教材作成ツール(dbook)をご覧ください。ダウンロードもできます。

(3)上原先生の作られている「数学・情報教育などの教育に関する情報提供のページ」をご紹介します。
「MOW MOW MOW の部屋」です。
上原先生が作られた算数・数学の素晴らしい教材がたくさん収録されたページ「MOW MOW MOW 数学の部屋」へのリンクもあります。

(4)黒川さん(光村図書)の作られているデジタル教科書のページをご紹介します。
光村図書のホームページに「国語デジタル教科書」の小学校版中学校版が収録されています。

みなさん、ありがとうございました。
今後とも、よろしくお願いします!(関)

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2005年11月18日 (金)

NHK-TV「おはよう日本」の生中継

NHK4938NHK4955墨田区立鐘淵中学校に来ています。
リハーサル中です。
今日はNHK総合TVの「おはよう日本」で、電子黒板を活用した授業の生中継があるというので、準備におおわらわです。
NHK4956NHK4692渡部校長先生は進行を見守りながら、いつものように「カメラマン」としての腕も振るっています。

中継が始まりました。(生中継中の写真撮影は禁止されています。)
土橋大記アナウンサーの軽快な語りで、電子黒板の特徴が紹介されていきます。
「字」が書き込めることや、英語では東京書籍のデジタル教科書(来年度用)を使って、文章をタッチすると発音が再生するところや、数学では三角形の形や大きさが自由に変えられるところ(上原先生の教材でしょうか)を、理科では蝶が羽化するビデオを再生して見せます。

やっと中継が終わりました。TVを見ている人たちにはどのように映ったのでしょうか。

次は、あらかじめ録画しておいた場面の放映です。現場にいるわれわれには何が放映されているのかわかりません。
電子黒板関連の放送は約10分間でした。中継のほかに、同校での数学の授業・体育・英語の授業、つくば市内の学校での授業も収録されており、番組内で紹介されたことでしょう。
また、最初にデジタル教科書を世に出した光村図書では、新しいデジタル教科書の企画会議の様子がビデオ撮りされたそうです。きっと放映されると思います。

家に帰ったら、録画予約したビデオを見るのが楽しみです。
この番組は、海外でも放映されるそうです。
関係者のみなさん、ご苦労様でした。


この番組をご覧になった方は、感想・ご意見をこの記事のコメントとして残してください。
よろしくお願いします。

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2005年11月16日 (水)

録画予約しました!電子黒板を活用した授業の生中継

墨田区立鐘淵中学校からの電子黒板を活用した授業の生中継は、11月18日(金)朝7:45分ころからという噂(^_^)です。
NHK総合TVの「おはよう日本」の中で中継されます。
電子黒板関連の放送は約9分間。中継のほかに、同校での数学の授業・体育の授業、つくば市内の学校での授業も収録されており、番組内で紹介される予定です。
また、教科書会社からは新年度からの新しいデジタル教科書(M社の国語・T社の英語)についてもレポートされるそうです。

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2005年11月13日 (日)

ゆみちゃん日記(その5):「団地の大掃除」編

TamaPD29今日は、年に2回の団地の大掃除の日です。
各家からは、だいたい一人が参加します。奥さんが参加する家もあれば、御主人が参加する家もあります。
あまり若い人たちは出てこないようです。もちろん、毎回だれも参加しない家もあります。冬は、熊手や竹箒で落ち葉やゴミをかき集めてビニール袋に入れて集めます。

団地の階段ごとにお世話係りが決まっています。今年は、ゆみちゃんちが階段当番なので、みんなに知らせたり時間になったら「さあ、始めましょう」とか終わったら「ごくろうさまでした」と声をかけて取り仕切る役です。
1棟で階段が3つ、階段ごとに10家族が住んでいます。

ゆみちゃんちは、おとうさん、おかあさん、お姉ちゃんのみほちゃんと、そしてゆみちゃんの4人が全員参加です。おとうさんは、開始の1時まえから集会所に行って、熊手と竹箒を持ってきました。おかあさんはゴミを入れるビニール袋をを持って集合場所の階段下に来ていました。
みんな思い思いの場所から始めます。仲のいい奥さん同士で世間話をしながらゴミを掃きあつめたり、男の人たちは口もきかずに黙々と熊手で落ち葉をかき集めますが、北風がその三分の一も吹き飛ばしてしまいます。

