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2008年3月 1日 (土)

ペン入力コミュニティ第2回セミナー:「タブレットPCを授業で活かす!!」に参加しました

Todai015今日は、東京大学駒場キャンパス17号館の2階にあるICTを活用した最先端の教育施設「駒場アクティブラーニングスタジオ(KALS)」で開催されたペン入力コミュニティ第2回セミナー:「タブレットPCを授業で活かす!!」に参加しました。

Todai047セミナー開始前に、事務局の東京大学大学総合教育研究センターの望月俊男さんからペン入力コミュニティについてのご紹介などがりました。
そのあと「ことだまレクチャー」の開発者でもある産業技術総合研究所の栗原一貴さんから、最近の研究テーマに関するご説明があり、興味深く聞かせていただきました。

◆14:00
セミナーが始まり、五十嵐健夫東京大学准教授がご挨拶をされました。

◆14:10-15:00
Todai0331. 「和歌山市におけるICT活用による学力向上プロジェクト(Wプロジェクト)について」
和歌山市教育委員会和歌山市立教育研究所 専門教育監補)角田佳隆 先生

マイクロソフトと和歌山市の共同研究で、「情報活用能力の育成」と「効果的なICT活用教育」がテーマ。
小学校52校+分校3校のすべての小学校に合計1300台のタブレットPCを導入した。和歌山市の2万人の小学生がタブレットPCを授業で活用している。他に和歌山市立教育研究所で140台を用意し、52校中3校の「研究協力校」には35台~36台(児童1人1台)になるようにした。
タブレットPCは富士通製。他に、ウィルコムのPDA(W-ZERO3)が140台。さらに3月31日には、ギガバイトのUMPCが80台納品される予定。

Todai028◇「なぜタブレットPCなのか?」
低学年(1・2年生)はキーボードになかなか慣れないが、知育玩具の‘せんせい’(お絵描きボード)に慣れ親しんでいるため、タブレットPCのペン入力に抵抗がない。高学年(5・6年生)でもキーボードを使ってレポートを書いたりするのは苦手な子どもが多いので、「ぼくはタブレットの方がいいや!」という。そして、まるで鉛筆でノートに書くようにタブレットPCを使いこなせる。

Todai0362.「和歌山市立有功東小学校での実践」
和歌山市立有功東小学校)本岡 朋 先生
漢字学習にタブレットPCを活用。漢字ドリルをタブレットPCを使って復習する。「書き順の学習が楽しい」との児童の反応。
国語、算数の他に、理科や社会のノートづくりにも適用している。

漢字学習における「タブレットPCと紙とのちがい」:
児童が35人いると先生は1人1分としても35分かかる。これでは、時間がかかりすぎで余裕がない。
タブレットPCだと先生の時間が余り、個別指導の時間がとれるので、今まではきっちりと指導できなかった子どもへの個別指導ができるようになるので、結果的にクラス全体としての学力が上がる。
(富士通研究所の漢字のエンジンを使っている)
国語:音読・書き取りで、今までは遅い子は取り残されるので先生に見てもらえなかったが、こまかいところまで見てもらえるようになる。
算数:計算(百マス計算、筆算、フラッシュ計算)では練習の回数が増える。やればやるほどスキルがアップする。

今後の予定(評価):先生向けにはアンケートによる意識調査を実施する予定(来年度早々)。生徒にはテストの結果からその変移を調査する予定(来年度)。
これらの調査結果から、「タブレットPCの活用による学力向上の成果」を出そうとしている。

OneNoteを使った実践 ~「考える」そして「思考を支援」するノートが実現する~ より
・今までのPC活用は、「調べる」「まとめる(表現する)」という場面で活用されてきたが、「情報をいかに処理するか」「情報をいかに活用するか」の場面では弱かったが、
OneNoteを使った実践では、OneNoteの‘ペン機能’‘なげなわツール’‘画像領域の取り込み’などを使って、情報を活用し、処理できることが特徴である。


◆15:10-16:00
Todai0403. 「タブレットPC,PDAを活用した授業支援 -14の活用事例から-」
岡山県総合教育センター情報教育部 指導主事)小林朝雄 先生

