2008年5月20日 (火)

東京都ICT活用指導力向上スタッフ会議で講師をしました

Tokyo70今日は水道橋の東京都教職員研修センターで開催された「第2回東京都ICT活用指導力向上スタッフ会議」で、約40名の先生を相手に講師をさせていただきました。
3年で70億円といわれている東京都の‘教育の情報化推進計画’がついに動きだしたわけです。全校にタブレットPC:各校41台、電子情報ボード・プロジェクタ:各校3台配備という計画です。

テーマは、「タブレットPC等の活用による分かる授業の実現」です。
プロジェクター、電子黒板、そしてタブレットPCを使いながらその特徴や活用方法について説明するというものです。電子黒板は今までに数回しか使った経験がなかったので心配していましたが、なんとか使いこなすことができました。逆にいつも使い慣れているタブレットPCの利用でつまずいてしまいました。(:^_~:)

会議の内容は、例によって報告できませんが、私の講演内容だけ掲載させていただきます。
参考URLなどのデータを参照にしてもらうための公開ページでもあります。happy01

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◆「タブレットPC等の活用による分かる授業の実現」

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も く じ
0.自己紹介(経歴と最近の活動)
1.プロジェクター・電子黒板・タブレットPCの特徴と活用
 1.1 プロジェクター編
 1.2 電子黒板編
 1.3 タブレットPC編
2.ICT活用の普及方法(億劫がっている教員を動き出させる方法)
 2.1 関連Webページのご紹介
 2.2  英国政府が作成したICT活用のためのパッケージご紹介
3.授業におけるICT活用の目的
 3.1  ICT活用の目的は何ですか?
 3.2 「いい授業」とプロジェクター・電子黒板・タブレットPCの関係
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Tokyo563自己紹介:関 幸一
◆略歴:
1947年 兵庫県淡路島生まれ
1970年 関西学院大学理学部物理学科卒業、富士通ファコム入社(1971年より富士通)
1971年-72年 富士通大阪営業所 流通業のSE
1973年-82年 富士通川崎工場 小型機のOS開発(1973年-75年 ブラジル勤務)
1985年-93年 CALシステム部(課長/担当部長) FM-TOWNSの教育用ソフト品揃え
1994年 マルチメディアソフト推進部長  FM-TOWNS &Martyのソフト品揃え
1995年 パーソナル本部技術支援部長 FMV技術支援、FMVバンドルソフト対外窓口
1999年-2005年 財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)に出向
2007年6月 富士通を退職
2007年9月~ 学校法人洗足学園に勤務
◆最近の講演実績:
2006年1月26日 東京都教育庁主催「平成17年度情報教育担当指導主事連絡協議会」講師
2006年2月10日 高知県教育委員会主催「高知県情報教育研究協議会」講師
2006年6月 4日 長野県情報教育研究会講師
2006年8月28日 東海大学短期大学部セミナ講師
2007年6月20日 埼玉県総合教育センター初任者研修講師
2007年7月27日 群馬県総合教育センター授業におけるICT活用研修講座講師
2007年8月24日 静岡県立御殿場養護学校夏期情報研修会講師
2008年1月31日 東京都情報担当指導主事連絡協議会講師
◆最近の活動:
2003年-2005年 e-黒板研究会を実施(CECにて)
2005年~ タブレットPC教育利用研究会を主宰
2007年~ 日本教育工学振興会第4プロジェクト(電子黒板&デジタル教科書等活用研究)委員 
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1.プロジェクター・電子黒板・タブレットPCの特徴と活用 
1.1 プロジェクター編

(1)堀田龍也先生が語るプロジェクター活用の極意
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プロジェクターで映す時,生徒が持っているものそのものを映して教えるのが,(一見,意味がないようですが)実は一番有効です。たとえば教科書など。
次は生徒の考えを書かせたノートなどを,全員の前で共有するような使い方。生徒は真剣になります。

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(2)榎本竜二先生のノウハウ-1
■「プロジェクター」のメリット(教科書や紙で配布するプリントとの比較)
○プロジェクター:全員の視線を集中させられる
×教科書・プリント:教科書やプリントを見てうなだれる
(私は生徒の目や表情で理解度を測っていますから,各自の机の上に目線を落とされると困る。だから普段でも教科書の文章は読まさずに私の側を向かせている。)

○プロジェクター:必要な部分を拡大表示できる
×教科書・プリント:紙面の制約で大きさが限られる
(本当に大事な部分,重要な部分を拡大や強調表示することができる。さらに,付け加えるなら,その時の最新の情報を盛り込んだものを提示できるという部分もある。)

○プロジェクター:動的なプロセスを見せられる
×教科書・プリント固定した図や写真のみとなる

◆「ワイヤレス表示であること」,「専用ペンを使わずに操作できること」などは重要。また,縦の解像度は768以上は必須
■授業への効果的なICT活用のキーポイント
 私の授業スタイルは,操作手順をキャプチャー画面も貼り込んだプリントも作りますが,最初には配らない。まず,いっしょに操作するか,手本を見せて操作をさせてから配布する。
 プリントを先に配ると,重要な説明を聞く前にプリントを見ながらどんどん先に操作を進めてしまう生徒がでることがあるため。
◆ワープロや表計算の操作方法を覚えるためには,
 ・先生の説明をよく聞くこと
 ・操作を覚えること
 ・何も見ないでも誰にも聞かなくても操作できるようになること
 という3つが非常に重要。

WordやExcelの授業をするときは,以下の2つのパターンで拡大提示する。
①操作が複雑で,かつ一度しか行わないような設定の場合,提示をして手本を見せてから,あとは各自で作業をさせる
②繰り返し毎回同じ事をするような場合
 口頭での説明だけ,プリントを追いながらの説明だけでは,操作方法の習得は非常に難しいと思う。
 「操作を身に付ける授業」で,拡大提示は必須。科学的な理解をさせるときに構造の話をするときにも必須ですが。その他ポイントを示する。
・生徒の疑問や質問を想定して,あらかじめスライドを作っておくこと
 提示する予定のスライド以外にも,補足が必要な場合に提示できる教材を作っておくということ。
・提示装置にだけ頼らない
 実物にまさるリアリティなし。遠くからはよく見えないものの,本物の品物・装置などを持ってきてまず見せてみるなど変化を付けないと,ずっと一点集中で視線を集めていると飽きる。
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1.2 電子黒板編
 (1)本紹介
  メディア教育開発センター理事長清水康敬氏編著
  「電子黒板で授業が変わる」より
◇電子黒板のメリット
①手書きができること
②コンピュータというイメージが少ないこと
③表示の位置が操作の位置であること
④消しても元の位置に戻れること
⑤訂正できること
⑥ランダムに表示できること
⑦静止画像提示ができること
⑧動画の提示ができること
⑨生徒の視線を集めることができること
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(2)「電子黒板とデジタル教科書」活用のメリットと課題
 メディア教育開発センターの堀田龍也先生のアドバイス
 http://seki-kouichi.cocolog-nifty.com/jeiba/2007/02/post_3050.html
◇「電子黒板+デジタル教科書」のメリット①
  ⇒ 筑波大附属小学校の事例(ビデオを見てください)
・感情移入ができるほどのコンテンツが実現できる
・電子黒板は、「情報」を書き付けることができる点がよい。
 普通の黒板では 「先生の考え」と「子どもたちの考え」を書き出すだけで情報は出てこない
・プロジェクターでは「映せばわかる」という授業ができるが、「電子黒板+デジタル教科書」活用の授業ではさらにその次(その先)の授業ができる
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◇「電子黒板+デジタル教科書」のメリット②
・「大きく映したものを、触ったら変わる」ので、パソコンよりも操作が簡単
・「画面をタッチするだけで、次々にいろんなリソースを呼び出すことができる」 ので、テンポのいい授業ができる
・「子どもたちは先生の先を見ている」 だから、電子黒板を使った授業では、「流れを途切れさせないテンポのいい授業ができる」
・単位時間内で「密度の濃い授業」ができる
・目線を確保したまま、「子どもたちの集中力が持続する授業」ができる
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(3) 「電子黒板とデジタル教科書」活用のメリットと課題
メディア教育開発センターの堀田龍也先生のアドバイス

◇「電子黒板+デジタル教科書」活用のポイント
・「板書の文化」とデジタル教科書の融合が大切
・ワークシートとの併用は大事
・英国では、電子黒板の機能の中で一番使われているのは「隠す機能」。隠した状態から見せていくことで、「集中力」「興味・関心」を引き出すことができる
・ICT活用の授業ではコンテンツが重要であり、コンテンツの中でも特に「デジタル教科書」と「教科書準拠のコンテンツ」「単元全体がコンテンツ化されていること」が重要である
一斉授業がちゃんとできることが大事。すなわち、どこでどのリソースを見せれば「もっと考えられる」「もっとわかる」ようになるかの技能やノウハウが必要
・豊かなリソースを活用する授業マネージメントの能力。「ICT活用能力」ではなく、「一斉授業の力」が問われる
「授業の芸」を後進に残していくことが大事。「授業が豊かになる方法」 「授業力を上げていく方向」が大事
・「いい授業を見せる」ことで、先生方に「こういう授業をしたい」と思わせ、いい授業をするために「電子黒板+デジタル教科書」を使うようになることがよい
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1.3 タブレットPC編

(1)先生がタブレットPCを使う場合
  ⇒ DeTeMOの事例(ビデオを見てください)

(2)生徒がタブレットPCを使う場合
  ⇒ シンガポールの事例(ビデオを見てください)

(3)学習における手書きの重要性
  ⇒「書を読むものは其の精力の半ばを筆記に費やすべし」(吉田松陰)
  -「ひとすじの蛍火 吉田松陰 人をことば」関 厚夫 文春新書ー
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天良先生のノウハウ:
・普通のノートPCだと操作するのに机において操作するため、机間巡視しながら操作できませんが、タブレットPCだと持ちながら操作できるため机間巡視しながら指導できる。
 →このことは普通教室での授業用に向いている。
・生徒用のPCの画面をワイヤレスプロジェクタの機能で先生用PCでモニタリングできるとともに、全生徒に提示できる。
 これらは、従来パソコン教室でしかできなかったことですが、ワイヤレスプロジェクタで普通教室で実現できる。
・複数台のタブレットPC、プロジェクタなどを収納し、充電や保管ができるキャスター付きのキャビネットを同時に導入することが必要。
・プロジェクターも天井に設置しておけばすぐに活用できる。
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2.ICT活用の普及方法(億劫がっている教員を動き出させる方法)
2.1 関連Webページのご紹介

(1)デジタルコンテンツ編:

◆JSTの「理科ねっとわーく」
http://www.rikanet.jst.go.jp/
◇マウスけで遊びながら学べる低年齢向けのエデュケーションソフト
「あいうえお」「空間認知」「ぬりえ」「どうぶつ神経衰弱」の4種類
http://www.vector.co.jp/soft/win95/edu/se326713.html
◇Dbookを使った「情報」の授業実践
http://htanaka.exblog.jp/8414204/
http://htanaka.exblog.jp/8430320/
◇dbookとデジタル教科書 
http://kyutaro.cocolog-nifty.com/
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(2)電子黒板編:
◆電子黒板:東京・江東区で計200台導入 小名木川小で授業公開
http://mainichi.jp/life/edu/news/20080516mog00m100016000c.html
◆電子黒板普及推進に資する調査研究報告会(2008.3.8)
http://www.uchida.co.jp/seminar/080308/index.cfm
◇ニュース:電子黒板で受験生獲得
(予備校でも電子黒板を使うようになったという記事)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20080308us41.htm
◇JEIBA分室 日本電子情報ボード普及協議会のブログ形式の分室
http://seki-kouichi.cocolog-nifty.com/jeiba/
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(3)タブレットPC編
◆NEXTプロジェクトの報告愛知県蒲郡市の海陽学園の事例。
生徒用に導入したタブレット PC が授業で積極的に活用されています。
http://www.microsoft.com/japan/education/next/lesson_report03.mspx
◆タブレットPCのソフト(フリーソフト・体験版など)
http://seki-kouichi.cocolog-nifty.com/tpc/2007/08/post_e0d0.html
◇和歌山市の事例:小学校 52 校に計 1,300 台のタブレット PC を導入
http://www.microsoft.com/japan/education/next/lesson_report02.mspx
◇立命館小学校で UMPC 活用学習の公開授業
http://www.microsoft.com/japan/education/next/lesson_report01.mspx
◆東大の事例:
「学生が自分で、問題意識を持って資料を探し、考えをまとめたり、他の学生と
共有する学習が効果的だ。KALSはそういった授業に適している」と説明した。
【毎日新聞の岡礼子記者の記事】
http://mainichi.jp/life/edu/archive/news/2007/11/20071130mog00m100081000c.html
◇タブレットPC教育利用研究会
http://seki-kouichi.cocolog-nifty.com/tpc/
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(4)特別支援教育編
◇御殿場養護学校)井上達也先生の特別支援教育を支援するサイト
http://sienta.kids-site.net/nc/index.php
◆葛飾聾学校の事例(都立高校のモデル校):
聾学校で「見える校内放送」を実践
http://www.katsushika-sd.metro.tokyo.jp/it/housou.html
◇富士通アクセシビリティ・アシスタンス
http://jp.fujitsu.com/about/design/ud/assistance/
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(5)ICT活用全般編
◆西田光昭先生のホームページ
(研修会等 発表資料:利用の際は西田先生に了解を取ってください)
http://derek.jp/
◇NIMEの「教員のICT活用指導の自己評価研修システム」:「ADAPT」
http://adapt.nime.ac.jp/
◇NIMEの「教員研修Web総合システム」:「TRAIN」
https://train.nime.ac.jp/about.php
◇千葉の茂原高校の事例:スライドが上下して、面白い
http://www.ice.or.jp/%7Ekenkyu16/h17ken/02/mobara/index.html
◇東京学芸大付属高校
http://www.gakugei-hs.setagaya.tokyo.jp/joho/rika2001/rika2001.htm
◇Wiiリモコンでプロジェクタ投影画面をe黒板として利用できる。
http://www.gizmodo.jp/2007/12/wii_44.html
◇Polka ホームページ:反復再生可能型描画システム
http://www.eng.kagawa-u.ac.jp/~hayashi/polka/polkaHP.html
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Ukpkg022.2 英国政府が作成したICT活用のためのパッケージご紹介
◆パッケージの写真
すべての教科ごとに、ICTの活用方法と事例を説明したパッケージが制作されている。それぞれにInterractive Whiteboad(電子黒板)の活用方法の説明と授業の様子のビデオが付いている。

◆提案:各教科のモデル授業をビデオ化し、配布する!

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Tokyo663.授業におけるICT活用の目的
3.1  教育の目的は何ですか?

「10年後の東京」の実行プログラム2008
<目標7> 意欲ある誰もがチャレンジできる社会を創出する

・学校・家庭・地域の連携で21世紀を担う子供を育成
・青少年を社会性を持った大人に育てる環境づくり
・意欲と能力を活かすものづくり人材育成システムの構築
職業的自立・生活安定に向けた緊急総合対策
アジアの将来を担う高度な人材の育成
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3.授業におけるICT活用の目的
3.2  いい授業とはどんな授業ですか?  

(1)興味・関心が湧く授業       ⇔プロジェクターの活用

(2)分かりやすい授業         ⇔電子黒板の活用

(3)生徒が主体的に取り組める授業⇔タブレットPC
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ICT活用による「分かる授業の実現」で


 東京都が  「日本一!」 


        になろう!!
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本件に関してメールで情報提供してくださった、奥住さん、小泉先生、相原さん、井上先生、天良先生、堀田先生、上草さん、金子さん、原さん、中山先生、上田さん、榎本先生、市倉先生、森下さん、大久保さん、芳賀さん、西田先生、平野さん、石垣さん、岩山さん、梶原さん、役さん、多賀さん、伊藤さん、山田さん、福井さん、戸塚さん、滝田さん、池田さん、武さん、森本さん、中駄さん、針生さん、そして岡さん、みなさん本当にありがとうございました!


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2008年1月31日 (木)

平成19年度情報教育担当指導主事連絡協議会(第2回)で講演しました

Tojoho84今日は、水道橋にある「東京都教職員研修センター」で‘平成19年度情報教育担当指導主事連絡協議会(第2回)’が開催され、東京都の各市区町村の情報教育担当指導主事約60名が集まりました。
そこで、私は約1時間にわたり「IT活用による授業改革への挑戦 ~電子黒板、デジタル教科書、そしてタブレットPC~」と題したお話をする機会を与えられました。
ここ3年間、「タブレットPC教育利用研究会」と称して活動してきた私にとっては大変嬉しい機会です。
お呼びいただいた東京都教育庁の西田主任指導主事と永浜指導主事に感謝しています。

「都立高校ICT計画について」の説明や「事務連絡」などがありましたが、内容はご紹介できません。私がどんなお話をしたかという要約と、最後に感想を述べさせていただくに留めたいと思います。

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「IT活用による授業改革への挑戦
 ~電子黒板、デジタル教科書、そしてタブレットPC~」

◆0.自己紹介(経歴と最近の活動)

◆1.高度情報化社会のこれから
◇1.1 最近の情報技術のキーワード
 ロボット、電子ペーパー、UMPC、ケイタイの業務活用、・・・
 (1)フィールド・イノベーション⇒教育現場の改革が重要
 (2)環境&ユニバーサルデザイン

◇1.2 IT新改革戦略における「教育の情報化」
 次世代を見据えた人的基盤つくり
 -全ての教員へのIT機器の整備、IT活用による学力向上ー
 「IT新改革戦略」(2006年1月19日公開)
○目標
 ①教員一人に一台のコンピュータ及びネットワーク環境の整備並びにIT基盤のサポート体制の整備等を通じ、学校のIT化を行う。
 ②教員のIT指導力の評価等により教員のIT活用能力を向上させる。
 ③自ら学ぶ意欲に応えるような、ITを活用した学習機会を提供する。
 ④教科指導におけるITの活用、小学校における情報モラル教育等を通じ、児童生徒の情報モラルを含む情報活用能力を向上させる。
○実現に向けた方策
 ①2010年度までに全ての公立小中高等学校の教員に一人一台のコンピュータを配備し、・・・校務のIT化を積極的に推進する。・・・(以下、省略)
 ②省略(小中高等学校において情報システム担当外部専門家の設置を推進)
 ③省略(教員のIT活用能力に関する評価をその処遇へ反映すること等を促進することにより、全ての教員のIT活用能力を向上させる)
 ④2006年度までにITを活用した分かりやすい授業方法や、児童生徒の習熟度に応じた効果的な自習用コンテンツの開発・活用の推進等により、教科指導における学力の向上等のためのITを活用した教育を充実させる。
 ⑤省略(小学校段階からの情報モラル教育のあり方を見直す。)

◆2.授業改革への挑戦
◇2.1 電子黒板とデジタル教科書
 (1)電子黒板による分かる授業の実現 NHK「おはよう日本」電子黒板特集のビデオを紹介

 (2)本紹介:メディア教育開発センター理事長清水康敬氏編著 「電子黒板で授業が変わる」
○電子黒板のメリット
 ①手書きができること
 ②コンピュータというイメージが少ないこと
 ③表示の位置が操作の位置であること
 ④消しても元の位置に戻れること
 ⑤訂正できること
 ⑥ランダムに表示できること
 ⑦静止画像提示ができること
 ⑧動画の提示ができること
 ⑨生徒の視線を集めることができること

 (3)「電子黒板とデジタル教科書」活用のメリットと課題
  メディア教育開発センターの堀田龍也先生のアドバイス
○「電子黒板+デジタル教科書」のメリット
 ①感情移入ができるほどのコンテンツが実現できる
 ②電子黒板は、「情報」を書き付けることができる点がよい。普通の黒板では 「先生の考え」と「子どもたちの考え」を書き出すだけで情報は出てこない
 ③プロジェクターでは「映せばわかる」という授業ができるが、「電子黒板+デジタル教科書」活用の授業ではさらにその次(その先)の授業ができる
 ④「大きく映したものを、触ったら変わる」ので、パソコンよりも操作が簡単
 ⑤「画面をタッチするだけで、次々にいろんなリソースを呼び出すことができる」 ので、テンポのいい授業ができる
 ⑥「子どもたちは先生の先を見ている」だから、電子黒板を使った授業では、「流れを途切れさせないテンポのいい授業ができる」
 ⑦単位時間内で「密度の濃い授業」ができる
 ⑧目線を確保したまま、「子どもたちの集中力が持続する授業」ができる