ゆみちゃんとお姉ちゃんは、手袋つきの完全武装でお手伝いです。お姉ちゃんは子ども用の小さな熊手を持っていますが、ゆみちゃんは大きな熊手を持っています。「ゆみちゃんもお姉ちゃんと一緒の小さい方がいいんじゃない」と言っても、「ゆみは、こっちがいい」といって大きな熊手を持って落ち葉と格闘しています。ゆみちゃんは、あっちで熊手をふるい、こっちで落ち葉をビニール袋に詰めています。どうやら、おとうさんのマネ、おかあさんのマネをしているようです。

あちらこちらに、落ち葉の山ができるころには、無口だった男性群も汗をかきながら、話を始めています。素手のまま落ち葉をビニール袋に詰め込む人や「私が捨ててきましょう」と役割分担も自然に行われます。

「そろそろ、終わりにしましょう。」とゆみちゃんのお父さんが声をかけました。ゆみちゃんもみんなに「おそうじ、おわりだよ!」と声をかけています。私も、1時間近く身体を動かして、少し腰も痛くなっていました。
TamaPD31ビニール袋をゴミ収集所に集め、熊手と竹箒を集会所に返して大掃除は終わりました。参加賞は、階段当番が用意をします。今年は「ポッキー」でした。「おじちゃんもポッキーもらえるよ」とゆみちゃんが手渡してくれました。

団地のまわりもきれいになって、今日は「なんだかいい汗かいたな!」と爽快な気分になりました。

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2005年11月12日 (土)

岡本薫氏講演:「学力、ICTとマネージメントの課題」

nagano53全日本教育工学研究協議会(JAET) 長野大会
日時:2005年11月11日14:25~15:25
場所:長野県農協ビル(長野市)


nagano52講演テーマ:「学力(目標)、ICT(手段)とマネージメントの課題」
講師:岡本薫氏(文部科学省スポーツ・青少年局企画・体育課長)
講師略歴:元文部省学習情報課長で首相タスクフォース「教育の情報化」メンバーとして、「ミレニアム・プロジェクト『教育の情報化』」の企画にも関わられた方です。

○「自分たちがどうしたいか」が重要
「どう変わる日本の教育」という捉え方ではだめだ。「どう変える!日本の教育」というように自分たちがどうしたいかが重要である。

○選択と自己責任の時代
権限と税金を国から委譲されて、地方にとっては「選択と自己責任の時代」となってきている。
すなわち、「自由をいかに使いこなせるか」ということであり、ローカルスタンダードの時代の到来といえる。しかし、自由の活用にはマネージメントが必要であるが、日本は「マネージメントが苦手」である。

○教育の質を決める3つの要素
(1)カリキュラムの質
(2)教員の質
(3)スクールマネージメントの質

文部科学省には、カリキュラムと教員研修の担当課はあるが、「スクールマネージメント」を担当する課がない。

○企業のマネージャーを校長にするという動きについて
企業人を校長にするという動きがあるが、「スクールマネージメント」と「企業マネージメント」は違う。
「軍事マネージメント」とも違うが、戦争という事例から「スクールマネージメント」について学ぶことは多い。

○ノモハン事件に学ぶ
ノモハン事件(日本軍完敗:1939年5月11日、満州と外蒙との国境付近のノモハンで、外蒙軍と日本の関東軍・満州国軍が武力衝突を起こした。日本側が完敗し、9月15日、モスクワで休戦協定が成立した)の時、日本軍では、「適切に対処せよ!」という指令が出ていた。これは、当時から変わっていない日本の問題点を示している。