◇アンケート調査結果
 「PC活用:未実施の理由は?」
 ・環境がない:35%
 ・準備・片付けが大変:30%
 ・自信がない:27%
 ・価値を感じない:8%

・PC活用により板書が少なくなった分は個別支援ができるようになった
・教室で使いたいPC:スペックよりも携帯性重視
・m(モバイル)ラーニングプロジェクト:効果的な活用授業の在り方を提案
・手軽にUMPCで:PC使用時の教師の視線が上がるなどのメリット
・ペン操作を生かすソフト
 ①ドラグリ:体育 倒立(倒立のコツ)、野球(素振り練習・・・グリップをピッチャーの方に見せる振り方など)
 ②ぞうかめさん:国語 表現力を高める
 ③OneNote:「学校討論会をしよう」 タブレットPCに意見を集約。聞く側にとって大きな支援。発表側は意見が増加

◇どのような学力を育てているのか?⇒思考力、表現力、判断力
・思考力:マット運動でのタブレットPC活用 →技のポイントや直すところが分かった。→練習の仕方を工夫した。
・表現力:「学校討論会をしよう」で活用 「飼うなら犬?猫?」、「生まれるなら男?女?」
・判断力:「学校討論会をしよう」で活用 「住むなら都会?田舎?」ほか3題

◇情報活用能力育成の評価(対象:6年25名 5件法・30項目)
・「相手の考えや質問がよくわかる」 4.7
・「聞くのがわかりやすい」 4.6
・「わかりやすく話すことができた」 4.5
・「落ち着いて話すことができた」 3.6
聞く側にとっては大きな支援。発表側は論理的な意見が増加(タブレットPCを資料作成段階から、図書室等に持ち込み活用)

◇学習の道具としての評価
・楽しさ 児童生徒:4.68 教師:4.77
・操作性 児童生徒:4.32 教師:3.92
・有効性 児童生徒:4.59 教師:4.08

◇タブレットPCの導入状況
・岡山県総合教育センター:50台(先生方も活用)
・すべての県立学校:各7台(県知事にも有効性をアピールした)

Todai0454.「岡山市立操明小学校での実践」
岡山市立操明小学校)後藤和重 先生

◇体育担当教員アンケート
・ICT活用の経験 なし:67% あり:33%
・活用場面 機械:49% 陸上:22% 水泳:12% ボール:10% 表現:7%
・活用目的 運動のイメージ作りに お手本との比較に
(体育では、ICT活用で「コミュニケーション能力の向上」という目標はなかった)

◇学習活動(「デジタルさくせん板」での話し合い)
⇒知りたい情報を収集・選択・判断
⇒知りえた情報を表現・処理・創造
⇒試合での作戦実行
⇒試合の振り返り(作戦の成否)⇒

◇研究評価
・「デジタルさくせん板」活用
 ⇒発信内容の明確化、受信内容の理解、発信・受信の相互理解
  (コミュニケーション能力)
 ⇒抽出チームの逐語記録、4件法での事前・事後意識調査比較

◇成果と課題
・成果:コミュニケーション能力が向上した児童が増えた
・課題:タブレットPCの方が直感的で有効。(しかし、普及していない)
    体育科でのコミュニケーション能力向上に向けた実践を期待

◇デジタル化した作戦板のよさ
・多くの情報を一つに
・履歴として残せる
・動画でイメージ化
・メンバーで情報の共有化

◆16:00-17:00
グループディスカッション&全体でのディスカッション
・自己紹介と感想
・今日のお話に対する質問・疑問・意見
・今日のお話を聞いて思いついたこと

個人的に関心をもった質問・回答等
◇OneNoteをもっと活用するために、「授業で使える簡単なテンプレートがたくさん欲しい」
◇「電子黒板」と「タブレットPC」:
・先生が提示する場合は「電子黒板」がよい。子どもたちが使う場合は「タブレットPC」がよい。(後藤先生)
・「電子黒板」は前で話ができるので、子どもたちは先生を見てくれる点がよい。「タブレットPC」は机間巡視ができる点がよい(角田先生)
◇アイデア:UMPCの後ろにカメラが付いていて写せるとよい。(角田先生)

◆17:00-17:30
今後の進め方についての意見交換

◆17:30~19:30
懇親会
隣の部屋‘KALS ウェイティングスペース’で懇親会がありました。
発表者の角田佳隆先生、本岡 朋 先生、小林朝雄 先生、後藤和重 先生、主催者(東京大学)の五十嵐健夫准教授、栗原一貴さん、望月俊男さん、そして、井口さん、木村さん、坂本さん、池田さん、田中さん、森本さん、小林さん、和田さん他、いろいろな人とお会いでき、意見交換をすることができました。
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次回(第3回)は、さらにこの‘ペン入力コミュニティの輪’が広がり、教育分野に‘手書き’がもっともっと普及し、教育的効果が実証されることを大いに期待しています。

【ご参考】前回の報告:ペン入力コミュニティ」キックオフ・セミナー2007

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