○「電子黒板+デジタル教科書」活用のポイント
 ①「板書の文化」とデジタル教科書の融合が大切
 ②ワークシートとの併用は大事
 ③英国では、電子黒板の機能の中で一番使われているのは「隠す機能」。 隠した状態から見せていくことで、「集中力」「興味・関心」を引き出すことができる
 ④ICT活用の授業ではコンテンツが重要であり、コンテンツの中でも特に「デジタル教科書」と「教科書準拠のコンテンツ」「単元全体がコンテンツ化されていること」が重要である

○「電子黒板+デジタル教科書」活用の課題
 ①一斉授業がちゃんとできることが大事。すなわち、どこでどのリソースを見せれば「もっと考えられる」「もっとわかる」ようになるかの技能やノウハウが必要
 ②豊かなリソースを活用する授業マネージメントの能力。「ICT活用能力」ではなく、「一斉授業の力」が問われる

○「授業の芸」を後進に残していくことが大事。
 ①「授業が豊かになる方法」 「授業力を上げていく方向」が大事
 ②「いい授業を見せる」ことで、先生方に「こういう授業をしたい」と思わせ、いい授業をするために「電子黒板+デジタル教科書」を使うようになることがよい

◇2.2 タブレットPC
 タブレットPC活用で授業が変わる、学習が変わる
 (1)デジタル教科書&タブレットPC(DeTeMOの活用事例)⇒ビデオを紹介
 (2)タブレットPCの活用(シンガポールの学校)⇒ビデオを紹介
 (3)手書き電子教材の事例⇒デモを実施(富士通研究所開発ソフト:100ます計算、日本地図、漢字の書き取り)

○タブレットPCの教育効果
 2005年度の土堂小での検証結果より(富士通研究所 岩山 尚美氏の研究成果)
 引用:‘ヒューマンインターフェース学会誌2006Vol.8 No.3’ 「教育用ペンインタフェースの開発に関する一考察」
 著者:岩山 尚美、関 幸一
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 指導時間の短縮効果
             ノート       手書き電子教材
 指導漢字数    7~8個/時限  13~14個/時限
 指導所要時限数 25時限       14時限
(なぞり書きする機能や筆順判定機能をつかうことで、指導時間の短縮ができた)
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 (4)特別支援教育の事例⇒キッズタッチシリーズのデモを実施(「パズルできるかな?」「いろんなせんかけるかな?」「ドレミひけるかな?」

◆3.まとめ
「目標7:意欲ある誰もがチャレンジできる社会を創出する」(東京都が掲げた目標)に向けて

ブログ「そよ風」カテゴリー‘講演録’より抜粋
◇「若い人たちには『ビジョンとモデルをもちなさい』と言いたい」:日野原重明氏
人は人の役に立つ仕事(天職)を見つけたとき、強くなれる(睡眠時間の短い生活でも耐えられる)

◇「思えば叶う」:松本元氏
「思えば叶う」:脳は、生まれながらにアルゴリズムを創り出すアルゴリズムをもっている。
したがって、「こうしたい」「こうなりたい」と願えば(思えば)、その実現に向けてのアルゴリズム創生活動が動き出し、答えを見つけていく。

◇「教育されなければ、人間は人間たりえないのである」:野口芳宏氏
いい学校教育が行われるようになったら、20年後の国家はまともになるはずだ。家庭も、社会も、学校教育がよくなることでよくなっていくと言える。

◇「IT活用が学力を伸ばす可能性」:陰山英男氏
学校での一斉授業には「電子黒板」、家庭での個別学習には「タブレットPC」が解になるのではないか。

◇3.1  私には夢があります
「私には夢があります。小学校入学時に、一人一台のマイパソコンとしてタブレットPCが渡されることです。」(陰山英男)
 2007年6月 7日 New Education Expo 2007での講演にて

Tojoho87私には夢があります。
「未来の教室」を
協働で創りあげていくことです。
  (関 幸一)

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西田主任指導主事と永浜指導主事が逆風の中、強い思いを持って、「東京都の教育の情報化」を推進していこうとする姿と、その‘思い’が現実のものとなりつつあることに大きな感動を覚えました。
まさに「思えば叶う」のだと思います。その夢の実現に少しでもお力になれれば、私にとってもこの上ない喜びです。
今後とも、よろしくお願いします。

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2007年9月15日 (土)

日野原重明先生のビデオメッセージ:若い人たちには「ビジョンとモデルをもちなさい!」と言いたい

Kgjh5002今日は、大阪国際会議場で開催されている関西学院中学部『創立60周年記念合同同窓会』に参加しています。
関西学院中学部は、1889年(明治22年)に原田の森(現在の神戸市王子公園)に誕生しました。今年は戦後の1947年(私が生まれた年)に新制中学部となってから創立60周年を迎えます。

午後3時半から記念式典が始まりました。
Kgjh5015関西学院のルーツを辿る』と題して、聖路加国際病院理事長の日野原重明先生(関西学院旧制中学部卒業生)のビデオメッセージで始まりました。
◇よい教育をするには‘感化力’を持つ先生が必要
若い人たちには「ビジョンとモデルをもちなさい」と言いたい
◇Vision Venture & Victory
◇人は人の役に立つ仕事(天職)を見つけたとき、強くなれる(睡眠時間の短い生活でも耐えられる)
◇ゲーテいわく「私の作品は誰かから与えられ、それを勤勉に編成しただけである」
◇成長した自分が今あるのは、誰かに負うところが大きい
など、心に響くメッセージをいただきました。
特に学校に勤めることになった今、「ビジョンとモデルをもちなさい」というメッセージが一番心に響きました。
日野原先生は、危篤の母に対しすばやく往診に駆けつけてくれたり、貧しい家計を思って治療費を請求しなかった家族医に感動し、「あのようなお医者さんになりたい」という思いが医学を志した動機となったそうです。
今話題の‘ハニカミ王子’こと石川遼くんの‘ビジョン’は「マスターズで優勝すること」であり、‘モデル’は「タイガー・ウッズ」ということになるでしょう。そういえば、昔は小学生に「偉人伝」を読ませることが多かったように思います。それはきっと、「ビジョンとモデルをもちなさい」ということに繋がっているのでしょう。

Kgjh5019Kgjh5020続いて、加藤隆正代表・尾崎八郎校長・平松一夫学長・安田栄三中学部長(写真、右から)による座談会です。
(平松一夫関西学院学長は、私の中学部・高等部時代の同級生で、大学ももちろん同じ関西学院で10年間同じ学校だったのです。中高の同窓会や東京地区での同窓会でもよくお会いしている48年来の友人です。2年前にはインタビューをさせていただいたこともあります。)

Kgjh5023午後5時半からは、全回生合同の懇親会が始まりました。
全体で約1200名の参加。われわれの同期生・第14回生は32名の参加があったそうです。

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和田中学校校長藤原和博氏講演:「ネットワーク型の授業・教師・学校経営」

今日は大阪に来ています。
富士通関西システムラボラトリで開催されている、JAPET主催の情報教育対応教育研修全国セミナー:Educational Solution Seminar 2007 in 大阪です。

Fgs4980Fgs497812:00からの展示を見学しています。
昨日の「ペン入力コミュニティ」キックオフセミナーでお会いした小学館の伊藤編集長にこのイベントのチラシをもらいました。15:30からの合同同窓会まで少し時間があり、場所も近いので参加することにしました。伊藤編集長は「デジタルドラゼミ」を展示されています。昨日、講演された富士通研究所は「手書き電子教材」を展示されています。タブレットPCや手書きインターフェイスに焦点が当てられているようです。

Fgs4984Fgs498213:00からは、JAPETの高橋事務局次長のご挨拶、杉並区立和田中学校の藤原和博校長の講演、尾道市立土堂小学校の山根僚介教諭の事例発表などがありました。

Fgs4992_2Fgs4987Fgs49901.学校改革「公教育の未来」と情報教育(概要)
 講師:杉並区立和田中学校校長 藤原和博氏

◆ネットワーク型の授業・教師・学校経営
「ネットワーク型の授業」「ネットワーク型の教師」「ネットワーク型の学校経営」が大事
7年間で5000人以上の見学者。「よのなか」科の授業で子どもたちは何をいったい学んでいるのか?
日本の教育の現状は、‘レッテル型の教育’が降ってくるという状況

・「外とつながった」学校経営ができる校長先生の育成
・「外のエネルギーを内に!」
・約60名の地域に人に1部屋与えている
・‘土曜寺子屋(ドテラ)’の実践:約150名が自主登校
・団塊世代がパワーになる
・外の力を借りる⇒先生の生徒に向き合う時間が増える

◇「よのなか」科の授業体験:「ハンバーガー屋さんの店長になってみよう!」
新しいお店の出店場所を考える。着眼点は「稼働率」:朝・昼・晩それぞれ別の客層が来店する場所を見つける

◇外のエネルギーを常に中(学校)で活用できること

◆情報処理力と情報編集力
ネットワーク脳:自分の知恵だけでなく、人とつながっている方が進化する
①情報処理力⇒「正解の導き方」→ジグゾーパズル型(狭義の学力)
 世界観が示された時だけ、力が発揮できる力。高度成長期には必要とされた力。
②情報編集力⇒「納得解の導き方」→レゴ型(真の学力)
 自分自身が納得し、関わる人たちが納得する解を見つける能力。答はたくさんある。
現代社会で必要とされる力。成熟社会を生き抜く力である。

◆なぜITが活用されないのか? どうすれば、ITが活用されるようになるのか
◇教師の手間を省くものでないとダメ
◇「英語のボキュブラリーを増やす学習」「漢字の学習」「計算力をつける学習」など、反復が大事なものにITが向いている
◇メール:CCで情報共有したり、脳の拡張としてITを使えている先生は少ない
◇準備に時間がかかるものはダメ(プロジェクターに接続するまでに時間がかかるなど)
◇発光する薄いディスプレイが出来ないか。「引き」がないといけないプロジェクターはダメ
◇コーディネーターが大事。教員になりたい大学生の活用
◇全国の中学校に「学校支援本部を!」 来年度予算の概算要求
◇SimCityClassicは政治を教えるのによいゲーム。政治とは、「税金をどのように集め、どのように分けるか」ということ。20分で体感できる。

ーーーーーー
藤原校長の講演が終わったところで、私は退席しました。
15:30から大阪国際会議場で、母校(関西学院中学部)の創立60周年記念合同同窓会が始まるからです。

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2007年8月27日 (月)

日の出町立大久野中学校校内研修会「授業を変える教材・機器の活用」で講師

Ookuno22今日は、日の出町立大久野中学校研修会に来ています。
武蔵溝ノ口でJR南武線、立川からJR青梅線で武蔵五日市駅下車、車で数分です。(大久野中学校の市倉先生が車で迎えに来てくださっていました。市倉先生、ありがとうございました。)
14名の先生方が校内研修を受けられています。

◆日の出町立大久野中学校校内研修会のプログラム
1.挨拶・講師紹介 清水信光校長
「今回の研修の目的は、‘先生方にいい授業をしていただきたい’ということ。新しい‘切り口’や‘方法’としてのICT活用について考え・工夫する機会としてください。」とのご挨拶がありました。

Ookuno282.基調講演:「IT活用による授業改革への挑戦」
講師 元・富士通株式会社 関 幸一
3.実践報告 
電子黒板活用事例の紹介 市倉教諭

4.新しい教材・機器の提示と体験
Ookuno37Ookuno39①内田洋行
 (主に電子黒板用機材の紹介)
②日本スマートテクノロジーズ
 (主に電子黒板用機材の紹介)

Ookuno50Ookuno53③パイオニアソリューションズ
 (主に電子黒板用機材の紹介)
④日本アビオニクス
 (主にプロジェクタ機材の紹介)

Ookuno60Ookuno66⑤光村図書
(主にデジタル教材の紹介)
⑥東京書籍
(主にデジタル教材の紹介)

Ookuno685.質疑応答・体験
先生方のそれぞれの疑問や体験したい教具(電子黒板・プロジェクター)とデジタル教科書のタッチ&トライの時間が設けられていたのが良かったと思います。

6.研修のまとめ  
副校長が「便利なものを我々がいかに活用できるか」と「予算が問題。まず、興味を持つことが大事」とまとめられました。

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「IT活用による授業改革への挑戦」(ストーリー) By 関 幸一

0.自己紹介(最近の活動など)
埼玉県総合教育センター(6月20日)群馬県総合教育センター(7月24日)静岡県立御殿場養護学校(8月24日)で研修講師

1.高度情報化社会のこれから
1.1 最近の情報技術のキーワード
(1)フィールド・イノベーション
(2)環境&ユニバーサルデザイン

1.2 IT新改革戦略(u-Japan計画)における「教育の情報化」
○目標
(1)教員一人に一台のコンピュータ及びネットワーク環境の整備並びにIT基盤のサポート体制の整備等を通じ、学校のIT化を行う。
(2)教員のIT指導力の評価等により教員のIT活用能力を向上させる。
(3)自ら学ぶ意欲に応えるような、ITを活用した学習機会を提供する。
(4)教科指導におけるITの活用、小学校における情報モラル教育等を通じ、児童生徒の情報モラルを含む情報活用能力を向上させる。

2.授業改革への挑戦(教育現場のフィールド・イノベーション)
2.1 電子黒板とデジタル教科書
(1)電子黒板による分かる授業の実現(NHK「おはよう日本」 電子黒板特集:ビデオ)
(2)本紹介:メディア教育開発センター理事長 清水康敬氏編著「電子黒板で授業が変わる」
◇電子黒板のメリット
①手書きができること
②コンピュータというイメージが少ないこと
③表示の位置が操作の位置であること
④消しても元の位置に戻れること
⑤訂正できること
⑥ランダムに表示できること
⑦静止画像提示ができること
⑧動画の提示ができること
⑨生徒の視線を集めることができること
(3)デジタル教科書の活用:光村図書のデジタル教科書活用事例
(4)「電子黒板とデジタル教科書」:メディア教育開発センターの堀田龍也先生のアドバイス
◇「電子黒板+デジタル教科書」のメリット
①感情移入ができるほどのコンテンツが実現できる
②電子黒板は、「情報」を書き付けることができる点がよい。普通の黒板では「先生の考え」と「子どもたちの考え」を書き出すだけで情報は出てこない
③プロジェクターでは「映せばわかる」という授業ができるが、 「電子黒板+デジタル教科書」活用の授業では さらにその次(その先)の授業ができる
④「大きく映したものを、触ったら変わる」ので、パソコンよりも操作が簡単
⑤「画面をタッチするだけで、次々にいろんなリソースを呼び出すことができる」ので、テンポのいい授業ができる
⑥「子どもたちは先生の先を見ている」 だから、電子黒板を使った授業では、「流れを途切れさせないテンポのいい授業ができる」
⑦単位時間内で「密度の濃い授業」ができる
⑧目線を確保したまま、「子どもたちの集中力が持続する授業」ができる
◇「電子黒板+デジタル教科書」活用のポイントと課題
①「板書の文化」とデジタル教科書の融合が大切
②ワークシートとの併用は大事
③英国では、電子黒板の機能の中で一番使われているのは「隠す機能」。隠した状態から見せていくことで、「集中力」「興味・関心」を引き出すことができる
④ICT活用の授業ではコンテンツが重要であり、コンテンツの中でも特に「デジタル教科書」と「教科書準拠のコンテンツ」「単元全体がコンテンツ化されていること」が重要である
⑤「書かせる」&「読ませる」ことで学習が深まる
⑥展開図を「展開する機能(アニメーション)」を使って示すことは有効
⑦一斉授業がちゃんとできることが大事。すなわち、どこでどのリソースを見せれば「もっと考えられる」「もっとわかる」ようになるかの技能やノウハウが必要
⑧豊かなリソースを活用する授業マネージメントの能力。「ICT活用能力」ではなく、「一斉授業の力」が問われる
⑨「授業の芸」を後進に残していくことが大事。「授業が豊かになる方法」
⑩「いい授業を見せる」ことで、先生方が「こういう授業をしたい」と思わせ、いい授業をするために「電子黒板+デジタル教科書」を使うようになることがよい
⑪「授業力を上げていく方向」が大事

2.2 タブレットPC
タブレットPC活用で授業が変わる、学習が変わる
(1)タブレットPCの活用(シンガポールの学校)⇒ビデオで紹介
(2)手書きソフトの事例(手書き学習教材)⇒ビデオで紹介
(3)デジタル教科書&タブレットPC(DeTeMOの活用事例)⇒ビデオで紹介

3.まとめ
3.1  私には夢があります
「未来の教室」を協働で創りあげていくことです。(関 幸一)
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2007年8月24日 (金)

御殿場養護学校夏期情報研修会で講師:「特別支援教育とタブレットPC」

Gyogo791Gyogo813今日は、御殿場養護学校夏期情報研修会に来ています。長津田でJR横浜線、町田から小田急線の‘あさぎり1号’に乗り、御殿場からJR御殿場線で岩波駅下車。御殿場養護学校から村松先生が車で迎えに来てくだり、御殿場養護学校(写真右)に着きました。
(帰りは御殿場駅まで送ってくださいました。村松先生、ありがとうございました。)

Gyogo798Gyogo801約60名の先生方が情報教育の研修を受けられていました。(写真は、情報教育課長の井上達也先生が説明されているところ)
私は、「特別支援教育とタブレットPC」というお話をさせていただきました。

御殿場養護学校夏期情報研修会のプログラム
◇第1部 メディアリテラシー実践報告(小学部、中学部、高等部の実践)
◇第2部 タブレットPCの教育活用(井上先生:最新導入機器の説明、関:「特別支援教育とタブレットPC」)
◇第3部 NetCommonsの活用(井上先生)
◇第4部 体験コーナー(NetCommons、学習ソフト)

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「特別支援教育とタブレットPC」
(御殿場養護学校夏期情報研修会:ストーリー)

0.自己紹介(経歴と最近の活動)
今年3月のCEC成果発表会会場で兵庫教育大の成田教授から井上先生を紹介される
埼玉県総合教育センター(6月20日)群馬県総合教育センター(7月24日)で研修講師

1.特別支援教育とタブレットPC
1.1 子ども一人一人のニーズに応じた特別支援教育の推進
(1)中央教育審議会答申(平成17年12月)がベースになっている
障害の種類や程度に応じ特別の場で指導を行う「特殊教育」から、通常の学級に在籍するLD・ADHD・高機能自閉症等(注1)の児童生徒も含め、障害のある児童生徒に対してその一人一人の教育的ニーズを把握し適切な教育的支援を行う「特別支援教育」への転換を図るとともに、その推進体制を整備することが提言された。
(2)IT新改革戦略(u-Japan計画)と「教育の情報化」
・教員一人に一台のコンピュータ
・教員のIT活用能力を向上させる
・ITを活用した学習機会を提供
・教科指導におけるITの活用
(3)全国LD親の会・会員調査<本人アンケートから>
・数学の授業では板書してくれるのでわかりやすい。
 逆に「国語」は板書が少なく、何が要点かわからない。

1.2 電子黒板・デジタル教科書、そしてタブレットPC
最先端の事例:
・シンガポールの高等学校・大学の事例

1.3 私の夢
私には夢があります。
「未来の教室」を協働で創りあげていくことです。(関 幸一)

2.タブレットPCの教育利用について
2.1 タブレットPCの市場予測と特徴
・タブレットPCは、年々倍々のスピードで普及すると予測
・薬剤師の国家試験の合格率向上に大きな効果
・試験合格率の低い層に顕著な効果

2.2 授業改革とタブレットPC
(1)先生が活用する
(2)児童・生徒が活用する

2.3 タブレットPCのソフトウェアご紹介
(1)DeTeMO(NTTコミュニケーションズ)の活用事例
   ⇒ビデオをご覧ください(先生が活用する)
(2)手書きソフトの事例(手書き電子教材
   ⇒ビデオをご覧ください(児童・生徒が活用する)
(3)特別支援教育の事例(すぐに使える)
   ⇒キッズタッチシリーズ(「パズルできるかな」など7種)