◎日本におけるマネージメントの課題
(1)「目的」と「手段」を明確に区別できない
「目的」と「手段」をはっきり区別することは、あらゆる議論やマネージメントにとって不可欠な「基本中の基本」であるが、日本人の多くはこのことが苦手である。
「目的と手段の混同」は、特に「手段として行われている活動」そのものに「価値がある」と思われているときに起こりがちであり、例えば、「パソコン・インターネットを使うこと自体が教育の世界において目的化する」ことも目的と手段の混同である。
(2)原因の特定ができない
子どもたちの「心の問題」に対応するために、「心の教育」の必要性が話題になるが、「心の問題」が起きている原因は「心の教育の不足」ではない。
こうしたアプローチのしかたは、外国の専門家からも、「水を溜めたタンクの水位が下がってしまっているときに、穴を探して塞ぐのではなく、上から水を注ぎ続けるようなもので、効果はあっても根本的な解決にはならない」と言われている。
(3)具体的「目標」の設定ができない
日本人はもともと「マネージメント」ということが苦手のようであるが、特に精神的な価値と結びついている「教育」というものについては、「目標・目的の設定」という基本的な部分で、既につまずいてしまっていることが多い。

◎政策マネージメントのプロセス
(1)現状の把握
政策マネージメントを行うプロセスの第一は、「現状」を正しく把握すること。
(2)原因の特定
「現状」は「理想」からほど遠い状態、「問題」をはらむ状態にある場合が多い。そうした「問題」をもたらした「原因」を除去することで「現状」を「理想状態」に近づけることができる。
そのためには、「原因の特定」が必要である。
(3)目標の設定
・「目標」は明確なものでなけらばならない。そして、「評価」ができる(すなわち、測定可能)なものでなければならない。
・目指すべき方向性について「対立」があるときに、そのどちらも否定できない上位概念でその対立を糊塗してはならない。すぐに対立が露呈するからである。
・「目標設定」とは「選択」である。「これを目指す」ということを決めると同時に、「あれは目指さない」ということも決めておく必要がある。
・「目標設定」とは「必要なこと」を実現するためのものであるが、「誰にとって必要なことか」をよく吟味・検討することが必要である。
(4)手段の開発・実施
「目標」を達成するための「手段」を考える必要がある。
「意識改革」は「手段」ではなく「結果」である。有効な「手段」を開発できない場合に、意識改革が手段とされることが多い。
(5)結果の評価(目標・結果の比較)
「評価」とは、単に「当初の目標」と「手段が実施された結果」を比較することである。
「数値化」とは限らず、評価には「定量的」なものだけではなく、「定性的」なものも含まれる。
日本では、「そもそも目標が正しかったのか」という評価委員の意見を「評価」にしてしまうことも多いようだが、これはマネージメントプロセスにおける「評価」ではない。

○「ルール」と「モラル」の混同
「著作権」は「ルール」であり「モラル」ではない。「他人が作ったコンテンツを無断でコピーしてはいけない」というのは、「赤信号では止まらなければいかない」というのと同じ「ルール」であり、思想・信条などとも関係した「相対的なもの」である「モラル」とは全く違うものである。

◎システム改革とマネージメント
自由と民主主義というのは「正しいものは存在しない」という前提から出発している。キリスト教徒もイスラム教徒もヒンズー教徒も住んでいるアメリカでは、「ブタを食べてよいか」「ウシを食べてよいか」などという「モラル」について話し合っても結論はでません。
これに対して、「同質性」への信仰がのこる日本では、「システムの改善」ではなく「心の問題」で解決しようとしがちである。マネージメントのプロセスをよく理解した上で、「システム改革」「教育改革」を進めていく必要がある。

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参考文献:
校長・教頭・教委職員・PTA関係者のための学校情報化のマネジメント
 岡本薫著 明治図書
教育議論を「かみ合わせる」ための35のカギ
 岡本薫著 明治図書

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2005年11月11日 (金)

