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2016年8月11日 (木)

史上30人目の偉業達成、イチローが試合後の会見で語ったこととは…

 マーリンズのイチロー外野手が7日(日本時間8日)の敵地ロッキーズ戦でメジャー史上30人目の3000安打を達成した。試合後には記者会見を行い、穏やかな表情で偉業について振り返った。

 3000安打到達までの苦悩や、恩師の故・仰木彬元オリックス監督への思い、そしてチームメートやファンへの感謝の気持ち。イチローは3000安打という金字塔に到達して何を感じたのか。

――3000安打を達成した率直な気持ちから。

「この2週間強、ずいぶん犬みたいに年取ったんじゃないかと思うんですけど、あんなに達成した瞬間にチームメートたちが喜んでくれて、ファンの人たちが喜んでくれた。僕にとって3000という数字よりも僕が何かをすることで僕以外の人たちが喜んくれることが、今の僕にとって何より大事なことだということを再認識した瞬間でした」

――高く上がった打球。本塁打を狙ったのか?

「いやいや、全く狙ってないですよ。そりゃイメージでは、ホームランになったらいいなとかね、考えますけど、そんなに甘いもんではないというのも分かっていますし、ただ打球が上がった瞬間は越えてほしいと思いました。ただ、結果的には、三塁打で決めたというのはポール・モリターと僕ということだったので、結果的にはそのほうが良かったなというふうに思いました」

――116本目の三塁打で、福本豊さんの日本記録を抜く一打となった。

「そうでしたか。あぁ。まぁ福本さんですからね。ごめんなさい、としか言えないですよ」

「2年くらい遅いですよね。感触としては。ずいぶん時間がかかったな」
――三塁にベンチからチームメートが少しずつ近づいていった。どんな気持ちだったのか?

「どういう形になるのかっていうのは僕にも全く想像できなかったわけですから、おそらく一塁の上で達成するなと。達成するなら多分シングルヒットだろうなという風に確率としては思っていたので、チームメートに労力をかけなくてよかったなと思います」

――27歳でのデビューは3000安打到達者でも最も遅い。そこからここにたどり着いたことについては?

「そのことはそんなに僕の中では大きなことではないんですけれども、2年くらい遅いですよね。感触としては。ずいぶん時間がかかったなという感触です」

――2998安打になってから、9日間進められない状況。でも、いつも敵地でも素晴らしい迎えられ方をした。どんな気持ちで毎日を過ごしていたのか?

「セントルイスから球場の雰囲気、ファンの人たちが特別な空気を作ってくれて迎えてくれたことから始まったんですけど、ずいぶん長い時間、まぁホームで決めるというのがなんとなく人が描いたイメージだったと思うんですけど、なかなかそんなうまくいくわけもなく、それも分かっていたことですし。でも、これだけ長い時間、特別な時間を僕にプレゼントしてくれたっていう風に考えれば、この使われ方もよかったなというふうに今は思います」

――その時はそういう風に思えないこともあったと思いますが。

「人に会いたくない時間もたくさんありましたね。誰にも会いたくない、しゃべりたくない。僕はこれまで自分の感情をなるべく殺してプレーをしてきたつもりなんですけども、なかなかそれもうまく行かずという、という苦しい時間でしたね」

「3000を打ってから思い出したことは、このきっかけを作ってくれた仰木監督」
――イチローさんのヒットには全て意味がある。ただ打ってきただけでないと感じているが、そのことについては?

「ただバットを振って……まぁバットを振ること、それ以外もそうですよね。走ること、投げること。全てがそうですけれども、ただそれをして3000本はおそらく無理だと思いますね。瞬間的に成果を出すことはそれでも出来る可能性はありますけども、それなりに長い時間、数字を残そうと思えば、当然、脳みそを使わなくてはいけない。まぁ使いすぎて疲れたり、考えてない人にあっさりやられることもたくさんあるんですけど、でも、それなりに自分なりに説明はできるプレーをしたいというのは僕の根底にありますから、それを見ている人に感じていただけるなら、とても幸せですね」

――イチローさんはよく感謝という言葉を使います。この3000本を打ったこの日に、感謝という言葉をどなたに伝えたいか?

「それはありきたりになってしまいますよね。これだけ長い時間いろんな場所から集まってくれて、それはもう今さら言うまでもないですよね。でも、3000を打ってから思い出したことは、このきっかけを作ってくれた仰木監督ですね。神戸で2000年の秋に、お酒の力を使ってですね、僕が口説いたんですけど、その仰木さんの決断がなければ何も始まらなかったことなので、そのことは頭に浮かびました」

――イチローさんほど野球を好きな選手はいないんじゃないかと感じる。どうしてそんなに野球を好きでいられるのか。

「そんなこと僕に聞かれても困りますけどねぇ。どうでしょう……うまくいかないことが多いからじゃないですか。これはもし成功率が7割を超えなくてはいけない競技であったら、辛いと思いますね。3割で良しとされる技術なんで、まぁ打つことに関しては。これはもういくらでも自分の『志』と言ったらちょっと重いですけども、それさえあればその気持ちが失われることはないような気がしますけどね」

「次こういう状況が生まれるとしたら、4000(安打)しかないですからね」
――到達までに苦しんだ印象があるが、それは何が影響したか?