3.まとめ(みんなちがって みんないい
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私と小鳥と鈴と

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

           金子みすゞ
------------------------
わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集より)
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Gyogo807御殿場養護学校では、この夏、8台のタブレットPCが導入されたそうです。タブレットPCが「子ども一人一人のニーズに応じた特別支援教育の推進」に大いに役立つことを願っています。

「教育へのIT活用」でいつも思うことは、「IT機器を使うからいい教育ができる」というよりは、「最新のIT機器を使ってまで、児童・生徒にいい教育をしようと努力している先生方の頑張っている姿が子どもたちに伝わるからいい教育ができるのだ」と私は思います。

Gyogo810Gyogo811昼食時間には、井上先生から各教室など、学校内をご案内していただきました。(写真左は、天然芝の中庭)
3階から、天気がよければ富士山が目の前に見えるそうですが、今日は残念ながら雲が厚く、見えませんでした。(写真右)

お昼は、情報教育課の先生方とご一緒に昼食をいただきました。みなさん、若くて明るく、とても気持ちのいい先生方ばかりでした。御殿場養護学校での教育の情報化の実践が、今後さらに素晴らしい成果をあげられますことを大いに期待しています。

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2007年7月27日 (金)

群馬県総合教育センター:授業におけるICT活用研修講座

Gunma334Gunma335今日は、群馬県総合教育センターに来ています。「授業におけるICT活用研修講座」において、「授業改革とタブレットPC」というテーマで、プレゼンテーションをさせていただきました。2グループに対してそれぞれ30分です。

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「授業改革とタブレットPC」(プレゼンテーション概要)

Gunma3401.高度情報化社会のこれから
1.1 最近の情報技術のキーワード
(1)フィールド・イノベーション
(2)環境&ユニバーサルデザイン
1.2 IT新改革戦略(u-Japan計画)における「教育の情報化」
◇次世代を見据えた人的基盤つくり
 -全ての教員へのIT機器の整備、IT活用による学力向上ー
 「IT新改革戦略」(2006年1月19日公開)
○目標
(1)教員一人に一台のコンピュータ及びネットワーク環境の整備
(2)教員のIT指導力の評価等により教員のIT活用能力を向上させる
(3)自ら学ぶ意欲に応えるような、ITを活用した学習機会を提供する
(4)教科指導におけるITの活用、小学校における情報モラル教育等を通じ、児童生徒の情報モラルを含む情報活用能力を向上させる

Gunma342Gunma3452.授業改革への挑戦(教育現場のフィールド・イノベーション)
2.1 電子黒板とデジタル教科書
2.2 タブレットPC
タブレットPC活用で授業が変わる、学習が変わる
(1)タブレットPCの活用(シンガポールの学校)
(2)手書きソフトの事例(手書き電子教材他)
(3)特別支援教育の事例(キッズタッチシリーズ

3.まとめ
3.1  私には夢があります
「未来の教室」を協働で創りあげていくことです
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齋藤先生からは、「タブレットPCの良さが参加者に伝わったようです」との嬉しいメールをいただきました。そして、さっそくプレゼンテーションの様子を齋藤先生のブログに写真入で掲載していただきました。
また、今回の研修にお招きいただいた小池先生からは、「タブレットPCもどんどん進化しているのを、実感しました」とメールをいただきました。
齋藤先生、小池先生、このような機会を与えていただきたいへんありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

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2007年6月20日 (水)

37年と81日目:埼玉県総合教育センターでの初任者研修講師「教育の目的は何ですか?」

今日は退職の日。入社した1970年4月1日から数えて’37年と81日目’にあたります。

Fukaya16Fukaya19埼玉県総合教育センター(深谷支所)での教科「情報」担当教員向け研修の第2日目の90分を担当させていただきました。(写真はレンガ作りの深谷駅と埼玉県総合教育センター深谷支所)
埼玉県では情報教育にたいへんな力を入れており、教科「情報」担当教員として採用されるのは大変な難関で、選ばれた先生方は「超エリート」ということでした。

私はテーマを、’高度情報化社会の人材育成と 教科「情報」の役割’としました。
目次は、
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0.自己紹介(経歴と最近の活動)

1.高度情報化社会のこれから
1.1 最近の情報技術のキーワード(フィールド・イノベーション、環境&ユニバーサルデザイン)
1.2 人類の危機・・・、そして情報教育の意義と役割
1.3 IT新改革戦略(u-Japan計画)における「教育の情報化」

2.授業改革への挑戦(教育現場のフィールド・イノベーション)
2.1 電子黒板とデジタル教科書
2.2 タブレットPC

3.企業が期待する人材像と教科「情報」の意義
3.1 企業が期待する人材像(システム・エンジニアの場合)
3.2 ITスキル+人間力
3.3 教科「情報」の意義

4.まとめ
4.1  教育の「目的」と「目標」
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です。

第1章「高度情報化社会のこれから」では、最近の情報技術のキーワードとして「フィールド・イノベーション」と「環境&ユニバーサルデザイン」を取り上げました。

Fukaya24第2章「授業改革への挑戦」では教育現場のフィールド・イノベーション、すなわち、「教育現場の改革」「教育現場からの改革」として、「電子黒板とデジタル教科書」や「タブレットPC」の授業での活用の有効性・重要性についてビデオを見せながら訴えていきました。

Fukaya23第3章「企業が期待する人材像と教科「情報」の意義」では、企業が期待する人材像として「システム・エンジニアの場合」を例にとり、「ITスキル」だけでなく「+人間力」が必要であることを強調しました。教科「情報」の3つの柱、「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」と企業が期待する人間力としての「コミュニケーション力」「論理的思考力(こうすれば、こうなるはずだ)」「社会常識的判断力(モラル)」を関連付けて説明しました。

先生方に質問しました。「教育の目的は何ですか?」と。先生方の回答は次のようなものでした。
◇A先生:「人間が共に生きていくために必要な知識・態度を身につける⇒幸せに生きていくため」
◇B先生:「豊かに暮らしていけるようになるため」
◇C先生:「社会に出てから出会うであろう困難に立ち向かって、自己実現すること」
◇D先生:「人は一人では生きていけないから困らないように、みんなが協力していける社会をつくるため」
さすが、選ばれた先生方だと感心しました。

「コンピュータの天才」と言われた池田敏雄氏の言葉「すべて感動から始まる!」という言葉を紹介し、「感動ある授業を!」というメッセージを伝えました。

そして、私の夢ーー
「私には夢があります。 ’未来の教室’を協働で創りあげていくことです。」と締めくくりました。

社会人となって、37年と81日目の出来事でした。

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2007年6月 7日 (木)

陰山英男氏講演:「私には夢があります。小学校入学時に一人一台のマイパソコンとしてタブレットPCが渡されるということです」

Nee07002Nee07003本日から3日間、東京お台場のファッションタウンビルでNew Education Expo 2007が開催されています。
今日は朝から一日中会場にいました。次の3つのセッションに参加しました。

(1)新しい教育の仕組みづくりのための文部科学省の取組み(新教育システム開発プログラム)【文科省 澤川和宏氏 他】
(2)21世紀の日本と教育の再生 【日本学術振興会 小野元之氏】
(3)学力問題の新たな展開とICT 【立命館 陰山英男氏】

Nee07046一番インパクトがあったのは、15:00からの陰山英男先生の講演でした。
講演の最後に、「私には夢があります。小学校入学時に一人一台のマイパソコンとしてタブレットPCが渡される。そしてそのパソコンにそれぞれの子どもたちの学習履歴が保管され、一人一人に応じた学習指導や自己学習が可能となります。」と言われました。私はこのメッセージに感激しました。
陰山先生のことですから、「夢」を語られたということはすでにプランがあり目処がついているということかもしれませんね。それは、同じ「夢」を持っている私としては、とても心強いことです。

陰山英男先生の講演の概要を報告します。
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テーマ:学力問題の新たな展開とICT 「教育再生の新たな動き」
講師:立命館小学校副校長 教育再生会議有識者 陰山英男氏

◆教育再生会議第2次報告の意味するもの
(1)「学校5日制」を基本とすることに
 「学校5日制」については、趣旨を尊重すべきである。土曜日に授業をすることで授業時間を増やし、学力低下問題の解決を図ろうという議論があるが、10数年前に詰め込み教育への批判から国民の総意を受けて「学校5日制」に移行した経緯がある。ここで、「ゆとり教育」に批判があるからといって安易にもとに戻すべきではない。
(2)ICT機器活用を積極的に推進
 ICT活用については前向きな表現が多い。電子黒板やプロジェクター、そして任天堂DSの活用も積極的に推進すべき 
(3)メリハリのある財政基盤
 マインドや国民の総意が大事。総額を増やすべき。どのように増やしていくかが課題。
(4)小坂前文部科学大臣とビル・ゲイツの会話
 ネット環境は、日本は学校の手前までは世界最高レベル(光ファイバー)であるが、学校にあるPCは古い。
(5)免許の更新制や教育委員会評価と改革
(6)打開の評価糸口は社会に評価される実践
 私が総理大臣の前で話せる。それはきちんと実績を出せば認めてもらえるということだと思う。山陽小野田での実践でもいい結果が出た。プロジェクトを仕掛けて成功させているから(総理大臣にも)話を聞いてもらえる。

◆学力や偏差値に関する統計データ
◇教育費の対GDP比率(1999年)
 日本は3.5%で主要国で最低水準。その割りには私費負担率は高い。ただし、少ない教育費の中から教職員の給与に充てられている。教職員の給与はきちんと支給した方がよい。先生方ががんばりやすいい状況になっている。
◇学習時間とTVを視聴する時間
 日本は、家庭学習をする時間は1時間/1日で、主要国の中で最低時間。TVを視聴する時間は2.7時間/1日で一番多い。すなわち、「勉強する時間が一番短く、TVを見ている時間が一番長い」。それでも、学力調査の結果は中の上と頑張っている。これは先生方の指導力の高さといえる。
◇学力は短期勝負でこそ伸びる(山陽小野田の事例)
 3700人の児童の調査結果で、知能指数の平均は102(平成18年5月)⇒110(平成19年2月)に、算数の偏差値の平均は約48⇒約53に伸びた。その要因は「生活習慣の改善」が大きい。
9時までに寝る子の偏差値が一番高い。就寝時間数との関連も驚くほど相関関係があることがわかった。
 一食あたりの摂取食品数と学習成績との相関も調査結果で明らかになっている。「いろいろなものを食べさせると学力も知能指数もそして体力も高い」という結果が出ている。

◆生活習慣の崩れは学力低下への片道特急券
 「早寝、早起き、朝ごはん」の反対の生活、すなわち睡眠不足や食事など食生活の乱れが学力低下の原因となっている。「早寝、早起き、朝ごはん」を文部科学省が取り入れてくれた。
 朝食と知能指数の関係は明らかである。
・毎日食べない:90
・ときどき食べる:98
・毎日食べる:103
朝食を食べさせていない親は、これは虐待に等しい。
 TVは1日に2時間以上視聴していると偏差値は落ちる。(特に算数)。TVを見る時間が多いということは、寝る時間、勉強する時間、読書をする時間、親子の会話の時間が減るということでもある。
 TVの見過ぎはよくない。社会総がかりでの教育再生が必要。教育的配慮のメッセージを出していかなければならない。

◆脳をトレーニングするという考え方
 簡単な計算の方が難しい問題を解くよりも賢くなる理由は、脳が活性化しているからである。本を音読しているときも同じように脳が活性化しているということが、最近の脳の研究で分かってきている。

◆学力作りのポイント
○もっとも重要なのは言語能力
○冬休みと2月は学力向上のポイント
 (冬休みはお正月などでお父さん・お母さんが家にいるから。2月は学校行事がないから。←講演後のQ&Aより)
○成功する詰め込み教育の条件
→早寝、早起き、朝ごはん
→一つのことに短期間集中させること
→教材は基礎基本に限る
→定着期間を大切に(定着期間を含めると、1ヶ月半必要)
○漢字脳の形成が必要
○詰め込みがいいことが分かった(一時期に一つに絞る。基礎基本で定着につながる)
 きちっと定着させることが、学力向上につながる。

◇ニンテンドーDSのいいところ
京都でDSを学習に活用している子どもたちに聞いた。「DSのどこがいい?」
すると意外な答えが返ってきた。「ほめてくれるところがいい!」と。
これは、教育・学習の本質かもしれない。

◆徹底反復がICTと相性がよい
○限られた内容を単純方法で、徹底的に反復
→陰山メソッド(徹底反復学習)
○単純な方法の反復←PCは得意
○パソコンの可能性
→学習履歴が記録可能
→タブレットPC(「書く」という作業)とIQの相性→デジタル学習の本命
○効率的な学習、計画的な学習
→漢字前倒し学習への応用(協力 富士通
 「新出漢字指導時の評価」:従来のノートによる方法と「手書き電子教材」による方法では、「手書き電子教材」では1時限に倍の漢字習得が可能であるという結果が得られた。

◆まとめ
○今後10年間で若手教員に替わっていくので、PC活用は有効
○単純なことはPCに任せて、教師は教師でしかできないことをやる。ムダをなくす。すなわちこれはトヨタ方式(カイゼン)である。
○「私は隠れ’ゆとり派’」です。

◆デジタル学習の可能性
○電子黒板
 板書の時間が省ける
○タブレットPC
 究極の個別指導が可能(学習履歴が残る)
○テレビ会議の活用

◆私の夢(I have a dream)
 「私には夢があります。小学校入学時に一人一台のマイパソコンとしてタブレットPCが渡される。そしてそのパソコンにそれぞれの子どもたちの学習履歴が保管され、一人一人に応じた学習指導や学習の参考データとなるということです。」

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2007年5月25日 (金)

JAPET総会での岡本薫氏の特別講演:「回想:ミレニアム・プロジェクト」

今日はフロラシオン青山で開催されたJAPETの総会・講演会・懇親会に参加しました。

【1】第112回理事会 10:30~12:00
【2】総会及び第113回理事会 13:00~14:00
【3】事業報告 14:10~16:30  (いずれも省略)

【4】特別講演 16:40~18:05
Japet146Japet140講師:岡本薫氏 (政策研究大学院大学教授、元文部科学省学習情報課長)
テーマ:「回想:ミレニアム・プロジェクト」
-学校でのIT活用の「普及」を妨げたもの-

いつも岡本薫氏の講演は、「歯切れのよさ」が特徴である。とても明快であり痛快である。
ミレニアムプロジェクトの教育の情報化は、岡本薫氏自身が企画し先頭に立って実施したが、充分な成果が得られなかったことに対する悔恨と分析、そしてその処方箋を語られた。
大いに共感する部分も多かった。
・教育には、「手書き」という活動が必要であり有効である
・日本では「教科書準拠コンテンツ」が重要であるが、まだまだ大いに不足している
・企業の組織名として「ソリューション」という言葉を使っているところは多いが、ユーザの視点に立っていなし、ユーザの問題解決を第一に考えているところは少ない
などである。
また、語り口・切り口の鋭さに快感を覚えながらも、私自身CECでミレニアムプロジェクトに関わった一人として、また情報産業の一企業人として、深く切りつけられ、気がつけば血みどろになっている我を発見することにもなった。

(1)「情報化」というものに対する視野の狭さ
「情報化」という言葉は、日本が作った言葉。「○○化というのは、○○でなかったものが、○○になる」ということだから、本来は情報でなかったものが情報になるということ。情報化社会では、情報発信者にも情報受信者にもメリットがあるが、情報媒介者(マスコミなど)はその新しい役割を再定義する必要がある。

(2)「学校教育と情報化の関係」に関する混乱
「情報を教える」と「情報を使って教える」ということも混同していることが多い。
「情報教育」という言葉も日本独自の言葉。カナダでは、隣国アメリカからの電波を受信してしまうので、TVやラジオの番組を批判的に受け取る姿勢が必要。すなわち、メディア・リテラシー教育が重要視されている。
教科「情報」を作ったのは間違いだったと反省している。メディア・リテラシー教育は、本当は「国語」教育の範疇である。

(3)当時の「パソコン」に振り回された人々
人間を機械に合わせる発想はおかしい。当時のパソコンは、機能や性能が充分ではなかった。「タクシー会社の社長は、タクシーの運転ができなくてもよい」のと同じように、「校長はPCを操作できなくてもよい」
ただし、社長や校長の仕事をするのにPCが必要であれば、それは使ってもよい。

(4)「目的」と「手段」の混同
IT(ICT)は道具に過ぎない。教育の目的は、児童・生徒・学生が卒業したときによりよく生きることができるようにすることである。教育の価値は、卒業後の子どもをよくすること。日々の教育活動は手段だから、そのものに価値はない。

(5)「問題解決」を重視しない独善的な目標設定
最近、企業の組織名で「ソリューション」をつけているものが多いが、何がプロブレム(問題)かを見ないで、ソリューション(問題解決)しようとする。今ある問題をPC(IT)で解決しようとする考え方が必要である。たとえば、今の学校で「いじめ」が問題であれば、その解決のためにPC(道具)を活用するという考え方である。

(6)「人々のニーズ」を無視した「自分の夢」の押し付け
【山奥の学校に寄付されたバス】そのバスをどう使うかというときに、「校外学習に使う」とか考えてしまうが、その山奥の学校では、「スクールバスとして使う」ことが、「人々のニーズ」に合致した活用方法である。
アメリカでは、検定教科書というものがないので、ITを「調べ学習」的なものに使うが、日本では検定教科書を教えるためとか、受験のために使えばよい。教育用コンテンツを作っている会社が、「いいものを作っても売れない」と嘆くが、それは違う。「売れるものがいいもの!」なのだ。

(7)「コスト」を無視した「自分の夢」の押し付け
だれがいくら(お金を)持っているかを知って売る必要がある。ヘリコプターがいくら便利だと言って売り込んでも、消費者は瞬時にコスト計算をしているので絶対に買わない。消費者が求めているのは高級車ではなく、ママチャリである。

(8)「教科書準拠コンテンツ」の圧倒的不足
日本では、国語・算数・理科・社会(教科教育)のソフトは少なかったが、調べ学習のソフトや、インターネットを使った検索よりも、教科書準拠のソフトが一番求められているのに、供給量が少ないのが現実。

(9)各学校のマネジメント能力の未熟
マネジメントの流れ
①現状を把握する ②原因を特定する ③目標を設定する ④手段を企画する ⑤集団意思を決定する ⑥手段を実施する ⑦比較(評価)する
⇒「結果」 (結果が次の「現状」になる。)

最近の脳科学の研究で、前頭葉前野を刺激することで、「意欲」「興奮抑制」「コミュニケーション」に効果があることがわかってきた。そのためには、「音読」「手でものを書く」「計算する」などの作業が有効であることもわかって
きたのである。

(私がタブレットPCの教育利用に大きな関心を持っていることが、的を得ているという自信が持てました!!)