全日本教育工学研究協議会(JAET) 長野大会

Nagano69今年の全日本教育工学研究協議会(JAET) 全国大会は、長野で開催されています。
全体会場及び研究会は長野市にある長野県農協ビルです。そこに来ています。

nagano48今日は大会初日です。
14:00から全体会が始まり、14:25から岡本薫氏による特別講演です。
岡本薫さんは、文部科学省スポーツ・青少年局企画・体育課長で、元文部省学習情報課長で首相タスクフォース「教育の情報化」メンバーとして、「ミレニアム・プロジェクト『教育の情報化』」の企画にも関わられた方です。
講演の概要は別記事で報告します。
◇特別講演:
テーマは、『学力(目標)・ICT(手段)とマネジメントの課題』 。講師は岡本薫氏です。

nagano5916:00からは、パネルディスカッションです。
概要を報告します。
◇パネルディスカッション:
テーマは、「ICTで築く確かな学力の証し」 。コーディネータは清水康敬氏(メディア教育開発センター理事長) 。
パネリストは、新井紀子氏(国立情報学研究所助教授)、大久保昇氏((株)内田洋行常務取締役)、遠山裕夫氏(長野県伊那市立西春近南小学校教諭)、吉崎静夫氏(JAET副会長、日本女子大学教授)です。
nagano61コーディネータは清水康敬氏は、文部科学省に委託を受けて昨年度に日本教育工学会が実施した「ITを活用した教科指導の改善のための調査研究」(e-黒板ニュース第55号参照)と、その後を受けてメディア教育開発センターが実施している同じテーマの調査概要を解説し、パネルディスカッションのテーマの背景を説明されました。

nagano62新井紀子氏は、国立情報学研究所が取り組んでいるNetCommonsを紹介しました。“NetCommons” とは、新井紀子助教授と(株)NTT データポケットが,市民団体等がインターネットの上で,安全かつ簡単に情報共有することを支援するためのシステムです。

nagano64nagano67大久保昇氏は、富士通研究所の「タブレットPCを活用した手書き電子教材」を学力向上の証の事例として紹介されていました。


nagano74吉崎静夫氏は、「どうICTを活用すれば、学力向上につながるか」の研究・検証が重要であると説明されました。
例えば、「読み書き計算」の育成にはプリント教材の方が有効であり、「知識・理解」や「興味・関心」を高めるためにはデジタル教材が有効である。したがってこれらを場面により併用する必要があると説かれました。実践事例として、つくば市立二ノ宮小学校(毛利靖教諭)の事例と横浜市立大口台小学校(佐藤幸江教諭)の事例を紹介されました。

総括として清水康敬氏は、
・「ICTで築く確かな学力の証」としての事例や具体的なデータをできるだけ多く収集・評価・共有し、ICTをどう活用すれば学力向上につながるかを広める必要がある
・財政難の状況下、現場からの強い要望がないとICT活用のためのインフラ整備に予算がつくことは難しい。教員・校長から、インフラ整備の必要性を訴え、強い要望を出していただく必要がある。
と締めくくられた。

nagano45nagano43企業展示:
農協ビルの12階ロビーでは、最新情報機器の展示や実演等が行われました。


◇エピローグ:
日本政府の「ミレニアムプロジェクト-教育の情報化-」では、全ての学級のあらゆる授業において教員及び生徒がコンピュータを活用できる環境の整備を掲げ、その目標年を2005年度としている。この節目の年に、第一線の研究者や教育実践者が全国から長野に集い、これまでの教育実践を通して成果や課題を確認し合い、教育の情報化に関する次なるステージに向かって新たな提案を行うことが本大会の趣旨です。

「ICTで築く確かな学力の証」というテーマであったが、日本ではその「確かな証」はすでに実証されたものではなく、これから示していかなくてはならないテーマであることが分かった。

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2005年11月10日 (木)

ニュースがあります!!

日にちはまだ言えないのですが、朝7時45分頃、NHK-TV「おはよう日本」の中で、都内の某公立中学校から、電子黒板を使っている授業の生中継があるようです。

都内の某公立中学校とは、1年半前に私が米国から招聘した高校物理のゼウカウスキー先生の模擬授業に感動したW校長先生が、すぐに電子黒板の導入を決め、今年は全教員・全教科で活用すべく教員研修を進めている学校です。先月は、その学校の研究発表会「講演」までさせていただきました。

私にとっては、とても感慨深いものがあります。今からワクワクしています。(^_^)

NHK4867NHK4868今日はその番組の取材で、渋谷のNHK放送センターに行ってきました。
精力的に取材をされている「おはよう日本」担当ディレクターのHさんのいくつかの質問に答えました。彼女からの電話取材は数回受けていましたが、お会いするのは初めてでした。
とても素敵なひとでした。(^_^)

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「情報教育実践者Blogめぐり」

情報教育実践者BlogめぐりというWebサイトを見つけました。最近、毎日のようにめぐっています。「教育の情報化」の状況がよくわかります。
どなたが作られたのでしょうか?(きっと、唯一「さん」がついていない堀博文さんでしょうか?)

