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2005年12月 2日 (金)

永野和男氏講演:「ポスト2005年のIT活用教育と子どもの学び」

CEC5169CEC5176講師:聖心女子大学教授 永野和男氏
テーマ:「ポスト2005年のIT活用教育と子どもの学び」
日時:2005年12月1日(木)
イベント: 「先進IT活用教育シンポジウムin宮城」
場所:仙台市情報・産業プラザ

最近よく「ポスト2005年」という言葉が使われる。e-Japan戦略で「世界最先端のIT国家を目指す」ということで、2005年度を期限としてインフラ整備を行ってきたが、インフラ整備後の方向性をどうするかということである。

○教育の情報化・情報教育推進の方向性
情報技術の向かう先は、
・見えないコンピュータ(自動化)
・洗練された個人の道具
・コミュニケーションの支援
という方向だと考える。

○情報化時代の能力観
人として「どんな能力」を持っていたらよいか。社会人として身につけておくべき知識・技術とは
・調査(Research)
・コミュニケーション(Communication)
・企画(Planning)
・対応・交渉・対処(Coping)
・説明(Account)
といった能力である。

○これからの学力・求められる人材とは
・基礎的な知識・技術(知見の伝承)
・論理的な思考
・グローバルな視点
・コミュニケーション(人に伝える・人から学ぶ)
・情報の活用(情報をクリエートできる・道具を使いこなす)
・他人への配慮、自己への気づき
である。

○人が学ぶということ
・ルーチン(繰り返しにより意識しなくてもできるようになること)
・気づき(常に意識をもち、獲得するよう働きかけること)
・興味のないものは組織化されない(好奇心)
情報解決型(私の言葉では「情報アクセス型」)の学習が求められる。
学習するときに主体的な問題意識、すなわち、「自分にとって興味があるかどうか」が大きな問題である。
これは小学校段階では教師の力量が大きくかかわってくるが、中学校・高等学校では「体験型学習」がより重要となってくる。
「興味(好奇心)のないものは組織化されない」という記憶・理解のメカニズムが関係してくるのである。

○新しい能力をどのように評価するか
 道具+人間 = 能力
今までのような「知識・理解」に力点をおいた「教えたこと」を「知っているか」のテストだけでは必要な能力を評価できない。
「知っているか」ではなく、「それを使って問題解決できるか」が能力として価値がある。
したがって明らかに能力の評価の方法も変わっていく必要がある。

○情報活用能力を評価する大学入試(聖心女子大学での実践)
聖心女子大学で行っている入学試験では、情報活用能力を評価するために、「情報を読み取る力、判断力、表現力、応答力」を重視している。
「プレゼン評価」と呼んでいるが、具体的な問題を出し、それに対して
a)検索、情報検索、プレゼンシート作成(2時間30分)
b)プレゼンテーション(5分)
c)質疑(10分)
という入学試験を実施している。

評価のポイントは、
(1)筋道立てて構成されているか
(2)伝えたい内容が聞き手に十分に伝わるプレゼンができていたか
(3)わかりやすく適切な内容の資料が作成されているか
(4)それぞれの情報源は、正確か
(5)質問に対して的確な受け答えができているか
をそれぞれ7段階評価で採点する。

評価するために時間がかかるという問題点はあるが、新しい時代に必要とされる能力を評価する方法としては意味があると考えている。

○ポスト2005で目指すべき方向性
・学校教育の情報化の一層の推進(初等中等教育段階)
・人と人との交流を通じた生涯学習の増進に向けた基礎の形成
・高度情報社会に向けた最先端の「知」の探求と大学改革
・情報化の影の部分への対応
が重要であると思う。

      以上

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全国教育工学研究協議会(長野大会)に参加して、「目的」と「方法」を間違わず、実践をしないといけないということを強く感じました。それは、私が、久下小学校に赴任した時、先輩教師であった宏幸先生や大西先生がいつも言っておられたことです。子供たちをどのように変容させていくのか・・・・・・そのことが大切であるということです。 先日火曜のメールマガジンを読んでいて「これからの情報教育」(「情報を見抜く目)(情報を処理する知恵)の育成を目指して」(1995年)の本の紹介がされていました。当時、さっと目を通し... [続きを読む]

受信: 2005年12月 2日 (金) 12時42分

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