【5】懇親会
Japet162Japet166小坂憲次前文部科学大臣および、文部科学省の銭谷眞美初等中等局長をはじめ、20名近くの文部科学省・経済産業省・総務省の方がゲストで参加された。

Japet151さすが坂元昂JAPET会長の人脈・影響力の大きさを実感させられる懇親会であった。
日本における「教育の情報化のさらなる進展」と、「教育の改革への歩み」がもっと力強いものになっていきますようにと願っている。

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【関連Webページ】岡本薫氏講演:「学力、ICTとマネージメントの課題」2005年11月12日 (土)

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2007年3月 9日 (金)

【講演メモ】ジミー・ウェールズ氏の講演:「Wikimediaの取組みについて」

今日は、平成18年度文部科学省委託事業「ネットワーク配信コンテンツ活用推進事業」成果報告会が、溜池山王駅近くの三会堂ビル8階にある「石橋記念ホール」で開催されています。
午前中は、この事業に参加した各地域の活動報告がありました。

Japet732Japet708午後は、JAPET会長の坂元昂氏と文部科学省の坂中靖志調整官のご挨拶、熊本大学の鈴木先生の事業概要説明があり、続いてジミー・ウェールズ(ウィキメディア財団名誉会長)の講演「ウィキメディアの取組みについて」がありました。

Japet725Wikipediaは、今注目されているWeb上の無料でアクセスできる百科事典です。
そのWikipediaを運用しているこがWikimediaという非営利団体で、ジミー・ウェールズさんはWikimedia財団名誉会長であり、Wikia社(営利団体)の社長でもあります。俳優の渡辺謙さんに似た風貌の、魅力的な紳士です。

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ジミー・ウェールズ氏の講演:「Wikimediaの取組みについて」

Wikipediaを「すべての人が、人類の’集合知’にアクセスできるようにしたい」という思いから出発されており、ゴール(目標)として、100万人以上が使っている言語(347言語あるそうです)で、25万項目の記事を確立することである。すでに日本語を含む英語・フランス語・スペイン語・中国語などのいくつかの言語では達成している。
Wikipediaは世界でどれだけ人気なのかということでは、アクセス数は世界で第10位である。これは、BBCの訪問者+CNNの訪問者よりも多い。また、Wikipediaの強みは、「中立性」と「規律ある議論による質の確保ができていること」である。

担当者は7名、予算は7億ドル/年。世界中の「重い信頼をおいているコミュニティ」が各ページの質を確保しているという仕組みになっている。

今後、フリーコンテンツの文化がますます広がっていき、ソフトウェアもオープンソフトウェア化の方向が進むと思われる。
10年後は、Text Book(教科書)は無料へ、学習コンテンツも無料の方向に向かうのではないか。
コンピュータも低価格化が進み、世界のデジタルデバイドは小さくなっていく。
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「人類の叡智(人間の集合知)は、すべての人がアクセスできるようにすべきである」という思いは、私も賛同できるものです。現実はいろいろと困難があるのに、その理想に向かって挑戦している姿は素晴らしいことであると感じました。
環境問題等、人類の存亡にかかわる地球規模の問題が迫ってきています。その問題に対しては、すべての人たちが叡智を共有し、協働でその解決・改善にあたっていかなければならない時代なのかもしれません。

しかしその一方で、「人類の叡智は人から与えられるものではなく、自ら努力して獲得すべきものであり、その努力の過程が大切なのだ」という思いが私はあります。
みなさんは、どう思われますか?

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2007年2月 2日 (金)

清水康敬氏講演:「我が国におけるeラーニングの現状と課題」

Ydai0002Ydai0004今日は、横浜国立大学教育文化ホールで現代GP成果発表会がありました。白井宏明教授からお誘いがあり、参加しました。
テーマは、「経営学eラーニングの開発と実践」ということで、清水康敬氏講演「我が国におけるeラーニングの現状と課題」と今年度文部科学省の予算により採択され、横浜国大で実践された「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」の成果発表がありました。

Ydai0019Ydai0012清水康敬氏は、eラーニングの現状と課題ということで、特に著作権とeラーニングの関係、そして「e-Learnigの質を高める4つの視点」を中心に話されました。

◆「e-Learnigの質を高める視点」
1.開発段階における品質保証
(1)インストラクション・デザインによる質の向上
(2)教員等の支援ツールの高度化による質の向上
(3)LMSとCMSによる質の向上
(4)著作権の共有化・再利用の促進による質の向上

2.豊かな支援による質保証
(1)教員に対する支援
 ・コース管理、評価に関する支援
 ・学生とのインストラクションに関する支援
 ・技術的な支援
(2)学習に対する支援
 ・学習に対する支援
 ・学習者の基本的能力向上に関する支援
 ・学習環境提供に関する支援

3.機関における質保証の管理
(1)機関の基本的理念との関係の明確化
(2)機関内組織における体制の明確化
(3)著作権に関する基本事項の策定
(4)推進のインセンティブを高める仕組み
(5)質の向上のためのセミナ等の開催

4.評価を通じた質保証
(1)設計開発中のコースの評価
(2)提供運用中にコースの評価
(3)機関の在り方に関する評価
(4)評価体制の評価

評価はあくまでも質を高めるためである。

Ydai0018成果報告として、
①会計CAI
②ERP(企業統合情報システム)
③ビジネスゲーム
の3つの報告がありました。

Ydai0022③ビジネスゲームでは、司会も務められた白井教授が「ビジネスゲーム開発運用システムYBG(Yokohama Bussiness Game)について報告されました。

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2006年9月21日 (木)

講演録・11選:

今までに掲載した「講演録」のなかから、11の講演と印象深かった講師の「ことば」を選んでみました。
みなさんは、どの言葉に感動しますか? (タイトルをクリックすると講演録にリンクします。)
ぜひ、コメントをよせてください。(関 幸一)

「こころと遺伝子:生命の不思議を解読する」:村上和雄氏
 喜びは人に与えると増える。人を喜ばす、人の役に立つことがいい遺伝子のスイッチをONにするのではないでしょうか。

Gunma211_1第1回学校教育再興フォーラム群馬大会:野口芳宏氏
 いい学校教育が行われるようになったら、20年後の国家はまともになるはずだ。家庭も、社会も、学校教育がよくなることでよくなっていくと言える。教育されなければ、人間は人間たりえないのである。

Cses5413「一番大切なことを、一番大切にする」:横田英毅氏
 教育の目的は、「すべての子どもたちの幸せ」「考える力、学ぶ力、生きる力」「社会に役に立つ人間に育てる」等であり、教育の目標としては、「希望の就職」「上位学校への進学」「テストでよい点数を取る」などがある。目標はあるが、目的を意識しない子どもは、勉強が嫌いになる。

Kage5342「IT活用が学力を伸ばす可能性」:陰山英男氏
 学校での一斉授業には「電子黒板」、家庭での個別学習には「タブレットPC」が解になるのではないか。


Cec5169「ポスト2005年のIT活用教育と子どもの学び」:永野和男氏
 学習するときに主体的な問題意識、すなわち、「自分にとって興味があるかどうか」が大きな問題である。これは小学校段階では教師の力量が大きくかかわってくるが、中学校・高等学校では「体験型学習」がより重要となってくる。

Nagano52「学力、ICTとマネージメントの課題」:岡本薫氏
 「どう変わる日本の教育」という捉え方ではだめだ。「どう変える!日本の教育」というように自分たちがどうしたいかが重要である。

「こころの作法」:山折哲雄氏
 今は、言葉が氾濫している。そのことが、「人間が本来持っている聞く能力・見る能力」を奪っているのではないか。「沈黙の深み」が「聞く能力、見る能力」を引き出すのである。

Takata85「博物館は教育産業である」:高田浩二氏
 水族館・博物館とは、様々な学術資料を収集・展示し、これらの情報を人に伝える施設であり、感動と知的理解すなわち教育の役割をもっている施設である。

Ryomou75「解決!学力低下問題」:陰山英男氏
 学力向上には「早寝・早起き・朝ごはん」「家族の対話」が重要である。「読み書き計算」「音読」が脳を活性化する。


Ryomou60_2「『なぜ』に培うハンズオン・マス」:坪田耕三氏
 「なぜ?」「どうして?」と、子ども自身が思わず追究したくなる課題を提示し、数学的な思考の楽しさを味わう授業を展開することができる。

「脳研究と脳型コンピュータ」:松本元氏
 「思えば叶う」:脳は、生まれながらにアルゴリズムを創り出すアルゴリズムをもっている。したがって、「こうしたい」「こうなりたい」と願えば(思えば)、その実現に向けてのアルゴリズム創生活動が動き出し、答えを見つけていく。

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2006年9月20日 (水)

「こころと遺伝子:生命の不思議を解読する」:村上和雄

2年前の講演録です。遺伝子の研究をされている村上和雄さんは、「喜びは人に与えると増える。人を喜ばす、人の役に立つことがいい遺伝子のスイッチをONにするのではないでしょうか。」と語られました。

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講演録:「こころと遺伝子:生命の不思議を解読する」
            筑波大学 名誉教授 村上和雄

・2004.5.28 平成16年度JAPET定時総会 記念講演(メモ:By 関 幸一)

遺伝子の研究をしながら、何を感じ、何を考えているのかをお話したいと思います。

〇笑うと血糖値が下がる実験
吉本興業と組んで、「心と遺伝子研究会」という実験をやっています。「こころ」はわからなくても「こころの動き」がわかります。
「科学は知的なエンターテーメント」だと考えています。本当は、科学はもっと「ワクワクする快感」や「飛び上がる程の感動」がある楽しいものなのですが、その楽しさを役者(科学者)が充分に伝えきれていないと思うのです。

「笑い」はどの遺伝子をONにして、どの遺伝子をOFFにするか。少数意見ですが、「ガンでも笑いで治る」という学者もいます。

吉本興業と共同で、「笑うと血糖値が下がる」仮説をもとに実験をしました。糖尿病患者(25名)を被験者として、前日と当日の血糖値を測定しました。
一つのグループは大学教授による「糖尿病のメカニズムについて」という講義を、もう一つのグループは、吉本興業の所属で何年か前に一世を風靡したB&Bの漫才を聞かせました。B&Bを選んだのは平均年齢(63歳)を配慮してのことでした。
被験者以外は全員「さくら」で、合計で1000名の会場が満員になりました。
B&Bには「この実験は歴史に残る」と言ったこともあり、非常に熱の入った漫才となりました。

実験の結果は、500Kcalの食事摂取のあと、大学教授の講義の場合は平均で123mgの血糖値が上がったが、漫才で笑った後は平均77mgの上昇と46mgの差が出たのです。

「笑うと血糖値を下げることができる」という仮説を実験で確かめられたことになります。
この結果を米国の学会誌が取り上げてくれました。薬には副作用がありますから、服用は控え目にする必要がありますが、「笑い」には副作用はありません。
そのうち、糖尿病の薬の変わりに(お笑いの)ビデオが使われるようになるかもしれません。(笑い)

血糖値が下がったということは、遺伝子の働きの変化があったということになります。
遺伝子をいうと、親から子へ、子から孫へ伝える働きのことが知られていますが、遺伝子にはもっと大切な働きがあり、今も(いつも)働いている。
「人が豚肉を食べてもブタにならないのはなぜか?」遺伝子が指令を出して、消化酵素を出したんぱく質に分解し、人間のたんぱく質を合成するからです。

先月わかったことですが、「寝ている遺伝子をONにし、悪い遺伝子をOFFにする方法」があるのです。人間には36,000の遺伝子があります。
私は20年前に遺伝子の研究を始めました。物理的/化学的な刺激で遺伝子の働きが変化することは知られていますが、私は「メンタルな刺激で遺伝子の働きが変わるのではないか」という仮説を立てました。
こころが体に大きな影響を与えていることは間違いない。こころが体のどこに影響を与えているかは分からない。

そこで、仮説を2つに分けたのです。
「ポジティブな思いがよい影響を誘発する。」
「ネガティブな思いが悪い影響を誘発する。」
そして、それを証明したいと考えました。その突破口が開けたのです。

〇稲の遺伝子研究
稲は世界の主食なので、米国のベンチャーが「稲の遺伝子解読」をやろうとしていたが、私は、「稲は日本文化そのものでであり、日本が世界に先駆けて解読したい」と思った。
しかし、心意気はあっても人も金も無かった。途中で7kg~8kgも痩せたり、とてもきつかったが途中で諦めたら借金だけが残るのでがんばった結果、稲の遺伝子の解読ができた。

この研究を通して、目に見える自然のその奥に「神業」とも言える不思議な奥深いものがあるように感じた。科学者としては「神」とい言葉は使えないので、私はそれを「大自然の偉大な力(サムシング・グレート)」と表現している。サムボディではない。
私に両親があり、その両親にも両親が・・・。そしてその先の「命の親」みたいなものがサムシング・グレートです。

「生きているということ」はただ事ではない。また、自分の力だけで生きているものはない。
生き物がなぜ生きているのかもわからない。部品をいくら集めてもスイッチがONにならない。
人間は60兆の細胞から成り立っている。自分の細胞を作りながら、他の細胞のために働いている。利己的遺伝子と呼ばれるものがあるが、利己的だけでは生きてはいけない。
ガン細胞は利己的に増殖するが、回りの細胞が死滅して自分も死滅してしまう。

「子どもを作る」という表現があるが、子どもを作っているのではない。
遺伝子のプログラムを書いたのは人間でははい。胎児は38週で生まれ出てくるが、この間に人類の進化の歴史を通ってくる。実に38億年の歴史をわずか38週で辿るわけです。
地球の命は38億年ですが、宇宙の命は150億年といわれています。

〇遺伝子の働きをON/OFFするもの
天才と普通のおじさんを比較しても、99.9%は同じ遺伝子である。1000に1個も差はない。
38億年間勝ちっぱなしということです。
どうしたら遺伝をONにできるか、科学で解ける時代になってきたのです。

しかし、私の仮説(「ポジティブな思いがよい影響を誘発する。」「ネガティブな思いが悪い影響を誘発する。」)は不充分です。
横田めぐみさんのご両親にお会いしたことがありますが、あのような体験をされて、ネガティブなスイッチがONになったはずですが、ご両親は娘さんがいなくなって20年後に「拉致された」ということを知った。ここで別のスイッチがONになったのです。
このような逆境を「乗り越える」「逆手に取る」「克服する」ことができているのは、「日本国を凛とした国家にしたい」という思いであり、「命の尊さを問うには命がけです」という言葉に感動しました。病気になるのは「ネガティブなストレス」が原因だと言われています。「感動/生き生き/ドキドキ」がいいスイッチをONにすることができるといえるのではないでしょうか。
私が少し糖尿病の傾向があると医者から言われていますが、これは、「美味いものを食べ過ぎている」「体を動かしていない」というサムシング・グレートからのメッセージだと受取っています。

喜びは人に与えると増える。「人を喜ばす」「人の役に立つこと」がいい遺伝子のスイッチをONにするのではないでしょうか。

「高血圧の原因を突き止める」というような、いい研究をする。
遺伝子のスイッチがON/OFFするメカニズムを科学の言葉で説明をする必要がある。
科学の面白さを遺伝子レベルで解明していきたい。

                以上

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2006年8月31日 (木)

【イベント参加報告】私立大学キャンパスシステム研究会

Csken536Csken538Csken541昨日から、信州八代ロイヤルホテルで開催されている「私立大学キャンパスシステム研究会(CS研)」に参加しています。長野駅から松代行きのバスに乗って、千曲川を越えてすぐの松代中学校前で降りたところにあります。

二日目の今日は第一分科会で講師をしました。

私の講演の概要について紹介します。
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大学の講義と学生の学びを改革する タブレットPC

0.自己紹介
1947年 兵庫県淡路島生まれ
1970年 関西学院大学理学部物理学科卒業、富士通ファコム入社
      (1971年より富士通)
1973年-75年 ブラジル勤務
1985年-93年 CALシステム部(課長/担当部長)
      FM-TOWNSの教育用ソフトウェアの品揃え
1994年 マルチメディアソフト推進部長
      TOWNS&Martyのソフト品揃え
1995年 パーソナル本部技術支援部長
      FMV技術支援、FMVバンドルソフト対外窓口
1999年-2005年 財団法人コンピュータ教育開発センターに出向
2005年7月 富士通に復職

今年の講演実績:
1月26日 東京都教育委員会主催「平成17年度情報教育担当指導主事連絡協議会で講演
2月10日 高知県教育委員会主催「高知県情報教育研究協議会」で講演
3月10日 パーソナルコンピュータユーザ利用技術協会パソコン利用技術研究集会で講演
6月 4日 長野県情報教育研究会で講演
7月12日 教育センター富士通ユーザ会で講演
8月28日 東海大学短期大学部セミナで講演 

1.大学のポスト2005年
1.1 国の施策
世界に通用する高度IT人材の育成  -産官学連携体制の構築ー
 「IT新改革戦略」(2006年1月19日公開)

◆目標
◇プロジェクトマネージャー、ITアーキテクト、ITコーディネーター、組み込みソフトの専門家等の高度IT人材の育成を促進し、産業界における高度IT人材の需給のミスマッチを解消する。

◇インターネット等を用いた遠隔教育を行う学部・研究科の割合を2倍以上にすることを目指し、大学におけるインターネットを用いた遠隔教育の推進により、国内外の大学や企業との連携、社会人の受け入れを促進する。

◆実現に向けた方策
◇産学官連携により、大学・大学院において次世代の我が国産業の国際競争力の源となる高度IT人材を育成するため、2007年度までに産学官連携による人材育成プログラムや教材の開発を進めるとともに、その成果を活用した高度IT人材育成機関の設置などにより、2010年度までに産業界における高度IT人材の需給のミスマッチを解消することを目指す。

◇インターネットを用いた遠隔教育等を活用した特色ある取組を支援し、各大学間の競争的環境を醸成するなど、2010年までにインターネット等を用いた遠隔教育を行う学部・研究科の割合を2倍以上にすることを目指す。

1.2 大学が抱える諸問題
◇2006年問題
 新学習指導要領:ゆとり教育・教科「情報」を学んだ学生の入学
◇2007年問題
 団塊の世代が定年退職を迎える
◇2008年問題
 「少子化の影響で大学全入とのバランスが問題となる」があり、次の教育・未来の教育・21世紀人材育成に取組んでいかなければならない。
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「SS研究会」(2005年9月2日)
『2007年問題に向けて、次世代大学の教育を考える』(大阪経済大学 家本修氏講演より)
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1.3 大学が抱える諸問題
これらの諸問題の解決にあたっては、いずれもIT活用が有効である。
◇2006年問題
 新学習指導要領:ゆとり教育・教科「情報」を学んだ学生の入学
 => 学習力 の向上  <=IT活用による解決
◇2007年問題
 団塊の世代が定年退職を迎える
 => 教授力 の強化  <=IT活用による解決
◇2008年問題
 少子化の影響で大学全入とのバランスが問題となる
 => 魅力ある大学 の創造  <=IT活用による解決

2.なぜタブレットPCなのか?
2.1 シンガポールの事例紹介(ビデオ)
2.2 タブレットPCの市場予測、Windowsの動向
2.3 EduCanvasで国家試験の合格率アップ

3.今、求められているITスキルとは?
3.1 富士通ラーニングメディア宮岸本部長に聞く(インタビュー)
◆受講トレンドのキーワード
◇ITスキル標準(ITSS:IT Skill Standard)
◇ヒューマンスキル
◇プロジェクトマネジメント
◇ITサービスマネジメント(ITIL)
◇要素技術のキーワード
  ・情報セキュリティ ・運用管理 ・サーバーOS ・ストレージシステム ・ネットワーク ・ユビキタス etc.

