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2006年2月 5日 (日)

新しい時代の教育を開く:銭谷眞美初等中等教育局長講演

gunma442月4日(土)群馬県総合教育センターでの「ぐんま教育フェスタ」における講演です。
講演に先立ち、群馬県教育委員会教育長の内山征洋氏のご挨拶と、群馬県総合教育センター所長の飯野眞幸氏からの講師紹介がありました。入場整理券が配られた講演会場は、定員400名とのことでしたがほぼ満員という盛況でした。
講師の銭谷眞美氏は所長のお知り合いで、年齢も同じということでした。
国会開催中でもあり、局長のお話を直接お聞きできるのはとても貴重な体験でした。

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gunma52文部科学省初等中等教育局長
 銭谷眞美氏による特別講演
テーマ:新しい時代の教育を開く
 -学校力・教師力・人間力ー

◇とりまく環境
・「教育の世界は閉ざされた世界。外との広がり・つながりが少ない。」という傾向があった。
・「不登校」「いじめ」の問題と取り組んでいたが、外からはなかなか評価されない。そして、教育というサービスを受ける側の声を聞けていなかった。

・「量」の問題にばかり目がいっていたとも言える。私は団塊の世代でS24生まれ。そのころは1学年240万人。それが今は半分の約120万人。
・「量への対応」に追われていた。社会が変わってきた。これまでのやり方では、今の世の中に会わないのではないかということが課題である。
・規制改革・規制緩和。すなわち、民間の力を借りることも必要となってきている。
・「人材登用」「株式会社の学校」「地方分権」「費用対効果」「行財政改」が議論されてきている。
・対外的に説明しながら実施できるか。子どもも親も変わってきていて、先生もたいへんだ。
・今までの教育は「貧乏な時代に則した教育」。豊かな時代に子どもを躾けるのはたいへんだが、その理念(方法論)がない。

◇アピール
・第一は、「行財政改革の観点から言われていること」
・「三位一体の改革について」
・国庫補助負担金の改革についてと税源委譲についてである。
・義務教育における「国の役割」「都道府県の役割」「市町村の役割」「学校の役割」をどうするか。義務教育のシステムにつてい中教審で議論された。
・昨日、法律案を国会に提出。この法案が通れば、国の負担は1/2->1/3になる。
・児童生徒の純減以上の人件費の削減ではなく、自然減程度の削減に抑えるべきである。
・次に、費用負担すなわち、給与の在り方や定員問題にどう取り組むかであるが、厳しい時代になってきた。
・小さな政府を目指す。しかも。こういう条件の中でしっかり取り組まなければならない。

◇新しい指導要領について
・校種、教科ごとの指導要領の見直し。
・検討課題で大きなものは、「現状確認」であり、400校を訪問して「スクールミーティング」を実施してきた。意識調査を踏まえて議論した。
 その結果、「指導要領の考え方はまちがっていないが、その手立てや方法論は再検討の余地がある」
・考え方
 「基礎基本」「考える力」のどちらが大事かではなく、両方が大事である。
・国語、言語の力を定着させることが重要
 「考える力」のためにも」「コミュニケーション能力」のためにも重要である。
・「学ぶ意欲」を高めることの大切さ
・国際社会(グローバリゼーション)の中で生きていくためとい観点
・総合的な学習の時間(維持をするが、授業時間数や在り方は検討)
 小学校英語をどうするかも検討課題
・学力低下問題
 教える内容(厳選している)について、考え方そのものは否定されていない。

◇外国の取組み
最近、5ヶ国を訪問し各国の「教育への取組み」をつぶさに見て、各国の要人ともお話をしてきた。
・フランス:義務教育は国家負担
・イギリス:義務教育費は今年から全額国家負担となった
 全国的学力調査。教育水準局による学校評価。
 徹底的な学力調査と学校評価
・フィンランド:PISAの調査で高評価
 国語教育、読書に力を入れている
 各家庭は500くらい蔵書がある
 公共図書館が充実している
 先生が尊敬される気風がある(全員修士)
 57%を国が投資
・ドイツ
 16の州で大きな学力差
 州政府の取り組みが違う:
 PISAショック
 教育研究省:7つの改革(学力、倫理観)
 子どもの在校時間を多くする方向
・オランダ:
 私立が多い(7割くらい)
 宗教色が強いが、選択制
 外国語教育 小学校からの外国語教育

◇まとめ
・教育については、どの国も力を入れている
 国の戦略、国の基盤として力を入れている
・私は義務教育は、国がきちっと責任をもってやるべきであると考えている
 凡庸な国民となってしまったら、それを取り返すには大変な時間とお金がかかる
・がんばっている先生が報われる社会、こまった先生がそれなりに処置される社会にしていかなければならない。


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【配られた資料(抜粋して紹介)】
◇義務教育の構造改革(パンフレット)

義務教育の構造改革のポイント
1:義務教育の充実に国家戦略として取り組む
2:市区町村、学校の裁量・自由度を高める分権改革(人事や学級編制に関する権限の市区町村への委譲など)を進める
3:学習指導要領、教員養成、財源保障など義務教育の基盤整備と、学力調査などの検証は、国が責任を負う
4:国と地方の負担により義務教育費が保障される国庫負担制度は優れた制度であり、これを大事にし、更に地方の裁量を広げる

■新しい義務教育の姿
学校の教育力、すなわち「学校力」を強化し、「教師力」を強化し、それを通じて、子どもたちの「人間力」を豊かに育てることが改革の目標である。[答申より]

■義務教育の構造改革
義務教育システムについて、
①目標設置とその実現のための基盤整備を国の責任で行った上で、
②市区町村・学校の権限と責任を拡大する分権改革を進めるとともに、
③教育の結果の検証を国の責任で行い、
義務教育の質を保証する構造に改革すべきである。[答申より]

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◇学習指導要領の見直しに当たっての検討課題
(平成17年2月15日 中央教育審議会総会(第47回)配布資料)

1.「人間力」向上のための教育内容の改善充実
①社会の形成者としての資質の育成
②豊かな人間性と感性の育成
③健やかな体の育成
④国語力の育成
⑤理数教育の改善充実
⑥外国語教育の改善充実

2.学習内容の定着を目指す学習指導要領の枠組みの改善
①各教科等の到達目標の明確化
②国民として共通に必要な学習内容の示し方
③授業時数等の見直し

3.学ぶ意欲を高め、理解を深める授業の実現などの指導上の留意点
①個性や才能を伸ばす教育の推進
②補充的な指導の必要な児童生徒への教育の在り方
③教科書、指導方法等の改善

4.地域や学校の特色を生かす教育の推進
①地域や学校の特色を生かす教育の推進
②学校と家庭、地域社会との関係の在り方
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コメント

銭谷局長講演のエキスをご紹介下さり有り難うございました。感謝です。<(_ _)>

投稿: 塚田直樹 | 2006年2月 5日 (日) 09時43分

群馬県総合教育センター所長のお名前が間違っていました。ご指摘があり、たった今修正しました。
(山口晃氏ー>飯野眞幸氏)
たいへん失礼しました。お詫びして訂正させていただきます。(関幸一)

投稿: 関 幸一 | 2006年2月 5日 (日) 20時53分

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