中でも私のお勧めは、
「自主研究グループ」
熊本県情報教育研究会  熊本県情報教育研究会のblog
「大学研究者」
イナガキタダシのdiary  稲垣@東北学院大学さんのblog
メディアと教育を考える  メディア教育開発センター 堀田龍也先生のblog
中川一史のひとりごと  金沢大学 中川一史先生のblog
木原俊行@大阪市立大学です  大阪市立大学 木原俊行先生のblog
「学校現場」
yamachin . com  山脇@鳥取さんのblog
教育工房 あいでぃあ・るーむ  中川@徳島さんのHP
授業研究空間  前田@熊本さんのblog(授業日記)
「教育委員会・センター」
kodaman's Diary  児玉@宮崎市教育情報研修センターさんのblog
堀博文のポートフォリオ  堀@丹波市教育委員会のblog
です。

「その他」として
そよ風  関@富士通さんのblog
が唯一紹介されているのは、なぜかうれしいです。(^_^)

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2005年11月 9日 (水)

駅前のクリスマス・イルミネーション

Tamapl58Tamapl51たまプラーザ駅前のクリスマス・イルミネーションが本日からお披露目です。
時々、雪も降ります。
お近くの人は、見にきてください!(^_^)

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2005年11月 6日 (日)

初等中等教育における教育の情報化に関する検討会(第9回)の配布資料より

初等中等教育における教育の情報化に関する検討会(第9回)が、10月6日(木)経済産業省別館11階1111会議室にて開催されました。
議題 は、 (1) 「情報教育」の内容の充実について、(2) その他 です。
ここのところ、「教育の情報化」というよりは「情報教育」に関する検討に終始しているように思います。

配付資料が文部科学省のページにアップされています。
(PDF版で掲載されていますが、HTML(テキスト)版での掲載が可能な資料は、準備が出来次第掲載されるそうです。)

資料0 初等中等教育における教育の情報化に関する検討会委員の所属の変更について(PDF:110KB)
資料1 初等中等教育の情報教育に係る学習活動について(報告書案)(PDF:306KB)
資料2 「初等中等教育の情報教育に係る学習活動について」報告書(パンフレット版、Web版)の作成方針等に関する主な意見(PDF:68KB)
資料3 初等中等教における教育の情報化に関する検討会(第8回)議事概要(第8回議事概要へリンク)

参考資料 中央教育審議会教育課程部会(平成17年9月15日開催)関係資料(抄)の資料3「教育課程部会の当面の検討課題(例)について(案)」をテキスト化して掲載させていただきます。
(誤字等があった場合はご容赦ください。)

・「基礎・基本」の徹底、自ら学び自ら考える「力」の養成
・生活習慣の形成が十分でない子どもたちに対する、食育などの基本的な「力」を養成
・国・自治体・学校の役割分担
・科学技術教育、小学校の英語などの教育
・全国的な学力調査など、国における目標設定と評価の仕組み
がポイントのようです。
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中央教育審議会教育課程部会(平成17年9月15日開催)関係資料(抄)

●義務教育の内容を設定するに当たっては、「基礎・基本」の徹底、自ら学び自ら考える「力」の養成が重要である。その具体的な内容の在り方や重視すべき内容を明確化することを含め、実効あらしめるためには、どのような施策が必要か。

 ○「基礎・基本」の徹底
 ・「基礎・基本」の具体的な内容
 ・「基礎・基本」を徹底するための指導法
 ・補充的な指導の必要な自動性とへの教育の在り方

 ○自ら学び自ら考える「力」の育成
 ・次代を担う子どもたちに身につけさせたい「力」の具体的な内容
 ・思考力・表現力等の「力」を養成するための指導法
 ・発展的な指導が適当な児童生徒への教育の在り方