◆「今、SEに求められているスキルとは」
◇評判のいい研修コースのトレンド
 ・ヒューマンスキル
 ・プロジェクトマネージメント
 ・システム基盤(原理/原則)
 ・ITサービスマネージメント
◇原理/原則の重要性と課題
 ○原理・原則
 ・コンピュータアーキテクチャー
 ・ネットワークの仕組み
  =>「情報の科学的理解」の部分
 ○勉強してきても応用がきかないのはなぜか?
  実際にそういう技術がどう使われているかしらない
  なぜ、それらが使われているのかを知る必要がある
◇ヒューマンスキルと創造力
 ○ヒューマンスキルの必要性
 ・個人の人間性の評価が’会社’の評価につながる
 ○ヒューマンスキル
 ・プレゼンテーションスキル
 ・論理的思考力
 ・ネゴシエーション力
 ○ヒューマンスキルを身につけても、自分の仕事に生かせない
 ・創造力がない
 ・論理的思考力が必要
 論理思考力(ロジカルシンキング)は鍛えられるが、想像力は鍛えられない
 ○他の視点から見る能力
 ・現実を見て、課題を見つけ出し、解決方法を考えることができる能力
 が求められている

3.2 これからの学力・求められる人材とは(永野和男氏講演より)
◇基礎的な知識・技術(知見の伝承)
◇論理的な思考
◇グローバルな視点
◇コミュニケーション(人に伝える・人から学ぶ)
◇情報の活用(情報をクリエートできる・道具を使いこなす)
◇他人への配慮、自己への気づき
である。
【聖心女子大学教授 永野和男氏講演:「これからの学力・求められる人材とは」より】

3.3 ITスキル+人間力(関の意見)
◆ITスキル  
◇ITリテラシ
 ◎MS-Office:PowerPoint/Word/Excel
  特に’見える化’(可視化)の技術とセンス
◇ITスキル
  言語
  クライアント/サーバ構築技術
 ◎ネットワーク技術
 ◎セキュリティ技術
  ビジネスサーバ技術
  グローバルサーバ技術
  システム構築・技術
  プロジェクトマネジメント
  コンピュータ基礎技術
  グループウェア技術
 ◎インターネット/イントラネット技術
  パソコンサーバ技術
  UNIX/Linuxサーバ技術
 ◎データベース構築技術
  業種/業務パッケージ
 ◎情報処理関連資格

◆人間力
◇知育・徳育・体育
◇日本昔話「ももたろう」の さる・いぬ・きじ
◇スキル
  + 論理的思考力(こうすれば、こうなるはずだ)
  + 社会常識的判断力(モラル)
  + コミュニケーション力

4.まとめ
◆「目的」と「目標」:
◇教育
教育の目的は、「すべての子どもたちの幸せ」「考える力、学ぶ力、生きる力」「社会に役に立つ人間に育てる」等であり、教育の目標としては、「希望の就職」「上位学校への進学」「テストでよい点数を取る」などがある。
目標はあるが、目的を意識しない子どもは、勉強が嫌いになる。
◇仕事(働くこと)
仕事の目的は、「仕事を通じて自分を成長させる」「周囲から認められ信頼される」「社会や人の役に立つ」等であり、仕事の目標としては、「営業成績」「高収入」「昇進」などがある。
仕事の目的は、「心の糧」であり、仕事の目標は、「生活の糧」である。「生活の糧」のためにだけに仕事をしている人は、仕事が決して楽しくない。
【2005年12月21日 横田英毅氏講演:「一番大切なことを、一番大切にする」 より】
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2006年8月28日 (月)

【イベント参加報告】東海大学短期大学部「情報シンポジウム」

Tkd001今日は、東海大学短期大学部で開催されている「情報シンポジウム」に講師&パネリストとして参加しています。

私の講演の概要について紹介します。
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テーマ:ビジネスパーソンとして必要とされるための情報教育とは
     ~21世紀における情報教育の意義と役割~

1.教育への情報活用(先生にとっての情報活用能力)
1.1 人類の危機・・・、そして情報教育の意義と役割
人類の危機を救うためには、「情報活用」しかない! と言われている。
・スーパークリエーター <= 滅び行く地球を救ったり、快適な環境を創りだしていける人
・エキスパート <= 専門家(例:国際紛争を解決できる人)
・一般市民 <= 善良な市民として他と協調して生活できる人
すべての立場において「情報活用」が必要とされる 【2006.7.26 坂元昂氏講演より】

1.2 IT新改革戦略(u-Japan計画)における「教育の情報化」
◇次世代を見据えた人的基盤つくり
 -全ての教員へのIT機器の整備、IT活用による学力向上ー
 「IT新改革戦略」(2006年1月19日公開)
○目標
1.教員一人に一台のコンピュータ及びネットワーク環境の整備並びにIT基盤のサポート体制の整備等を通じ、学校のIT化を行う。
2.教員のIT指導力の評価等により教員のIT活用能力を向上させる。
3.自ら学ぶ意欲に応えるような、ITを活用した学習機会を提供する。
4.教科指導におけるITの活用、小学校における情報モラル教育等を通じ、児童生徒の情報モラルを含む情報活用能力を向上させる。
○実現に向けた方策
1.2010年度までに全ての公立小中高等学校の教員に一人一台のコンピュータを配備し、・・・校務のIT化を積極的に推進する。・・・(以下、省略)
2.省略(小中高等学校において情報システム担当外部専門家の設置を推進)
3.省略(教員のIT活用能力に関する評価をその処遇へ反映すること等を促進することにより、全ての教員のIT活用能力を向上させる)
4.2006年度までにITを活用した分かりやすい授業方法や、児童生徒の習熟度に応じた効果的な自習用コンテンツの開発・活用の推進等により、教科指導における学力の向上等のためのITを活用した教育を充実させる。
5.省略(小学校段階からの情報モラル教育のあり方を見直す。)

2.教科「情報」について
2.1 情報教育の一貫性について(文部科学省永井調査官の説明)【省略】
2.2 情報A/B/Cについて(尚美学園大学小泉教授の説明)【省略】

3.今、求められているITスキルとは?
3.1 尚美学園大学小泉教授に聞く(インタビュー)
□問題解決能力
 ・情報の収集・処理・加工・発信等のスキル
 ・KJ法やブレーンストーミングなどの発想法
 ・論理的思考力・統計学
□メディアリテラシー
 ・メディアの特性を理解
 ・メディアを批判的にとらえる態度
□情報モラル
 ・情報社会の特質を理解して新たな社会規範を学ぶ
 ・科学的な理解に裏付けされた本来のモラルの育成
□コミュニケーション能力
 ・国語力、会話力、表現力などの育成
 ・伝える技術の育成

3.2 富士通ラーニングメディア宮岸本部長に聞く(インタビュー)
□講習会の受講者動向を見ると
 ・原理原則(基礎技術)
 ・すぐ使える実践的スキル
 ・プロジェクトマネジメント
 ・ヒューマンスキル
□企業が求めるITプロの人材像とは?
 「知識・技術+実践力」と「ヒューマンスキル」を「行動力」に繋げることができる「バランスのとれた人材」

3.3 ITスキル+人間力(関の意見)
□ITスキル
ITリテラシ
 ◎MS-Office:PowerPoint/Word/Excel
  特に’見える化’(可視化)の技術とセンス
ITスキル
  言語
  クライアント/サーバ構築技術
 ◎ネットワーク技術
 ◎セキュリティ技術
  ビジネスサーバ技術
  グローバルサーバ技術
  システム構築・技術
  プロジェクトマネジメント
  コンピュータ基礎技術
  グループウェア技術
 ◎インターネット/イントラネット技術
  パソコンサーバ技術
  UNIX/Linuxサーバ技術
 ◎データベース構築技術
  業種/業務パッケージ
 ◎情報処理関連資格
□人間力
 ・論理的思考力(こうすれば、こうなるはずだ)
 ・社会常識的判断力(モラル)
 ・コミュニケーション力
 ○他の人の気持ちや周りの状況を的確に判断でき、行動できる力

4.もし私が、情報教育短大を創るとしたら
4.1 「目的」と「目標」:
◇教育
教育の目的は、「すべての子どもたちの幸せ」「考える力、学ぶ力、生きる力」「社会に役に立つ人間に育てる」等であり、教育の目標としては、「希望の就職」「上位学校への進学」「テストでよい点数を取る」などがある。
目標はあるが、目的を意識しない子どもは、勉強が嫌いになる。

◇仕事(働くこと)
仕事の目的は、「仕事を通じて自分を成長させる」「周囲から認められ信頼される」「社会や人の役に立つ」等であり、仕事の目標としては、「営業成績」「高収入」「昇進」などがある。
仕事の目的は、「心の糧」であり、仕事の目標は、「生活の糧」である。「生活の糧」のためにだけに仕事をしている人は、仕事が決して楽しくない。
【2005年12月21日 横田英毅氏講演:「一番大切なことを、一番大切にする」 より】

4.2 どんな短大を創りたいか
○学ぶべきこと
 ・学ぶ目的:「進学や学歴や就職のためではない!
  人生を生きるため 自己実現のためである」ということ
 ・「社会に出て活躍することは素晴らしい」という実感
 ・どこでも通用する資格取得
○学びの場の提供
 ・企業等との連携による実体験(実施研修)の機会の創出
 ・教え込むのではなく、自ら考える力を協働作業の中で身に付ける
○目的意識と協働する力
 ・目的意識をもたせるための体験をさせる
 ・他と協働するスキルと人間力を磨く

                以上

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東海大学短期大学部の1階ホールに掲げられた、建学の精神

Tkd002 若き日に 汝の思想を培え
 若き日に 汝の体躯を養え
 若き日に 汝の智能を磨け
 若き日に 汝の希望を星につなげ
         松前 重義

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2006年8月19日 (土)

【イベント参加報告】第1回学校教育再興フォーラム群馬大会

Gunma85Gunma200今日は、昨年の2005両毛教育祭「第7回でき学セミナーinぐんま」に続いて、塚田先生からお知らせいただいた、第1回学校教育再興フォーラム群馬大会に参加しました。高崎市文化会館で開催されました。

9:50~10:40
■第1講座「教師上達論」・・・杉渕鉄良氏
Gunma94「教育は人にあり!」「教師の質が上がれば、教育はよくなる」
・教育をよくするには、教師の力量が問題になる。
・力量をつけるには、(目指すところに応じた)修行が必要。
・3つの力量:人間力(情)、専門力(知)、指導力(意)
・力量を見につけるには、まず「先人のまね」「先人の実践の背後にあるものを学ぶ」
そして、「自分の生き方、志、考え方」と「自分のタイプ、キャラクター、長所」をふまえて、「自分流の実践、じぶんなりの原理・原則」を見つけ出すこと。


10:50~11:40
■第2講座「家庭教育・学校教育に望むこと」・・・長田百合子氏
Gunma96私は「ただのおばちゃん」だが、29年間の現場(家庭)の知恵がある。
中学校のとき’いじめ’にあった。その対応策として、「弱い自分を、悪い自分に見せかけること」を思いつき、タバコ・酒・シンナーもやったが、遅刻・早退・欠席はしなかった。

・心がみだれると、体がみだれる、そしてまた心が乱れる。その繰り返しでどんどん悪くなる。
・「子どもの問題は、すべて親の問題」
・むかしは、「ひと様、ダンナ様、先生様」と言ったが、今は「お子様」と言う。
・今の世の中は、何かおかしい。TVでコメンテータの医者や精神科医が、「待ってあげましょう」と言うが、3年も、5年も、10年も待てない。
・不登校などの子どもの問題は、家庭で起きている!
・引きこもりを助けるのが一番うまいのは、引きこもりから立ち直った人。私はそれをやっているだけ。

「学校の先生が元気になれば、子どもたちも元気になる」「先生、頑張って!」と長田先生からの応援メッセージが寄せられた。


11:40~12:50(昼食・休憩)
12:50~13:40
■第3講座 「国民に求められる教師像」・・・野口芳宏氏
Gunma207Gunma211野口先生から最初に質問が出された。
「今のように日本の教育が大きな問題をかかえるようになった責任は、あえていうと次のA,B,Cのうちのどれだと思うか?」

A:家庭教育
B:学校教育
C:社会教育

会場の参加者に手を挙げさせたところ、「A:家庭教育」とした人が一番多かった。
それに対して野口先生は、「今日は先生方の研修がテーマであり学校の先生が多く参加しているはずなのに、自分のことを棚にあげて、家庭教育に原因があると言っていいのか?!」「家庭教育は、教育の素人がやる。計画もなく、経験と勘で行われ、学校のように教育委員会に視察もない。しかし、学校は、すべて教育の専門家がやっている。」
「学校教育は、よき社会人・よき国家の形成者をつくることが目的である。学校の教育がどこかおかしいから、ああいう家庭ができたのではないか」
「いい学校教育が行われるようになったら、20年後の国家はまともになるはずだ。家庭も、社会も、学校教育がよくなることでよくなっていくと言える。」
「我々教職に携わっているものは、謙虚な反省と分析が必要である。」

日本教育再興連盟はNPO申請中であるが、「教育の成立する条件」を考えてそういう教育をする必要がある。
教育で一番大切なものは何でしょう?それは、
(1)「信」
 「信」の反対語は「不信」。教師は「信」じられる存在でないといけない。
 「信用」:信じて用いられる。その上をいくのが、
 「信頼」:信じて頼られる。さらにその上は、
 「信仰」:信じて仰ぎみられる。
 今、夏休みだが、先生は子どもたちに「夏休みは、本を読もう」と言ったときに、子どもたちはどういう反応をするだろうか?
読書をしない先生が読書を勧めることもある。こんな場合は、先生はこどもたちに信用されていないということである。
今、日本の子どもたちがどれだけ頷きながら先生の言葉に耳を傾けているだろうか?

(2)「敬」
 敬われるに足る教師であろうか? 「三尺下がって師の影を踏まず」という言葉があったが、今は「先生と生徒は対等」という時代である。
 「敬」にも3つある。
 「表敬」:敬意を表す。その上は、
 「尊敬」:尊び敬う。さらにその上は、
 「畏敬」:畏れ敬う。
 「敬」よりも上なのが、「慕」(慕う)である。

(3)「慕」
 「慕う」の逆は、「あの先生の、声も聞きたくない、顔も見たくない」ということになっていないか。
 「思慕」:思い慕う
 「敬慕」:敬い慕う
 「永慕」:ずっと永く慕う
 「追慕」:死んでも、なお慕う
 というのもある。

◆「研修」という言葉
 研修という漢字はない。研究と修養という二つの言葉が合わさってできた言葉である。
 しかし、今は、研究はするが修養はどうやらやっていないのではないか。
 研究は子どもをどうするか、すなわち「他者改善」である。修養は「自己改善」、すなわち自己を高めること。
 教師自身が自らを磨くということが大事。
 「教育は人なり!」 すなわち、教師次第ということである。

◆「源流浄化」
 川上が濁っていたら、川下も濁る。川上から浄化する必要がある。
 「孝」:子どもの方から教えてもらうという意味の字。
 「親は子どもにとって大恩人であり、親に勝る恩人はない」「親を大切にしなさい」「親に言われたことは、ハイと言って従うものだ」
 ふだんそういうことを教えているか?それを教えることが大切だ。そのことにより、親も「先生のことをよく聞きなさい」と言うようになる。
 おかしな教育をしているから、おかしな社会や家庭になった。

◆「人間は教育されなければならない存在である」
 80年前にインドで「オオカミに育てられた少女」が発見された。オランダの学者・ランデフェルドは、「人間は教育されなければならない存在である」と言った。
 教育されなければ、人間は人間たりえないのである。


13:50~14:40
■第4講座 「これからの日本の教育」・・・陰山英男氏
 学力の新しいルール:「学力をつけるとは 脳を健やかに育てること」
Gunma221◆議論の中核は学力問題
来年から「全国一斉学力テスト」が実施される。学力問題は影響が大きい。
学力問題は、学校の固有の問題であり、家庭や社会に転嫁できる問題ではない。
学力をきちっとつけることが課題。
コンピュータで例えると、学力はハードディスク(HDD)の容量の問題ではなく、中央処理装置(CPU)の性能の問題であることがわかってきた。
すなわち、学力は’脳’の能力の問題であるということである。

◆教育低迷の最大の理由は、事実が正しく分析されていないこと
・「お金がなければ東大に入れない」はウソ
・最初から間違っていた「学力低下の理由」
 「勉強しなくなってではなく、勉強をして学力低下してしまった」「競争させれば子どもの学力は低下する」
 15歳(中3)と18歳の体力の落ち込みー>受験が問題
・子どもたちは勉強に追いまくられているのか?そうではない。
 「家庭学習の時間が、世界で一番短い!」「TVを見ている時間が、世界で一番長い!」
 それでも学力は「中の上」。日本の学校教育は頑張って成果をあげているのだ。

◆日本の教育は一度壊れた!
Gunma218調査結果の分析で、「不登校」(心の問題)と「ソフトボール投げ」(体の問題)が相互に関連していることが分かった。
どちらも、昭和56年と平成5年~7年のところで問題が起こっていることがわかった。不登校が急増し、体力低下が起こっている。
校内暴力が問題化したのもこの時期に一致する。
この時代背景は、「TVの個別化」「番組の深夜化」「ファミコンの普及」「レンタルビデオ・コンビニの普及」であり、「オイルショック」とその時期に同期している「小子化」で、「いい高校・いい大学・倒産しにくい会社への就職」という思いが大きなプレッシャーになったとも言える。

◆睡眠時間の急激な減少
 核家族化、子どもたちは「ゲームセンター」に。
 受験競争批判を生む土壌。嫌われる基礎学習。学級崩壊。
 これは、子どもたちの生活習慣が問題なのだ。指示待ち症候群から生まれた新しい学力観。
 1日2時間のTV視聴で、
 全学習時間(708時間) < TV視聴時間(730時間)
 となる。実際は、もっとTV視聴時間は多い。学校で勉強している時間よりもTVに勉強させられている時間の方が多いのだ。

◆土堂小学校の実践と成果
広島県の調査結果によると、食事(摂取食品数)と学力、睡眠時間と学力の相関関係があることが分かった。
土堂小学校の実践とその成果を紹介する。
漢字検定の合格率は97%と受験校でもないのに全国トップクラスという結果が出た。
国語の点数は87点(平均は74点)、算数は95点(平均は80点)。
知能指数も伸びることが分かった。
・IQ(平均は100) 土堂小では: 113(翌年は115)、120以上が28%(翌年は42%)

・ポイント1:「早寝早起き朝御飯」
・ポイント2:「読み書き計算の徹底反復」
 
◆脳を鍛えるモジュール授業
Gunma232Gunma236本に書いた。ビデオも先生方が見るだけでなく、直接子どもたちに見せてあげて欲しい。
同年代の子どもたちが実践しているのを見て、勇気と意欲が湧いてくるはずだ。
(と、自らの著書の紹介をされたので、講演の直後には本の販売コーナーは黒山の人だかりとなった。)

夏休みに、自主的にこのような「研修」の場に参加された先生方は本当に偉いと思う。
このような熱意溢れる先生方がいるかぎり、日本の教育もきっとよくなっていくと感じた一日でした。Gunma231
そうそう、陰山先生がプレゼンテーションに使っていたパソコンは、小型のノートパソコンで、「FMV」と書いてありました。陰山先生ありがとうございました!