「代打じゃないですか? 代打。それはしんどいですよ。ただでさえ代打ってしんどいですからね。この状況で代打で結果が出ないっていうのは、ダメージ大きいですよ」

――代打で結果が出ないということは、精神的にダメージが倍加するか?

「倍かどうかわからないですけど、重いですね。それなりに僕も、切ったら赤い血が流れますから。緑の血が流れてる人間ではないですから。感情ももちろんあるし、しんどいですよ」

――3000安打は通過点だと思うが……。

「僕は通過点とは言ってないですよ。ゴールとも言ってないけど」

――この次はどういったことをゴールに置いて進んでいくか?

「どうかなあ? 次こういう状況が生まれるとしたら、4000(安打)しかないですからね。そこまではなかなかですから。まあでも200本を5年やればね。なっちゃいますからね。どうっすかねえ? 3000っていうとみんな、ホール・オブ・フェイム(野球殿堂)とつなげることが多いと思うんですけども、僕にとっては将来そんな、いつの日のことか分からないことよりも、まあ明日の試合に出たいっていうことが大事なことだということですね」

――昨年と今年と残っている数字に違いがあると思うが、オフの期間にどういったことを変えたのか?

「わかりやすい数字の目標があったので、それはいつの段階でかっていうのはわからないですけども、今シーズン中にやりたいというふうには思ってました。あのローズおじさんの記録と、この3000っていうのはわかりやすい数字だったので。でも、春の段階ではどういう起用のされ方か、まったくわからない状況でしたから。ざっくりとそういうものがあったという程度ですね」

達成後の打席は「できればホームランを打とうと思いました」
――モリター監督が3000安打に近づくにつれて今までとは違う重圧を感じて、その先にはとてつもない快感があったと話していたが、これまで達成してきた記録と比べて違うものは感じたか?

「それはあるんですけど、そもそも毎日先発で出て、5打席、毎日立った中で、じゃあ10試合結果が出ないことと、その代打で1打席ずつ、同じ10日間でもまったく意味が違うことなので、実はそのこれくらいのことはあるよねっていう感じだったんですよね。僕の中では。まあしんどいですけど。当然、普段とは違う精神状態に追い込まれて、勝手に自分で追い込むんですけど、追い込んだ中で結果を出すことが難しいのはわかっていますから、まあ当たり前のことが起きた、考えられることが起きたということなんですよね。明日からのことわからないです。ただ、そうなるんだろうという推測はしますけど」

――今日の試合で感情の振れ幅というのは大きかったと思うが、一番振れた瞬間というのはどういうものだったか。

「この国には、さっきも言いましたけど、粋という概念がない中で、でも察するという概念はあるんだなというふうに感じていて、みんな察してくれてるんだって。1打席、2打席、3打席と終わった時に誰も何も言わないんですよ。それがうれしかったですね。みんな口にしなくても、言葉にしなくてみんなわかってくれてる。だからこそ結果を出したいという気持ちがもっと強くなるし、まあでも誰も声をかけなかったというのは本当にうれしかったです。だからまあ、あのヒットが出た時は、当然そのギャップがあるわけですから、みんなのあの顔を見た時はすごく安心しました」

――これまで記録を達成してきた時は、必ずその試合か次の打席で次の1本というのを放ってきたと思うが、3000安打を達成した次の打席の気持ちというのはどういうものだったのか?

「仰るとおりです。打ちにいきました。できればホームランを打とうと思いました。(カウント)3-1から狙いにいきました。で、3-2のカウントになって、おそらく3000を達成していなければ、体が反応して打ちにいったと思います。それで凡打になったと思います。ファウルもしくは凡打です。あれを打ちにいくのをやめたことっていうのは、3000を打ったことによってそうさせたんだと言えると思います」

――3001本目が持ち越されたが、それはマイアミのファンの前で打つことになるが、そこについては?

「それは3001本も3002本もそうなんですけど、これはもし今日3001本を打ったとしても、3002本目はそうなるわけで、そこにあまり大きな意味はないかもしれないですね。その数に」

――マイアミのファンに向けたメッセージと。

「次のヒットがそういうメッセージであるということは想像していますけれども、それもごくごく普通のことといえば普通のことですよね。ロードで達成して、ホームに帰って。次どういう起用のされ方かわからないですけど、次に立つ1打席というのはまた違う意味で特別なものになるというふうに想像はしています」

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count


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