●子どもの「社会的自立」のために必要な力として、どのような内容に重点を置くべきか。その際、学校・家庭・地域の役割をどのように考えるか。役割分担を実効あらしめるためには、どのような施策が必要か。

 ○子どもたちの変化への対応
 ・家庭や社会の教育力が低下する中で、生活習慣の形成が十分でない子どもたち
  に対して、食育などの基本的な「力」を養成するための教育の在り方
 ・自尊心が乏し、かったり学習や将来の職業に対して無気力な子どもたちに対して、
  キャリア教育などの前向きな「力」を養成するための教育の在り方
 ・学校と家庭・地域との役割分担と協力協働の在り方

 ○社会の変化への対応
 ・法教育、金融・経済教育、環境教育など、社会・経済の変化に対応して、自立
  した個人を育成するため、新たに教育することが要請されている分野の教育の
  在り方

●次の世代の人材育成という観点から、国の教育改革策を立案するに当たって、国家戦略として、どのような内容に重点を置くべきか。
 また、国・自治体・学校の役割分担をどのように考えるか。役割分担を実効あらしめるためには、どのような施策が必要か。

 ○国としての人材育成の在り方
 ・社会経済のグローバル化が急速に進展する中で、我が国が知識基盤社会の構築
  を目指して、国際的に質の高い教育水準を実現するための手立て
 ・科学技術教育、小学校の英語などの教育の在り方
 ・到達目標の設定や全国的な学力調査など、国における目標設定と評価の仕組み
  の在り方

 ○地方や学校の特色を生かす教育の在り方
 ・国としての共通指導内容を明確に示しつつ、現場の主体性や創意工夫を生かす
  ための手立て
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2005年11月 3日 (木)

カレーを作りました

Kobe4827Kobe4829神戸の実家に来ています。
冷蔵庫の中の残り物でカレーを6皿分作りました。
一人で食べます。


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2005年11月 2日 (水)

日本記者クラブに来ています

今日はある委員会の委員として、日比谷の日本記者クラブ(プレスセンターホール)に来ています。
委員長は赤堀先生、委員として堀田先生もいらっしゃいます。
(モブログ投稿です)051102_17420001.jpg

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「こころの作法」:山折哲雄氏講演

テーマ:「こころの作法」
講師:山折哲雄(国際日本文化研究センタ-所長)
H15.11.28
(文責:関幸一)

財団法人松下視聴覚研究財団「設立30周年記念式典」での記念講演

視聴覚教育は、音や映像などのマルチメディアを駆使した教育というテーマですが、そこであえて、「聞いて、聞いて、聞き続ける態度」「美しい沈黙」の重要性を持ってきた講師の慧眼と力量には感服しました。

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1.サバイバルセオリーと無常セオリー
(人類の危機的状況下における二つの選択肢)
イラクやトルコの事件が、東京でも起こる危険性を感じている人は多い。
このような困難な状況にどう対応するか。人類史2000年・3000 年の中で、人類はいろいろ考えてきた。この危機的な状況に対応するのに、大きく分けて2つの心構え、2つの選択肢がある。
「ユダヤ・キリスト教的な対応」と「アジア的、仏教的・道教的な対応」である。
第一のユダヤ教・キリスト教的な対応というのは、旧約聖書に出てくる「ノアの箱舟」に象徴される。人類の傲慢さに怒った神が大洪水を起こし、ノア(一族)だけが生き残るという物語である。