そのあと、
14:40~15:00 休憩(宣伝タイム)
15:00~16:50
■「教育オーディション」・・・・・コーディネーター:深澤 久 氏
がありましたが、夕方から私用があり、新幹線で飛んで帰りました。

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2006年6月 4日 (日)

長野県情報教育研究会での研修講師

Nagano32Nagano36長野市立川中島中学校の力教諭から依頼がありました。
長野県情報教育研究会での研修講師をということで、会場である国立長野高専の電子情報工学科に来ています。

Nagano39Nagano37◇10:00~11:00
■講演会「新しい教育環境に向けて」
 (NTTコミュニケーションズ 上草憲昭氏、小池一成氏、日本コスモトピア 足立学省氏)
課題は「学力向上」と「「授業力向上」ということで2つのショリューションを紹介
(1)学力向上支援システム「学習クラブ」
 必要な問題を選んでオリジナル学習プリントを作成することができる。先月はあの光ヶ丘中学校で研修をされたとのこと。
(2)DeTeMO(デテモ=デジタル教材活用支援ソフトウェア)
 無線LAN内臓のタブレットPCの画面に、授業で使う複数教材を手元に一括表示する。机間巡視しながら、操作できる。
小池氏がタブレットPC(FMV-P8210)を持って机間巡視の講義をされたのには驚きました。

私も、そのシステム(DeTeMo)をそのまま使わせていただいてお話をしました。まったくのぶっつけ本番でしたが、とても使いやすくて「デジタル教材活用授業」には有効なシステムだと感じました。タブレットPCを先生が授業で活用するのにとても有用であることをアピールできるシステムでもあります。
◇11:00~11:30
■研修会「IT新改革戦略とタブレットPC」
 (富士通株式会社 関 幸一)
私のお話は、
◆シンガポールのハイスクールにおけるタブレットPCの活用事例(ビデオ紹介)
◆Worldwide タブレットPC市場予測、Windows VistaとTablet
◆大学のポスト2005年と小・中・高等学校のポスト2005年
◆塾・家庭・生涯学習へのタブレットPC普及要件
◆タブレットPCを活用した漢字学習実践と評価
◆まとめ 「子どもたちは 未来からの留学生」
というストーリーででした。

Nagano56◇11:30~12:00
■研修会「セキュリティ管理の現状と学校のセキュリティ管理」
 (NTT長野支店 樋口順子氏)
樋口氏は、自社におけるセキュリティ管理の現状を説明されながら、学校でのセキュリティ管理の必要性をお話されました。

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2006年3月10日 (金)

第23回パソコン利用技術研究集会

今日は、立正大学の大崎キャンパスに来ています。
PCUA6311社団法人パーソナルコンピュータユーザ利用技術協会主催の「第23回パソコン利用技術研究集会」が開催されています。
この研究集会は、パーソナルコンピュータ・マルチメディアの利用技術向上を図ることを目的に、パソコンの利用者が研究・開発した成果を発表する場です。

●第23回パソコン利用技術研究集会 プログラム
○9:30-11:40 分科会A、B、C(午前の部)
○12:30-13:45 特別講演、スポンサーセッション
○13:50-16:15 分科会A、B、C、D(午後の部)
○16:30-17:45 懇親会
となっています。

●分科会

●特別講演&スポンサーセッション
◇[特別講演] 12:30-13:15
PCUA6316無常感
吉田 夏彦 氏(東京工業大学 名誉教授)
マイコンといはれた時代からのPERSONAL COMPUTERの機能と利用状況の変化を振返りながら、此の変化が無常感を養うのに貢獻して来たとするテーゼについて述べられた。
『二つの無常感がある。PCの世界のようにどんどん世の中が変わっていくことで、無常を感じるということ。そしてもう一つの無常感は、1991年にロシアが崩壊したが実は、「一番うまくいっていた社会主義国日本が崩壊した年でもある」といわれている。PCは個人一人ひとりがコンピュータを持っているという時代だということだが、一方、超巨大なスーパーコンピュータが世界を牛耳っているという見方もある。強大なスーパーコンピュータで世界中が管理されている時代になったという無常感もあるのだが・・・。』

◇[スポンサーセッション]
13:15-13:30
☆世界最小・最軽量コンバーチブル型タブレットPCのご紹介
PCUA6323関 幸一(私)が約15分のプレゼンテーションをした。200人以上が入れる階段教室に、聴衆は約60人。
「大学に於ける講義の改革」と「キャンパスライフの革新」を実現する最新タブレットPC『FMV-P8210』の開発のこだわりとタブレットPCの活用事例としてEduCanvasをご紹介した。
なんと無線でのプロジェクター接続も体験することができた。もう一台のタブレットPCを会場内にまわして見てもらい、重さも体験してもらった。
F社の先輩がわざわざ見に来てくれていた。プレゼンテーション終了後、「個人的にタブレットPCを買いたい」とか、「後日、大学に説明に来て欲しい」という話もあった。
会場となった立正大学情報メディアセンターの山下副センター長から、「関さんのホームページ、見せてもらいましたよ」という言葉が、温かくそして嬉しかった。

13:30-13:45
・カルキングのスクリプト機能について
西野 秀毅 氏(株式会社シンプレックス 代表取締役)
(省略)

(懇親会には参加しなかった。)

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2006年2月 5日 (日)

新しい時代の教育を開く:銭谷眞美初等中等教育局長講演

gunma442月4日(土)群馬県総合教育センターでの「ぐんま教育フェスタ」における講演です。
講演に先立ち、群馬県教育委員会教育長の内山征洋氏のご挨拶と、群馬県総合教育センター所長の飯野眞幸氏からの講師紹介がありました。入場整理券が配られた講演会場は、定員400名とのことでしたがほぼ満員という盛況でした。
講師の銭谷眞美氏は所長のお知り合いで、年齢も同じということでした。
国会開催中でもあり、局長のお話を直接お聞きできるのはとても貴重な体験でした。

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gunma52文部科学省初等中等教育局長
 銭谷眞美氏による特別講演
テーマ:新しい時代の教育を開く
 -学校力・教師力・人間力ー

◇とりまく環境
・「教育の世界は閉ざされた世界。外との広がり・つながりが少ない。」という傾向があった。
・「不登校」「いじめ」の問題と取り組んでいたが、外からはなかなか評価されない。そして、教育というサービスを受ける側の声を聞けていなかった。

・「量」の問題にばかり目がいっていたとも言える。私は団塊の世代でS24生まれ。そのころは1学年240万人。それが今は半分の約120万人。
・「量への対応」に追われていた。社会が変わってきた。これまでのやり方では、今の世の中に会わないのではないかということが課題である。
・規制改革・規制緩和。すなわち、民間の力を借りることも必要となってきている。
・「人材登用」「株式会社の学校」「地方分権」「費用対効果」「行財政改」が議論されてきている。
・対外的に説明しながら実施できるか。子どもも親も変わってきていて、先生もたいへんだ。
・今までの教育は「貧乏な時代に則した教育」。豊かな時代に子どもを躾けるのはたいへんだが、その理念(方法論)がない。

◇アピール
・第一は、「行財政改革の観点から言われていること」
・「三位一体の改革について」
・国庫補助負担金の改革についてと税源委譲についてである。
・義務教育における「国の役割」「都道府県の役割」「市町村の役割」「学校の役割」をどうするか。義務教育のシステムにつてい中教審で議論された。
・昨日、法律案を国会に提出。この法案が通れば、国の負担は1/2->1/3になる。
・児童生徒の純減以上の人件費の削減ではなく、自然減程度の削減に抑えるべきである。
・次に、費用負担すなわち、給与の在り方や定員問題にどう取り組むかであるが、厳しい時代になってきた。
・小さな政府を目指す。しかも。こういう条件の中でしっかり取り組まなければならない。

◇新しい指導要領について
・校種、教科ごとの指導要領の見直し。
・検討課題で大きなものは、「現状確認」であり、400校を訪問して「スクールミーティング」を実施してきた。意識調査を踏まえて議論した。
 その結果、「指導要領の考え方はまちがっていないが、その手立てや方法論は再検討の余地がある」
・考え方
 「基礎基本」「考える力」のどちらが大事かではなく、両方が大事である。
・国語、言語の力を定着させることが重要
 「考える力」のためにも」「コミュニケーション能力」のためにも重要である。
・「学ぶ意欲」を高めることの大切さ
・国際社会(グローバリゼーション)の中で生きていくためとい観点
・総合的な学習の時間(維持をするが、授業時間数や在り方は検討)
 小学校英語をどうするかも検討課題
・学力低下問題
 教える内容(厳選している)について、考え方そのものは否定されていない。

◇外国の取組み
最近、5ヶ国を訪問し各国の「教育への取組み」をつぶさに見て、各国の要人ともお話をしてきた。
・フランス:義務教育は国家負担
・イギリス:義務教育費は今年から全額国家負担となった
 全国的学力調査。教育水準局による学校評価。
 徹底的な学力調査と学校評価
・フィンランド:PISAの調査で高評価
 国語教育、読書に力を入れている
 各家庭は500くらい蔵書がある
 公共図書館が充実している
 先生が尊敬される気風がある(全員修士)
 57%を国が投資
・ドイツ
 16の州で大きな学力差
 州政府の取り組みが違う:
 PISAショック
 教育研究省:7つの改革(学力、倫理観)
 子どもの在校時間を多くする方向
・オランダ:
 私立が多い(7割くらい)
 宗教色が強いが、選択制
 外国語教育 小学校からの外国語教育

◇まとめ
・教育については、どの国も力を入れている
 国の戦略、国の基盤として力を入れている
・私は義務教育は、国がきちっと責任をもってやるべきであると考えている
 凡庸な国民となってしまったら、それを取り返すには大変な時間とお金がかかる
・がんばっている先生が報われる社会、こまった先生がそれなりに処置される社会にしていかなければならない。


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【配られた資料(抜粋して紹介)】
◇義務教育の構造改革(パンフレット)

義務教育の構造改革のポイント
1:義務教育の充実に国家戦略として取り組む
2:市区町村、学校の裁量・自由度を高める分権改革(人事や学級編制に関する権限の市区町村への委譲など)を進める
3:学習指導要領、教員養成、財源保障など義務教育の基盤整備と、学力調査などの検証は、国が責任を負う
4:国と地方の負担により義務教育費が保障される国庫負担制度は優れた制度であり、これを大事にし、更に地方の裁量を広げる

■新しい義務教育の姿
学校の教育力、すなわち「学校力」を強化し、「教師力」を強化し、それを通じて、子どもたちの「人間力」を豊かに育てることが改革の目標である。[答申より]

■義務教育の構造改革
義務教育システムについて、
①目標設置とその実現のための基盤整備を国の責任で行った上で、
②市区町村・学校の権限と責任を拡大する分権改革を進めるとともに、
③教育の結果の検証を国の責任で行い、
義務教育の質を保証する構造に改革すべきである。[答申より]

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◇学習指導要領の見直しに当たっての検討課題
(平成17年2月15日 中央教育審議会総会(第47回)配布資料)

1.「人間力」向上のための教育内容の改善充実
①社会の形成者としての資質の育成
②豊かな人間性と感性の育成
③健やかな体の育成
④国語力の育成
⑤理数教育の改善充実
⑥外国語教育の改善充実

2.学習内容の定着を目指す学習指導要領の枠組みの改善
①各教科等の到達目標の明確化
②国民として共通に必要な学習内容の示し方
③授業時数等の見直し

3.学ぶ意欲を高め、理解を深める授業の実現などの指導上の留意点
①個性や才能を伸ばす教育の推進
②補充的な指導の必要な児童生徒への教育の在り方
③教科書、指導方法等の改善

4.地域や学校の特色を生かす教育の推進
①地域や学校の特色を生かす教育の推進
②学校と家庭、地域社会との関係の在り方
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2006年1月26日 (木)

文部科学省・東京都教育委員会「IT活用促進キャンペーン」

tokyoui6本日、東京都教職員研修センターで「平成17年度情報教育担当指導主事連絡協議会(第2回)」が開催されました。
私はその中で、「電子情報ボードの活用による『わかる授業』の実現」というお話をしました。

第一部は情報モラル教育がテーマで、
tokyoui7(1)情報モラル教育にかかわる資料提供について
(2)講演「ケータイ安全教室に学ぶ情報モラル教育の推進」
(3)区市等における情報モラル教育の実践報告(江戸川区、日野市)
が実施されました。

第二部は文部科学省・東京都教育委員会「IT活用促進キャンペーン」で、
tokyoui0(1)文部科学省初等中等教育局参事官(産業教育・情報教育担当) 嶋貫和男氏のご挨拶
(2)総務省情報通信政策局情報通信利用促進課長 上原仁氏のお話
に続いて、私(関)が、
(3)電子情報ボードの活用による「わかる授業」の実現
というテーマでお話をしました。

嶋貫参事官は、私のお話の時、来賓席から私の目の前の席に移られて、熱心に聴いてくださいました。
上原課長は、プログラム終了後、「電子黒板はいいですね。わたしもこういうのがあればいいのにと常々思っていました」「メールマガジンを発行されているそうですが、私も読みたいです」と言ってくれました。
いずれにしても、私にとっては貴重な体験でしたし、電子情報ボードの普及にお役に立てたのではないかと喜んでいます。
このような機会を与えてくださった宮下主任指導主事と永浜指導主事に感謝します。

公開の講座ではないので詳細は省略させていただきます。

教職員研修センター(目黒)は、光村図書さんのすぐ近くだったので、お昼を黒川さん・貞本さん・森下さんと私の四人で食べながらいろいろと意見交換・情報交換をしました。デジタル教科書(小学校版中学校版)の最近の状況などのお話を聞くことができました。黒川さん、貞本さん、森下さん、ありがとうございました。そして、日本の教育界のためにがんばってください。

感謝・感謝の一日でした。
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関連記事:
タブレットPCで電子黒板代わりの講演体験
電子情報ボードの活用による『わかる授業』の実現


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2005年12月22日 (木)

「一番大切なことを、一番大切にする」:横田英毅氏講演

12月21日(木)ネッツトヨタ南国株式会社(旧社名トヨタビスタ高知)の代表取締役社長 横田英毅氏が、「社員満足!これが競争力」というテーマで講演されました。

○「一番大切なことは、一番大切なことを一番大切にすることである」
CSES541326年間、どういう考え方でやってきたかを、お話したい。特に、「社員満足度」がいかに大事かということを中心にお話する。
私にとって一番ショッキングな格言は、「一番大切なことは、一番大切なことを一番大切にすることである」という言葉である。
夫婦でも、親子でも、人生でも、一番大切なことを大切にしないで、あまり大切じゃないことを大切にしてしまう。

○「お客さまから感謝される」ということが、「社員の満足」につながる
私が会社経営で一番大切に考えていることは、「社員の満足」ということである。
顧客満足度(CS)を上げることが社員満足度(ES)を上げるための手段と考えると整合性が取れる。それは、社員が「お客さまから感謝される」ということが、その「社員の満足」につながることがわかったからである。

○「wants より needs を大切にすること」
我々の経営理念は、「wants より needs を大切にすること」 である。
問題に対処するのではなく、問題を解決するのである。

○「目的」と「目標」:
「目的」とは追求するものであり、本質である。一番大切なものは「社員満足度(ES)」であり、「社員満足度(ES)」を上げるには「社員満足度(ES)」を上げれば上がる。
「目標」は、達成するものであり、結果である。たとえば「業績」とかは達成する「目標」であるが、決して「目的」ではない。

○「鬼と金棒」:その活躍の度合いは?
ここに4つの「鬼と金棒」の絵がある。
第1は、「大きな鬼」が「大きな金棒」を持っている。
 この場合は一番活躍の度合いが大きいので、◎
第2は、「大きな鬼」が「小さな金棒」を持っている。
 この場合は二番目に活躍の度合いが大きいので、○
第3は、「小さな鬼」が「大きな金棒」を持っている。
 この場合は鬼が金棒に振り回されるので最悪、×
第4は、「小さな鬼」が「小さな金棒」を持っている。
 この場合は三番目に活躍の度合いが大きいので、△
ここで、「鬼」はKnow why、問題発見(人間力)、未来であり、「金棒」は、Know how、知識、過去である。
従来の日本の教育は、「金棒」を大きくするための教育であった。
創造の時代ともなると、Know why、すなわち意義・目的・本質を掘り下げ、自らがKnow howを創り出すハイレベルな教育が必要となる。

○自ら考え、発言し、行動する、(そして失敗し、)反省する。
このようにして多くの体験をさせ、いかにたくさんの失敗をさせる機会を増やせるかを考えている。

○「目的」と「目標」の例:
ここで、「目的」(本質)と「目標」(結果)の例をいくつか挙げて考えてみたい。
◇スポーツ
スポーツの目的は、「健全な精神と健康な身体つくり」「楽しむ、人生を豊かにすること」等であり、スポーツの目標としては、「100mを9秒台で走る」などがある。
かつて、「目標」しか持てなかった悲劇のスポーツ選手がいた。マラソンの円谷幸吉選手である。彼は「父上様、母上様。幸吉はもうすつかり疲れ切つてしまつて走れません」と書き残し、自殺した。
◇教育
教育の目的は、「すべての子どもたちの幸せ」「考える力、学ぶ力、生きる力」「社会に役に立つ人間に育てる」等であり、教育の目標としては、「希望の就職」「上位学校への進学」「テストでよい点数を取る」などがある。
目標はあるが、目的を意識しない子どもは、勉強が嫌いになる。
◇企業
企業の目的は、「ES(社員満足)」「CS(お客さま満足)」「社会貢献(社会との調和)」等であり、企業の目標としては、「売上拡大(利益拡大)」などがある。
ある調査によると、「上司からの指示があった場合、良心に反する仕事であっても行う」と65%が答えたそうである。これは、企業の目的が意識されておらず、目標だけが強調されているに違いない。
◇仕事(働くこと)
仕事の目的は、「仕事を通じて自分を成長させる」「周囲から認められ信頼される」「社会や人の役に立つ」等であり、仕事の目標としては、「営業成績」「高収入」「昇進」などがある。
仕事の目的は、「心の糧」であり、仕事の目標は、「生活の糧」である。「生活の糧」のためにだけに仕事をしている人は、仕事が決して楽しくない。

○近江商人の「三方よし」の理念
 「売り手よし、買い手よし、世間よし」

○二宮尊徳の「報徳思想」
 「道徳なき経済は罪悪である 経済なき道徳は寝言である」

○人間性が尊重されていること、すなわち人間のもっている特質を尊重することが大切
である。

◎アンケートに記入された「お客さまの感謝の声」に対してこんなコメントが付けられた。
「生きてて・・・ よかったデスネ。みなさん!」
お客さまに喜んでいただいたことに、働く喜びを見つけることができる。
すなわち、顧客満足(CS)が社員満足(ES)につながるということである。

             以上

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2005年12月12日 (月)

「IT活用が学力を伸ばす可能性」:陰山英男氏の講演

本日は、お客様起点経営を目指す組織経営改革の一環としての「お客様トップのご意見を聞く会」の第2弾。講師は、日本で一番有名な「公立小学校の校長先生」、陰山英男氏です。
kage5342陰山校長は、午前中は文部科学省の中央教育審議会初等中等分科会 教育課程部会 に参加された後、午後からは半日お付き合いをいただき、「陰山校長のお話を聞く会」では、息も切らせぬ熱弁をふるっていただきました。
講演テーマは、「IT活用が学力を伸ばす可能性 子どもが伸びる新たな挑戦へ」です。約1時間ほどお話をしていただき、そのあと意見交換をしました。

◇講演要約:
kage5341・学力向上に対して正しい方法論 学力低下の真の原因の克服とは?
 勉強しなくなったのではなく、勉強をして学力低下してしまった。
 競争させれば子どもの学力は低下する。
・教育論議が迷走する理由
 事実が認識されていない。
 学力低下の真の理由に迫る必要性
・低所得の家庭からの東大合格者が急増している。
・学力低下の本当の原因への手がかり意外な入り口
 →国際学力比較調査
・世界最低水準の家庭教育
 日本は、宿題をする時間(1.0H)が最短、テレビ・ビデオを見る時間(2.7H)は最長。
・落ちているのは学力だけではない
 15歳と18歳で走る力の低下(受験圧力の恐怖)
・これからの日本の教育課題 
 早寝早起き朝御飯は国民運動へ
 読み書き計算や反復学習は指導要領へ明記
 英語など新しい学習内容
・寝る子は育つ
 1日に7時間から9時間寝る子どもは国語・算数の点数が高い
・食事の重要性
 一食あたりの摂取食品数が多いほど学習成績がよい
・学力・体力伸ばす朝御飯
 朝食を必ず食べる(513点)、たいてい食べる(480点)、食べないことが多い(458点)、まったく食べない(452点)
・学力向上とは子どもを元気にすること
・学力再生は生きる力の再生
 基本的生活習慣の確立
 →読み書き計算による脳力トレ-ニング
 →揺るぎない基礎の上に立つ多様な学習
 この順番で確立されなければ、効果は薄い。
・学力向上の具体的方針(家庭編)
 早寝早起き朝御飯
 テレビの視聴時間の制限
 家族団欒

○ITは教育に何ができるか?
 徹底反復はITと相性がいい。
 →何度も同じことをやらせて脳を鍛えることができる。
 履歴管理が可能
 →個別指導が可能
 マルチメディアである。
 →バ-チャル授業が可能
 指と一体化した学習
 →タイピングとタブレット、電子黒板で、新しい授業革新の可能性

○電脳陰山メソッド 限られた内容を、単純な方法で、徹底反復
 マトリックスカリキュラム=義務教養
 学習内容をすべてハ-ドディスクかサ-バ-へ
 学習活動をインタ-ネットで管理、支援
 インタ-ネット通信教育
 マルチメディアで徹底反復
 学校、塾、通信教育の壁が溶かす学習システム

○生活改善と徹底反復、IT活用 教育改革とはみんなが元気になること

◎学校での一斉授業には「電子黒板」、家庭での個別学習には「タブレットPC」が解になるのではないか

◎今後、学校教育において、「人件費削減」と「学力向上」が求められるが、これらを合わせて解決する切り札は「IT活用」である

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2005年12月 2日 (金)

永野和男氏講演:「ポスト2005年のIT活用教育と子どもの学び」

CEC5169CEC5176講師:聖心女子大学教授 永野和男氏
テーマ:「ポスト2005年のIT活用教育と子どもの学び」
日時:2005年12月1日(木)
イベント: 「先進IT活用教育シンポジウムin宮城」
場所:仙台市情報・産業プラザ

最近よく「ポスト2005年」という言葉が使われる。e-Japan戦略で「世界最先端のIT国家を目指す」ということで、2005年度を期限としてインフラ整備を行ってきたが、インフラ整備後の方向性をどうするかということである。

○教育の情報化・情報教育推進の方向性
情報技術の向かう先は、
・見えないコンピュータ(自動化)
・洗練された個人の道具
・コミュニケーションの支援
という方向だと考える。

○情報化時代の能力観
人として「どんな能力」を持っていたらよいか。社会人として身につけておくべき知識・技術とは
・調査(Research)
・コミュニケーション(Communication)
・企画(Planning)
・対応・交渉・対処(Coping)
・説明(Account)
といった能力である。

○これからの学力・求められる人材とは
・基礎的な知識・技術(知見の伝承)
・論理的な思考
・グローバルな視点
・コミュニケーション(人に伝える・人から学ぶ)
・情報の活用(情報をクリエートできる・道具を使いこなす)
・他人への配慮、自己への気づき
である。

○人が学ぶということ
・ルーチン(繰り返しにより意識しなくてもできるようになること)
・気づき(常に意識をもち、獲得するよう働きかけること)
・興味のないものは組織化されない(好奇心)
情報解決型(私の言葉では「情報アクセス型」)の学習が求められる。
学習するときに主体的な問題意識、すなわち、「自分にとって興味があるかどうか」が大きな問題である。
これは小学校段階では教師の力量が大きくかかわってくるが、中学校・高等学校では「体験型学習」がより重要となってくる。
「興味(好奇心)のないものは組織化されない」という記憶・理解のメカニズムが関係してくるのである。

○新しい能力をどのように評価するか
 道具+人間 = 能力
今までのような「知識・理解」に力点をおいた「教えたこと」を「知っているか」のテストだけでは必要な能力を評価できない。
「知っているか」ではなく、「それを使って問題解決できるか」が能力として価値がある。
したがって明らかに能力の評価の方法も変わっていく必要がある。

○情報活用能力を評価する大学入試(聖心女子大学での実践)
聖心女子大学で行っている入学試験では、情報活用能力を評価するために、「情報を読み取る力、判断力、表現力、応答力」を重視している。
「プレゼン評価」と呼んでいるが、具体的な問題を出し、それに対して
a)検索、情報検索、プレゼンシート作成(2時間30分)
b)プレゼンテーション(5分)
c)質疑(10分)
という入学試験を実施している。

評価のポイントは、
(1)筋道立てて構成されているか
(2)伝えたい内容が聞き手に十分に伝わるプレゼンができていたか
(3)わかりやすく適切な内容の資料が作成されているか
(4)それぞれの情報源は、正確か
(5)質問に対して的確な受け答えができているか
をそれぞれ7段階評価で採点する。

評価するために時間がかかるという問題点はあるが、新しい時代に必要とされる能力を評価する方法としては意味があると考えている。

○ポスト2005で目指すべき方向性
・学校教育の情報化の一層の推進(初等中等教育段階)
・人と人との交流を通じた生涯学習の増進に向けた基礎の形成
・高度情報社会に向けた最先端の「知」の探求と大学改革
・情報化の影の部分への対応
が重要であると思う。

      以上

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2005年11月12日 (土)

岡本薫氏講演:「学力、ICTとマネージメントの課題」

nagano53全日本教育工学研究協議会(JAET) 長野大会
日時:2005年11月11日14:25~15:25
場所:長野県農協ビル(長野市)


nagano52講演テーマ:「学力(目標)、ICT(手段)とマネージメントの課題」
講師:岡本薫氏(文部科学省スポーツ・青少年局企画・体育課長)
講師略歴:元文部省学習情報課長で首相タスクフォース「教育の情報化」メンバーとして、「ミレニアム・プロジェクト『教育の情報化』」の企画にも関わられた方です。

○「自分たちがどうしたいか」が重要
「どう変わる日本の教育」という捉え方ではだめだ。「どう変える!日本の教育」というように自分たちがどうしたいかが重要である。

○選択と自己責任の時代
権限と税金を国から委譲されて、地方にとっては「選択と自己責任の時代」となってきている。
すなわち、「自由をいかに使いこなせるか」ということであり、ローカルスタンダードの時代の到来といえる。しかし、自由の活用にはマネージメントが必要であるが、日本は「マネージメントが苦手」である。

○教育の質を決める3つの要素
(1)カリキュラムの質
(2)教員の質
(3)スクールマネージメントの質

文部科学省には、カリキュラムと教員研修の担当課はあるが、「スクールマネージメント」を担当する課がない。

○企業のマネージャーを校長にするという動きについて
企業人を校長にするという動きがあるが、「スクールマネージメント」と「企業マネージメント」は違う。
「軍事マネージメント」とも違うが、戦争という事例から「スクールマネージメント」について学ぶことは多い。

○ノモハン事件に学ぶ
ノモハン事件(日本軍完敗:1939年5月11日、満州と外蒙との国境付近のノモハンで、外蒙軍と日本の関東軍・満州国軍が武力衝突を起こした。日本側が完敗し、9月15日、モスクワで休戦協定が成立した)の時、日本軍では、「適切に対処せよ!」という指令が出ていた。これは、当時から変わっていない日本の問題点を示している。

◎日本におけるマネージメントの課題
(1)「目的」と「手段」を明確に区別できない
「目的」と「手段」をはっきり区別することは、あらゆる議論やマネージメントにとって不可欠な「基本中の基本」であるが、日本人の多くはこのことが苦手である。
「目的と手段の混同」は、特に「手段として行われている活動」そのものに「価値がある」と思われているときに起こりがちであり、例えば、「パソコン・インターネットを使うこと自体が教育の世界において目的化する」ことも目的と手段の混同である。
(2)原因の特定ができない
子どもたちの「心の問題」に対応するために、「心の教育」の必要性が話題になるが、「心の問題」が起きている原因は「心の教育の不足」ではない。
こうしたアプローチのしかたは、外国の専門家からも、「水を溜めたタンクの水位が下がってしまっているときに、穴を探して塞ぐのではなく、上から水を注ぎ続けるようなもので、効果はあっても根本的な解決にはならない」と言われている。
(3)具体的「目標」の設定ができない
日本人はもともと「マネージメント」ということが苦手のようであるが、特に精神的な価値と結びついている「教育」というものについては、「目標・目的の設定」という基本的な部分で、既につまずいてしまっていることが多い。

◎政策マネージメントのプロセス
(1)現状の把握
政策マネージメントを行うプロセスの第一は、「現状」を正しく把握すること。
(2)原因の特定
「現状」は「理想」からほど遠い状態、「問題」をはらむ状態にある場合が多い。そうした「問題」をもたらした「原因」を除去することで「現状」を「理想状態」に近づけることができる。
そのためには、「原因の特定」が必要である。
(3)目標の設定
・「目標」は明確なものでなけらばならない。そして、「評価」ができる(すなわち、測定可能)なものでなければならない。
・目指すべき方向性について「対立」があるときに、そのどちらも否定できない上位概念でその対立を糊塗してはならない。すぐに対立が露呈するからである。
・「目標設定」とは「選択」である。「これを目指す」ということを決めると同時に、「あれは目指さない」ということも決めておく必要がある。
・「目標設定」とは「必要なこと」を実現するためのものであるが、「誰にとって必要なことか」をよく吟味・検討することが必要である。
(4)手段の開発・実施
「目標」を達成するための「手段」を考える必要がある。
「意識改革」は「手段」ではなく「結果」である。有効な「手段」を開発できない場合に、意識改革が手段とされることが多い。
(5)結果の評価(目標・結果の比較)
「評価」とは、単に「当初の目標」と「手段が実施された結果」を比較することである。
「数値化」とは限らず、評価には「定量的」なものだけではなく、「定性的」なものも含まれる。
日本では、「そもそも目標が正しかったのか」という評価委員の意見を「評価」にしてしまうことも多いようだが、これはマネージメントプロセスにおける「評価」ではない。

○「ルール」と「モラル」の混同
「著作権」は「ルール」であり「モラル」ではない。「他人が作ったコンテンツを無断でコピーしてはいけない」というのは、「赤信号では止まらなければいかない」というのと同じ「ルール」であり、思想・信条などとも関係した「相対的なもの」である「モラル」とは全く違うものである。

◎システム改革とマネージメント
自由と民主主義というのは「正しいものは存在しない」という前提から出発している。キリスト教徒もイスラム教徒もヒンズー教徒も住んでいるアメリカでは、「ブタを食べてよいか」「ウシを食べてよいか」などという「モラル」について話し合っても結論はでません。
これに対して、「同質性」への信仰がのこる日本では、「システムの改善」ではなく「心の問題」で解決しようとしがちである。マネージメントのプロセスをよく理解した上で、「システム改革」「教育改革」を進めていく必要がある。

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参考文献:
校長・教頭・教委職員・PTA関係者のための学校情報化のマネジメント
 岡本薫著 明治図書
教育議論を「かみ合わせる」ための35のカギ
 岡本薫著 明治図書

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2005年11月 2日 (水)

「こころの作法」:山折哲雄氏講演

テーマ:「こころの作法」
講師:山折哲雄(国際日本文化研究センタ-所長)
H15.11.28
(文責:関幸一)

財団法人松下視聴覚研究財団「設立30周年記念式典」での記念講演

視聴覚教育は、音や映像などのマルチメディアを駆使した教育というテーマですが、そこであえて、「聞いて、聞いて、聞き続ける態度」「美しい沈黙」の重要性を持ってきた講師の慧眼と力量には感服しました。

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1.サバイバルセオリーと無常セオリー
(人類の危機的状況下における二つの選択肢)
イラクやトルコの事件が、東京でも起こる危険性を感じている人は多い。
このような困難な状況にどう対応するか。人類史2000年・3000 年の中で、人類はいろいろ考えてきた。この危機的な状況に対応するのに、大きく分けて2つの心構え、2つの選択肢がある。
「ユダヤ・キリスト教的な対応」と「アジア的、仏教的・道教的な対応」である。
第一のユダヤ教・キリスト教的な対応というのは、旧約聖書に出てくる「ノアの箱舟」に象徴される。人類の傲慢さに怒った神が大洪水を起こし、ノア(一族)だけが生き残るという物語である。

一言で言うと「生き残り戦略」。少数の人間だけが生き残る「サバイバルセオリー」である。ユダヤ・キリスト教的なものの根幹は「選民思想」である。
「人間、いかに生くべきか。いかに死すべきか。」という命題がある。1912年のタイタニック号の悲劇は、現代版の「ノアの箱舟」と言える。旧約聖書の時代もそうだったが、タイタニックの時も、生き残った人々のこころのありさまは残っているが、死なざるを得なかった人々の思いは残っていない。
英国マンチェスター大学のジョー・ハリス博士が出した哲学的命題、それは、「サバイバル ロッタリー」というものである。「もしも、10人の命を助けるために、(だれか一人の命を奪わなければならないとしたら)どのように一人の人間を選ぶか」という命題である。それを選ぶルールや方法は無く、ロッタリー(くじ引き)で選ぶというのは、いかにも英国らしい。「最大多数のための最大幸福」という考え方である。我々の社会でも、この命題に直面する。

英国で、「劣悪な自然環境のなかで、死んだ人の人肉を、食べて生き延びた人たちを、許せるか許せないか」という裁判になったことがあった。結果は「許される」という判決が出た。ここにも「サバイバルセオリー」がある。これは、「ノアの大洪水の時」の選択肢その1である。

もう一つの選択肢がある。「その時、我もまた、死に赴こうとする」すなわち、皆と同じ運命を甘んじて受け入れようとする選択肢である。仏陀の「無常」のセオリーである。すなわち、「形あるものは滅する」ということ。
「無常観」にもいろいろある。インドでは「乾いた無常観」であり、「冷たい無常観」である。仏教が日本に入るとそれは、「湿った無常観」「情緒的な無常観」となる。それは、平家物語の冒頭に象徴される。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、・・・」盲目の琵琶法師により語られ、共感と同情を持って聞かれる「身悶えする無常」である。イラクへの自衛官の派遣に際して、はたして「身悶えする無常」といったこういう伝統が残っているだろうか。

良寛の無常観は、明るい無常観である。良寛の句に、「裏を見せ 表を見せて散る紅葉」というのがあるが、気持ちのいい無常観である。「散る桜 残る桜も散る桜」これは清澄な無常観である。良寛が尊敬する道元の句に、「春は花 夏不如帰 秋は月 冬雪冴えて涼しかりけり」があり、川端康成はノーベル賞受賞の時にこの句を引用して、日本人の四季を感じる感情の細やかさを説明したが、良寛はこの句を受けて、「形見とて 何か残さん 春は花 夏不如帰 ・・・」と詠んだ。「このようなモドキ芸」が日本の芸の本質である。

2つの選択肢とは、言い換えると「サバイバルセオリー」と「無常セオリー」である。
私は、10年前は、この二つの二者択一だと考えていた。しかし、今は違う。
今や日本では、既にサバイバルセオリーが染み付いている。衣食住の全てを律している。その前提の上で、無常セオリーをどう結び付け、どう調和させるのか。
この問題を考える必要がある。大多数の中で、少数の人間を生かす。政策の中に、そして経済運営の中に。はたして、それは、調和のある二重奏を奏でるのか、それとも自動演奏のようなギクシャクとした演奏となるのか。

2.個人的生命に対しての危機に際して
源氏物語を「京ことば」の朗読を聞いただけで、その世界に乗り移ることができた。今までの聞いていた「共通語を通した源氏物語」は、それとは別世界。
ことばは大事。戦後の国語教育は間違っていた。これは、言い過ぎ。葵の上(源氏の最初の妻)が難産で苦しんでいる時に、源氏は、妻の顔がかつての恋人の顔に変わるのを見た。これは、まさに生霊のなせる業。「こころの鬼」すなわち、良心の呵責であり、祟りの現象である。悪霊払いが必要である。と考えた。
本居宣長も、病気になったときにまずやるべきは、加持祈祷と言っている。心の治療がまず大事ということである。薬を飲ませて治療するのは、薬師(くすし)と呼ばれて蔑まれていた。まずは、お坊さんがカウンセリングをするのである。

紫式部は、当時最大の権力者であった藤原道長の娘の家庭教師であり、妾であったという説がある。藤原道長は、一族(子や孫)が病気などの時、加持祈祷をした。時には道長自身が、験者(ゲンザ)の格好をしてやった。こころの問題を土台にした加持祈祷である。そのことに、道長は自信があった。ところが道長自身は、自分の命が尽きるとき病床で、「もう加持祈祷はいらぬ。念仏だけでよい」と言った。
「死の意識」「悪の自覚」の中で、念仏の声で満ち満ちていた。無常の声の中で最後を迎えるエクスタシー(絶頂感)である。「生き残り戦略」と「無常戦略」の調和をどうとっていくのかということは、あの時代の貴族たちだけの問題ではなく、現代を生きる我々にとっても、普遍的な問題である。

3.「世阿弥の世界」と教育
世阿弥の能楽の世界は、現在までの日本人のこころの支柱となり、根幹となっている。能楽では、「諸国一見の僧(ワキヤク)」が最初に舞台に登場し、右手のワキに座っている。(「一見の僧」とは、諸国を行脚し、いわゆる「一見さん(乞食僧)お断り」の処遇を受けているのである。)次に、シテが出てきて身悶えするほど、大いに嘆き、不平・不満を漏らす。ワキは、ただ、じっと見つめている。聞いて、聞いて、聞き続けている。シテは亡霊である。そして、ようやく慰められて舞台を去る・・・。最後に、「諸国一見の僧」が一の松、二の松、三の松と後姿を見せながら去っていく。

はじめ、シテとワキが対面している状態から転換があって、肩を並べて向こうを見る形になる。「人間と人間」が「自然と人間」の関係になる。「カウンセラーと宗教家は同じかどうか」についての議論の結論は出ていないが、最初私は、カウンセラーは聞いて、聞いて、聞くことに徹するが、宗教家は聞いて、聞いた果てにある方向性を示すと考えたが、その「方向性を出す」ということは、やらない方がよいと思い直すようになった。

能楽のシテの「聞く力、見る力が凄いな!」と思う。「医師と患者」あるいは「教師と生徒」、「親と子ども」の関係でもある。今日、この「聞く力、見る力」が弱体しているのではないか。
能楽の「諸国一見の僧」の「沈黙の力」は凄い。今は、言葉が氾濫している。そのことが、「人間が本来持っている聞く能力・見る能力」を奪っているのではないか。「沈黙の深み」が「聞く能力、見る能力」を引き出すのである。

永平寺で座禅をした経験があるが、「三黙道場」というきまりがある。食堂と便所と・・・で、音を立てないというきまりである。食事の作法は命の作法である。雲水をよく観察していると、いちいち両手を使っているから、音を立てないことが分かった。お椀を持つのも両手・・・。また、合掌は両手を使う作法である。西洋では握手をするが、これだと、左手でいつでも相手を殴れる作法である。

私は学校でお話をするごとに、先生に、「一度は、子どもたちを永平寺に行かせなさ」と言っている。「沈黙の深さ」「美しい沈黙」それは、無常のセオリーの究極の姿である。

                以上
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父母の入院という状況の中で、この山折哲雄氏の「こころの作法」という2年前の講演を思い出したのです。

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2005年10月16日 (日)

講演メモ:「e-黒板の海外事情」

kane4726タイトル:「e-黒板の活用について」 ーすべて感動から始まる!ー
講師:関 幸一
日時:2005年10月16日(日)15:05~15:45
場所:墨田区立鐘淵中学校

(1)米国:平成15年度JAPET海外調査(清水康敬団長)に参加
HHS2003年10月22日(水) にホイットニー高等学校(アナハイム)を訪問、同校の物理の先生:Rod Ziolkowski(ロッド・ゼルカウスキー)先生の授業を見て感激し、「電子情報ボード(IWB)で、私の授業は完全に変わった!」という先生の言葉に衝撃を受ました。
この先生の授業を日本の先生方に直接みてもらいたいとの強い思いから、2004年3月5日(金)・6日(土)のCECのEスクエア・アドバンス成果発表会に招聘し、講演と模擬授業を実施しました。
その記録は平成15年度「電子情報ボードを活用した実践事例集」CD-ROMに収録しています。その中の「特別活用事例」をご覧ください。

(2)英国の状況と英国の学校訪問
双方向ホワイトボード(IWB)に5,000万ポンド(約100億円)の予算(2004~2005年)
・双方向ホワイトボード(IWB)納入台数
 2003年  38,100台
 2004年  64,220台  
・日本の状況:平成15年度末の設置台数 1,637台(5,274台- 3,637台)
これは、同年の英国と比較すると1/40である。

2005年1月に英国訪問
London02◇学校訪問
・Avondale Park Primary School訪問
・Sacred Heart High School訪問
・The Business Academy 訪問

London03The Business Academyの児童の一人(写真中央)が、「わたしは、このような素晴らしい環境の中で学べるということをとても幸せなことだと思います」といったのが強く印象に残っています。


(3)日本の状況と鐘淵中学校の挑戦の意味
「e-Japan重点計画」における「教育情報化」関連の主な目標は、
2005年度までに、
・概ねすべての公立学校の高速インターネット接続
・校内LANの整備等により、全ての教室がインターネットに接続
・コンピュータ教室1人1台の整備、普通教室等への整備を推進し、教育用PC1台当たり児童生徒5.4人の割合を達成
・概ね全ての公立学校教員がコンピュータを用いて指導できるように
というものであるが、「全教科・全教員がe-黒板を活用した授業を実施しようという鐘淵中学校の挑戦」は、日本ではとても先進的な取組みであると思います。

国の施策(平成18年度文部科学省概算要求)の中で、教育の情報化の推進として、
 1)IT活用重点促進事業(新規)
 2)校務情報化促進事業(新規)
 3)地域IT環境整備促進事業(新規)
 4)情報モラル等指導サポート事業
 5)IT人材育成プロジェクト
が挙げられていますが、このうち、1) 3) 4)の事業ではe-黒板が重要な役割を果たすことになりそうです。

(4)「すべて感動から始まる!」(池田敏雄)
富士通の池田敏雄氏(プロジェクトXでも紹介された日本のコンピュータ開発の先駆者)の名言「すべて感動から始まる!」をキーワードにお話します。
今回の「e-黒板の活用」が鐘淵中学校で始まったのは、2003年10月にJAPET(日本教育工学振興会)主催の海外教育事情調査団でカリフォルニア州ホイットニー高等学校でのゼウカウスキー先生の授業を見たときの、私の感動がその先生の招聘につながり、そして、2004年3月のCEC(財団法人コンピュータ教育開発センター)の成果発表会でのゼウカウスキー先生の模擬授業をご覧になった渡部校長の感動が、鐘淵中学校へのe-黒板導入と今回の「e-黒板が授業を変える!」という研究発表会の起点になったということが言えると思います。

先進的な機材(コンピュータやe-黒板)を活用することよりも、先生方が子どもたちのために工夫し、努力し、協働作業で授業を改革していこうとする姿が、子どもたちに感動を与え、生きる力を育むでのはないかと、私は考えています。

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2005年10月 4日 (火)

「博物館は教育産業である」:高田浩二氏の講演

Takata85本日は、お客様起点経営を目指す組織経営改革の一環として、「お客様トップのご意見を聞く」という目的で、海の中道海洋生態科学館(マリンワールド海の中道)の館長、高田浩二氏をお招きしました。
高田浩二さんは、「水族館の教育活動」に関する日本で初めての博士号を取得された方で、博物館の情報化など幅広いそして先進的な活動をされています。また、昨年の教育システム情報学会の、「ICTを利用した優秀教育実践コンテスト」では、優秀賞(社会連携)を受賞されました。

講演テーマは、「博物館の情報化:私のチャレンジと今後の夢」です。約1時間ほどお話をしていただき、そのあと意見交換をしました。

Takata87◇講演要約:
広辞苑によると、博物館とは「古今東西に渡って考古学資料・美術品・歴史的遺物その他の学術的資料を広く蒐集保管し、これを組織的に陳列して公衆に展覧する施設であり、水族館とは「水の動物を飼育して公衆の利用に供する施設」とある。
そして、高田館長による新しい定義では、「水族館・博物館とは、様々な学術資料を収集・展示し、これらの情報を人に伝える施設であり、感動と知的理解すなわち教育の役割をもっている施設である。」

博物館は教育施設であり、博物館職員は教育者である。博物館の情報化は、展示・解説・教育・研究のすべての面において重要であり、情報化のメリットは、「展示や解説の充実」「教育への貢献」「館相互でデータが有効活用」ができるということである。

ホームページ、E‐メール、CD-ROM、テレビ電話、モバイル(携帯・PDA)などのIT技術を活用して館外にも情報発信し、双方向のコミュニケーションが可能である。
学校教育の情報化、教育改革プログラム、学社融合、総合的な学習の時間、学校完全週5日制により、博学連携の大時代がやって来た!