一言で言うと「生き残り戦略」。少数の人間だけが生き残る「サバイバルセオリー」である。ユダヤ・キリスト教的なものの根幹は「選民思想」である。
「人間、いかに生くべきか。いかに死すべきか。」という命題がある。1912年のタイタニック号の悲劇は、現代版の「ノアの箱舟」と言える。旧約聖書の時代もそうだったが、タイタニックの時も、生き残った人々のこころのありさまは残っているが、死なざるを得なかった人々の思いは残っていない。
英国マンチェスター大学のジョー・ハリス博士が出した哲学的命題、それは、「サバイバル ロッタリー」というものである。「もしも、10人の命を助けるために、(だれか一人の命を奪わなければならないとしたら)どのように一人の人間を選ぶか」という命題である。それを選ぶルールや方法は無く、ロッタリー(くじ引き)で選ぶというのは、いかにも英国らしい。「最大多数のための最大幸福」という考え方である。我々の社会でも、この命題に直面する。

英国で、「劣悪な自然環境のなかで、死んだ人の人肉を、食べて生き延びた人たちを、許せるか許せないか」という裁判になったことがあった。結果は「許される」という判決が出た。ここにも「サバイバルセオリー」がある。これは、「ノアの大洪水の時」の選択肢その1である。

もう一つの選択肢がある。「その時、我もまた、死に赴こうとする」すなわち、皆と同じ運命を甘んじて受け入れようとする選択肢である。仏陀の「無常」のセオリーである。すなわち、「形あるものは滅する」ということ。
「無常観」にもいろいろある。インドでは「乾いた無常観」であり、「冷たい無常観」である。仏教が日本に入るとそれは、「湿った無常観」「情緒的な無常観」となる。それは、平家物語の冒頭に象徴される。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、・・・」盲目の琵琶法師により語られ、共感と同情を持って聞かれる「身悶えする無常」である。イラクへの自衛官の派遣に際して、はたして「身悶えする無常」といったこういう伝統が残っているだろうか。

良寛の無常観は、明るい無常観である。良寛の句に、「裏を見せ 表を見せて散る紅葉」というのがあるが、気持ちのいい無常観である。「散る桜 残る桜も散る桜」これは清澄な無常観である。良寛が尊敬する道元の句に、「春は花 夏不如帰 秋は月 冬雪冴えて涼しかりけり」があり、川端康成はノーベル賞受賞の時にこの句を引用して、日本人の四季を感じる感情の細やかさを説明したが、良寛はこの句を受けて、「形見とて 何か残さん 春は花 夏不如帰 ・・・」と詠んだ。「このようなモドキ芸」が日本の芸の本質である。

2つの選択肢とは、言い換えると「サバイバルセオリー」と「無常セオリー」である。
私は、10年前は、この二つの二者択一だと考えていた。しかし、今は違う。
今や日本では、既にサバイバルセオリーが染み付いている。衣食住の全てを律している。その前提の上で、無常セオリーをどう結び付け、どう調和させるのか。
この問題を考える必要がある。大多数の中で、少数の人間を生かす。政策の中に、そして経済運営の中に。はたして、それは、調和のある二重奏を奏でるのか、それとも自動演奏のようなギクシャクとした演奏となるのか。

2.個人的生命に対しての危機に際して
源氏物語を「京ことば」の朗読を聞いただけで、その世界に乗り移ることができた。今までの聞いていた「共通語を通した源氏物語」は、それとは別世界。
ことばは大事。戦後の国語教育は間違っていた。これは、言い過ぎ。葵の上(源氏の最初の妻)が難産で苦しんでいる時に、源氏は、妻の顔がかつての恋人の顔に変わるのを見た。これは、まさに生霊のなせる業。「こころの鬼」すなわち、良心の呵責であり、祟りの現象である。悪霊払いが必要である。と考えた。
本居宣長も、病気になったときにまずやるべきは、加持祈祷と言っている。心の治療がまず大事ということである。薬を飲ませて治療するのは、薬師(くすし)と呼ばれて蔑まれていた。まずは、お坊さんがカウンセリングをするのである。

紫式部は、当時最大の権力者であった藤原道長の娘の家庭教師であり、妾であったという説がある。藤原道長は、一族(子や孫)が病気などの時、加持祈祷をした。時には道長自身が、験者(ゲンザ)の格好をしてやった。こころの問題を土台にした加持祈祷である。そのことに、道長は自信があった。ところが道長自身は、自分の命が尽きるとき病床で、「もう加持祈祷はいらぬ。念仏だけでよい」と言った。
「死の意識」「悪の自覚」の中で、念仏の声で満ち満ちていた。無常の声の中で最後を迎えるエクスタシー(絶頂感)である。「生き残り戦略」と「無常戦略」の調和をどうとっていくのかということは、あの時代の貴族たちだけの問題ではなく、現代を生きる我々にとっても、普遍的な問題である。