博物館に制度の追い風。今を逃すな! 出遅れた博物館は取り残される。
水族館・動物園で人と出会う。人を通して、生物の命、自然環境の大切さ、働く人を学ぶ。

博物館の専門性、博物館の人、博物館の機能・役割、そして博物館の建築・デザイン。博物館の全て、存在そのものが教材である。

博学連携に必要なものは、
1)博物館の職員体制:教育が専任の学芸員、教育が大好きな学芸員、教育も研究の一つ2)マーケッティングするという意識:教育も商品。いつ、誰が、どう使うかを把握。顧客(教員、生徒)を満足させる商品(教材、プログラム)の開発
3)教育と展示は同等:教育を目玉商品(展示)の一つに
4)開かれた博物館、開かれた学校:教員と学芸員の歩み寄り。学芸員が学校教育のシステムを学び教育の現場に介入。学校が門戸を開く。博物館も「敷居」を低く
5)ITの活用:いつでも、誰にも、何度も、消耗なく、平等に実物教育を補完する。館外(地域、広域)への情報発信である
6)情報と人のネットワーク:情報化する学校と博物館を相互に結ぶ情報のネットワーク。情報を活用する人、提供する人の間のヒューマンネットワーク。(飲みニケーションも大事)

博学連携は新しいビジネスになる。博物館は教育産業であり、教育を通して地域に貢献する博物館が今求められている。


高田館長は、14:00には上野において、学会で講演をされる予定です。

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2005年9月 2日 (金)

ITを活用した授業支援(SS研究会)

今日は、サイエンティフィック・システム研究会の2005年度研究環境分科会第1回会合に参加しました。今までは小・中・高等学校の分野しか見ていなかったのですが、大学の分野で何が問題となっており何が議論されているのかを垣間見ることができました。
4つの発表がありました。そのうち、2つの講演について、ほんのさわりと感想を記します。

『2007年問題に向けて、次世代大学の教育を考える』(大阪経済大学 家本修氏)
SSken662006年問題(新学習指導要領:ゆとり教育・教科「情報」を学んだ学生の入学)、2007年問題(団塊の世代が定年退職を迎える)、2008年問題(少子化の影響で大学全入とのバランスが問題となる)があり、次の教育・未来の教育・21世紀人材育成に取組んでいかなければならない。
「高等教育の担い手と競合」「教育の質」が課題であり、「何を求めるか」については、「ダイナミックリテラシー」「問題解決能力」「創造性能力」「社会性能力」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ能力」「コラボレイト能力」を挙げられました。
SSken6421世紀人材育成の課題としては、「適性生活環境社会」で科学技術創造者を生み出すのか、科学技術専門家を育成するのか、科学技術理解者を育て浸透させるのかを、各大学が目標として定める必要があると力説されました。
また、「多文化多価値社会」という視点では、国際関係構築者を生み出すのか、実施実現関係者を育成するのか、国際関係理解者を育てるのかを明確にする必要があると説かれました。

『熊本大学における「教授システム学」専攻設置計画』(熊本大学 宇佐川毅氏)
SSken67日本が諸外国と比べてeラーニングの活用が遅れており、高い教育効果を得ることのできるeラーニングの開発には、その特徴を効果的に活用する教授法が不可欠であり、教授法としてのインストラクショナル・デザイン(ID)、情報通信技術(IT)、知的財産権(IP)、そして教授マネージメント(IM)の4つのIを体系的に習得した人材を育成する修士課程として、「教授システム学」専攻の設立の必要性とその計画について紹介されました。

小・中・高等学校だけでなく、「ITを活用した教育については、大学も諸外国に遅れをとっている」ことを痛感しました。

家本氏は、デジタル教材の功罪として、「わかった気になる:flash現象」「興味関心がある気になる:interest現象」「外的動機付けがあるように見える:motivation現象」「協調作業ができない:anti-collaboration現象」を挙げておられましたが、私は大学でも「e-黒板(電子黒板)」を活用することにより、これらの危惧も改善されるのではないかと考えています。

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2005年8月21日 (日)

陰山英男校長の「解決!学力低下問題」

ryomou752005両毛教育祭【第7回でき学セミナーinぐんま】講演録(4)
日時:2005年8月20日14:10~15:15
場所:群馬県太田市民会館
講師:陰山英男氏(尾道市立土堂小学校校長、中央教育審議会義務教育特別部会臨時委員)
「間違いだらけの学力向上」「落ちているのは学力だけではない」「社会の夜型化が最大の原因」。その解決策は「早寝・早起き・朝ごはん、家族の対話」「読み書き計算、音読」。そして、『学力テストの成績を上げるために学校でもできる裏わざ・力わざ』公開。

◆「間違いだらけの学力向上」
今言われている学力低下問題で、正しいのはどれでしょう。
・日本の子どもの学力低下は深刻だ
・東大は裕福層でないと合格するのは難しい
・ゆとり教育で、学力は低下した
・夜遅くまで受験勉強しないと学力は向上しない
・子どもの知能はそう簡単に伸びない
・昔の子どもはゆとりがあった
  ・・・
実は、これらはすべてウソ(間違い)です。考え方がトンチンカンなんです。
たとえば、最近では東大合格者は、地方出身者が増加しており、低所得層の家庭からの合格者が急増している。
東大HP・広報・新入生のアンケート結果 家庭の状況:参照】

◆「落ちているのは学力だけではない」
2003年の調査結果を国は「もはや世界のトップではない」と表現している。
「家庭の教育力(家庭での学習時間)」や「TVの視聴時間」が世界最低水準であり、「子どものお手伝い」世界平均の半分以下であることを考慮すると、この学力は深刻ではない。「崖に落ちていく一歩手前」といえる。
落ちているのは学力だけではない。50m走は、20年前に比べて、10年前は受験時(15歳・18歳)で落ちていても19歳で回復していたが、現在は、落ちたままで回復しないまま大人になっている。体力も落ちているし、心もすさんでおり気力も落ちている。
(詳しいデータは、9月17日号の文藝春秋に掲載されるそうだ)

学力低下よりも12万にとも言われている不登校の急増が深刻な問題。昭和41年から10倍に増えている。校内暴力も平成7~8年から急増している。

◆「社会の夜型化が最大の原因」
昭和60年から問題は始まった。社会的背景として、「昭和57年:ファミコン」「昭和63年:ドラクエ発売」等があり、子どもたちの睡眠不足の進行が始まった。

◆「早寝・早起き・朝ごはん、家庭の協力」
「寝る子は育つ」と言われるが、平均睡眠時間と国語・算数の点数の相関関係の調査がある。27,000人を対象に実施された調査である。

睡眠 4 5 6 7  8 9 10時間~
ーーーーーーーーーーーーー
国語 52 62 66 70 71 70 65
算数 53 64 70 74 74 74 68

朝食で「ご飯食」「パン食」「たべない」という子どもの成績との相関関係を調べた調査もある。「朝御飯」を食べている子どもの成績が有意に高いこともわかってきている。一食あたりの摂取食品量が学習成績および教科学力テスト偏差値に関係しているようだ。

「学力向上とは、子どもを元気にすること」と考え土堂小学校の挑戦が始まった。
家庭の協力も得て、「早寝・早起き・朝ごはん」を実践し、基礎学力向上においても具体的な成果が得られてた。「基礎学力向上は一年で十分」である。「改革はスピードが命」
成功の要因は、朝型に切り替えることである。朝が早いと夜も早い。朝食は御飯が多い。家族に対話がある。「読み書き計算」「音読」が脳を活性化する。

◆『裏わざ・力わざ』
学力テストの成績を上げるために学校でできる『裏わざ・力わざ』(ノウハウ)を公開する。

◎モジュール授業の実践
 ⇒宿題はプリントで出す
◎ペーパーテストの学力低下
 ⇒忘れさせないための宿題
◎子どもは忘れる天才
 ⇒漢字力は学力 漢字の前倒し学習
◎つまずきを見抜く眼力
 ⇒徹底した個別指導
◎テストを受ける技術指導
 ⇒受験テクニックも生きる力。小学校段階でも指導すべき

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坪田耕三先生の「『なぜ』に培うハンズオン・マス」

ryomou602005両毛教育祭【第7回でき学セミナーinぐんま】講演録(1)
日時:2005年8月20日9:50~10:55
場所:群馬県太田市民会館
講師:坪田耕三氏(筑波大学附属小学校副校長、横浜国立大学講師、日本数学教育学会常任理事、全国算数授業研究会会長、ハンズ・オン・マス研究会代表、他)

「なぜ?」「どうして?」と、子ども自身が思わず追究したくなる課題を提示し、数学的な思考の楽しさを味わう授業を展開することができる。「培う」言葉は、「育てる」とは少し違う。子どもたちは自力で育っていくのであるから、培うとはそれをいろいろな工夫で手助けするという意味。「ハンズ・オン・マス」とは、手作りの算数の授業のこと。

ある日若い先生から、電話で質問を受けた。「すだれ算で最小公倍数を求める方法を教えたが、子どもたちの『なぜ?』に答えられない」というのです。
すだれ算とは、
 2)24 36
  ------
 2)12 18
  ------
 3) 6  9
  ------
    2  3
のように計算することで、2×2×3=12が最大公約数、2×2×3×2×3=72が最小公倍数となる。この連除法の成り立つわけ、すなわち『なぜ?』に答えられないと、大人になっていろいろな困難にぶちあたったとき、自分で解決できるようになれない。全ての数は、素数と合成数から成り立っていることを示すと連除法で、最大公約数と最大公倍数が求められることが納得できる。

14÷5= ? (14枚の折り紙を5人で分けると、答は?)
これは、この問題に最初にであった子どもたちにとっては、「答のない割り算」である。学校で教えている答は、「2余り4」であるが、ある子どもは「あと1枚あると丁度5人に3枚づつ分けられる」ので、「3足りない1」と答えた。またある子どもは、「残りの1枚を5人で分ければいい」というので、これは「2と4/5」という答になる。

◆テスト1:
みなさん、テストです。携帯電話の電卓機能を使って問題を解いてみましょう。
「好きな3桁の数字を入力してください」
例えば:543 (実際には会場では777という数字を答えた)
その数を続けてもう一度入力してください。6桁の数字になりました「543543」
その数を、「7」で割ってください。次に「11」でも割り切れます。そして、「13」でも割り切れます。(会場から、「ワー」という歓声)
どんな3桁の数でも、6桁にすると「7」「11」「13」で割り切れます。
『なぜ?』と子どもたちは考えます。「最初の数」(例えば:543)に戻ったと気がついた子どももいます。実は、543を543543としたということは、543を1001倍したということです。そして、1001は7×11×13なので、いつでも割り切れて答えはもとの3桁の数字になるわけです。

◆テスト2:
A:4+4+4+4+4+4+4+4+4+4+4+4
B:8+8+8+8+8+8+8+8
どちらが大きいでしょうか?計算しないで、直感で答えてください。
(この問題は、Bと答えた人が多かった。でも、これは次の問題のための巧妙な伏線であった)

◆テスト3:
それでは、+算を×算にして
A:4×4×4×4×4×4×4×4×4×4×4×4
B:8×8×8×8×8×8×8×8
どちらが大きいでしょうか?これも計算しないで、直感で答えてください。
(この問題は、Aと答えた人が多かった。みなさんはできましたか?
4=2×2、8=2×2×2とするなどで納得できる答えが得られます)

5-3=
とするだけでは、子どもたちの『なぜ?』は生まれない。「黒板に貼り付けた5つのおはじきを画用紙で隠しておいて、3つ取り出し、残りを想像させる」などの工夫により、いい授業ができるのです。

(1)『なぜ?』に答える教材研究
(2)『なぜ?』が子どもたちから生まれる授業
(3)子どもたちの『なぜ?』が飛び交う授業
(4)『なぜ?』に答える楽しむ授業
が、「ハンズ・オン・マス」(手作りの算数の授業)の目指している授業です。

*坪田耕三先生の新著:『素敵な学級づくり 楽しく・優しく』『算数楽しく ハンズオン・マス

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2005年8月 9日 (火)

「思えば叶う」

講演メモ:「脳研究と脳型コンピュータ」

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ハイパーメディアコンソーシアム第20回シンポジウム
「脳型コンピュータ研究開発と脳科学」
日時/場所:1999.1.13/弘済会館
講師:理化学研究所脳科学総合研究センター)松本 元氏
文責:関 幸一
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序-

脳研究と脳型コンピュータ
いままでの科学は「死んでいる物の科学」である。木や金属を対象にした科学であるからである。生き物は全くちがう原理で動いている。

「あれば便利」は「楽して生きたい」ということであり、人間をだめにする。
すなわち、成長がない。「あれば便利」ではなく、なければならないものを追求していくことが大切である。

脳研究の2つのアプローチ
(1)「脳を知る」という研究のアプローチ
(2)「脳を創る」という研究のアプローチ
がある。
「脳を創る」というアプローチは、脳が生得的に備えている「アルゴリズム獲得のアルゴリズム(超アルゴリズム)」が脳でどのように表現され、それによって脳のアルゴリズム獲得がいかに成されるかを解明すること。
この「脳を創る」研究アプローチからの脳理解について説明する。

1.脳の目的

★脳の目的はアルゴリズム獲得
脳の目的は、情報を選択し、その選択した情報の仕方(アルゴリズム)を自ら獲得することである。
脳はアルゴリズム獲得が目的であるので、人の生きる目的はどれだけのことを成すか(出力すること)ではなく、高きに向かって努力しているプロセスにある、と言える。言い換えると、人生の目的は頂点に達することではなく、高きに向かって努力しているプロセスにある。

山に登る時に頂点が必要なのは、高きに向かって進むためのあくまで指標にすぎず、決して頂点に到達することが山登りの目標ではない。

★目的が脳を活性化する
巨人軍の清原選手の話:
「巨人軍入団が永年の夢だった」すなわち、入団することで目的を達成してしまったことになり、後はスランプに陥るだけ。

サッカーのカズ選手と中田選手:
カズ選手はワールドカップ出場が夢だったから、出なくてよかった。
中田選手にとってはワールドカップ出場は、単に自分を世界にアピールする機会に過ぎず、自分をさらに引き上げることが目的。

★出来高評価は人を苦しめる
現代社会は出来高で人を評価することが多い。この事が人を苦しめる。脳本来の目的にまったくそうぐわないからである。「出来高払い」ではチャレンジができない。

コンピュータはそのプログラムに従って入力情報を処理し出力する。
コンピュータの目的は出力することであるので、「出来高評価」をコンピュータに適用することは正しい。

2.脳の原理
2-1 脳の情報原理

★脳はメモリー主体型/コンピュータはプロセッサ主体型
脳はダイナミックな表引きテーブル(ルック・アット・テーブル)と考えることができる。
表引きの検索をするのは、答えを検索する必要があるだけの入力情報を得ている、と脳が判断した時である。
先読み学習し、自分が答えをつくって照らし合わせる。答えを探し出して出力するだけだから速い。コンピュータの情報原理はプロセッサーベース・アーキテクチャー(プロセッサ主体型)である。

★人はわかりあえない
表引きテーブルが一致したときわかりあえる。たとえ数十年連れ添った夫婦でも、それぞれの表引きテーブルが違うわけだから完全にはわかりあえない。

2-2 脳の構成原理

★最後を印象深くすると全てが記憶される
ねずみの実験:
ねずみにブザー音を聴かせた後、少し時間をおいてねずみの足に大きな電気ショックを短時間与える。この後、このねずみは、ブザー音を聴くと次に電気ショックが来ることを「先読み」し、身体の硬直や血圧上昇などを起こす。

脳が出力を出すほどの刺激を受けた時だけ記憶される。自分にとってこの情報は役に立つ情報だと思ったときに脳は活性化される。(アルゴリズムとして記憶される。)

最後を盛り上げると、その前をすべて記憶する、というのは脳のアルゴリズム獲得のメカニズムによる。

★一度記憶したものは生涯忘れない。思い出しにくくなるだけである。
脳は一度長期記憶としてアルゴリズムを獲得すると生涯消去できず、新しいアルゴリズムは古いアルゴリズムをもとに追加学習的に形成され階層構造化される。われわれがものごとを忘れて行く様に思えるのは、そのアルゴリズムが失われるからではなく呼び出しにくくなるからである。

3.脳の広域学習アルゴリズムとその表現

★古皮質が直感し、新皮質が評価・検証する
脳は進化過程で得た、古皮質、新皮質の二重構造を情報処理の階層性として用い、古皮質で把握した粗いが素早い意味概念を、新皮質が検証すべき目標設定として構築されている。

3-1 目標設定

★「思えば叶う」
脳は、生まれながらにアルゴリズムを創り出すアルゴリズムをもっている。
したがって、「こうしたい」「こうなりたい」と願えば(思えば)、その実現に向けてのアルゴリズム創生活動が動き出し、答えを見つけていく。
目標を持つことの重要さはここにある。そして、目標をもてば諦めないかぎり実現する。実現させるために脳は働きつづける。

3-2 脳の広域学習制御

★歳を取ると、なぜ一年が短く感じるのか
年々時間が短くなっていると感じるということは、感動することがなくなったということにほかならない。逆の例もある。
花を育てることが楽しみになったおばあさんの話:
3週間が、過去の74年間よりも長く感じる。朝起きるのが待ち遠しい。

★人は胎生であり胎生期がながいので関係欲求が強い
人は胎生でありその期間がながいので、人とひとのコミュニケーションなしには生きられない。

結び
★愛は脳を活性化させる
人は「存在するだけですばらしい」といわれることで、それは愛と表現されその結果、脳が活性化される。
愛された経験を持つ人が、他人も愛せる。
人が目標を設定し、その実現に向けて踏み出すと、挫折もする。この挫折の中で、持続的に目標達成に向けて挑戦し続けるための、いわばエネルギーが愛である。
この愛によって脳活性を上げ、これによって目標を結果として達成するためのアルゴリズムを獲得することになる。

★情報とは「情」が通じること
脳を活性化させるものが情報である。単にインターネットのホームページに掲載されている「もの」が情報ではない。原点にもどってぜひやっていただきたい。
日本が世界に向けていい情報発信基地になってもらいたい。

            --以上--

「構成的手法による脳研究 -脳型コンピュータの開発-」
「脳を創る」

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