3.「世阿弥の世界」と教育
世阿弥の能楽の世界は、現在までの日本人のこころの支柱となり、根幹となっている。能楽では、「諸国一見の僧(ワキヤク)」が最初に舞台に登場し、右手のワキに座っている。(「一見の僧」とは、諸国を行脚し、いわゆる「一見さん(乞食僧)お断り」の処遇を受けているのである。)次に、シテが出てきて身悶えするほど、大いに嘆き、不平・不満を漏らす。ワキは、ただ、じっと見つめている。聞いて、聞いて、聞き続けている。シテは亡霊である。そして、ようやく慰められて舞台を去る・・・。最後に、「諸国一見の僧」が一の松、二の松、三の松と後姿を見せながら去っていく。

はじめ、シテとワキが対面している状態から転換があって、肩を並べて向こうを見る形になる。「人間と人間」が「自然と人間」の関係になる。「カウンセラーと宗教家は同じかどうか」についての議論の結論は出ていないが、最初私は、カウンセラーは聞いて、聞いて、聞くことに徹するが、宗教家は聞いて、聞いた果てにある方向性を示すと考えたが、その「方向性を出す」ということは、やらない方がよいと思い直すようになった。

能楽のシテの「聞く力、見る力が凄いな!」と思う。「医師と患者」あるいは「教師と生徒」、「親と子ども」の関係でもある。今日、この「聞く力、見る力」が弱体しているのではないか。
能楽の「諸国一見の僧」の「沈黙の力」は凄い。今は、言葉が氾濫している。そのことが、「人間が本来持っている聞く能力・見る能力」を奪っているのではないか。「沈黙の深み」が「聞く能力、見る能力」を引き出すのである。

永平寺で座禅をした経験があるが、「三黙道場」というきまりがある。食堂と便所と・・・で、音を立てないというきまりである。食事の作法は命の作法である。雲水をよく観察していると、いちいち両手を使っているから、音を立てないことが分かった。お椀を持つのも両手・・・。また、合掌は両手を使う作法である。西洋では握手をするが、これだと、左手でいつでも相手を殴れる作法である。

私は学校でお話をするごとに、先生に、「一度は、子どもたちを永平寺に行かせなさ」と言っている。「沈黙の深さ」「美しい沈黙」それは、無常のセオリーの究極の姿である。

                以上
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父母の入院という状況の中で、この山折哲雄氏の「こころの作法」という2年前の講演を思い出したのです。

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2005年11月 1日 (火)

NHK-TV「おはよう日本」の電話取材を受けました

10月20日の記事では、清水康敬先生が、NHK「おはよう日本」の取材で、「電子黒板」の活用について電話インタビューに答えられたということを書きましたが、今日は私にもNHKのHさんから電話があり、中継で取材する学校はどこがいいかなどいろいろと質問を受けました。
鐘淵中学校の渡部校長にも、群馬県小野上村立小野上小学校の上原先生にも電話したそうです。ずいぶん熱心に取材をされているようです。
肝心の放送日ですが、その方は「今月中には放送したい」とおっしゃっていました。
どこの学校から電子黒板を使った授業の中継がされるのでしょうか?今からとても楽しみです。

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学力向上に顕著な効果がある手書き電子教材:その2

手書き電子教材の「サンプル教材」と「デモムービー」が
富士通研究所のホームページにアップされましたのでお知らせします。

手書き電子教材デモムービーでは、漢字,計算,日本地図の全てのデモムービーをご覧いただけます。
・手書き電子教材デモムービー (13.6MB / WMV / 2005.10登録)
・漢字デモムービー(6.82MB / WMV / 2005.10登録)
・計算デモムービー(4.33MB / WMV / 2005.10登録)
・日本地図デモムービー(2.21MB / WMV / 2005.10登録)

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